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2022.04.13

From北海道新聞

和寒産ホップ 発泡酒に*5品種原料 美深で300リットル醸造*口当たりマイルド 来月発売  

北海道新聞記事
北海道新聞記事
昨年夏、町農業活性化センター「農想塾」で鈴なりに球花をつけたホップ
鈴なりに球花をつけたホップ=2021年8月19日、町農業活性化センター「農想塾」(宮永春希撮影)

 【和寒、美深】地元のホップで発泡酒を―。和寒町が特産化を目指して試験栽培しているホップ5品種を原料に、美深町の酒造会社が発泡酒300リットルを醸造した。4月中旬までに販売が始まる予定で、和寒町は「町民に飲んでもらい、生産者がホップに興味を持ってもらえれば」と期待する。

 原料のホップは100%和寒産。町農業活性化センター「農想塾」で昨年収穫した中から、「チヌーク」や「クリスタル」など5品種、乾燥重量で計約6・4キロを使った。

 発泡酒は、美深町の酒造会社「美深白樺ブルワリー」が製造。1月25日に仕込みを始め、約1カ月の発酵、熟成を経て、フルーティーでマイルドな口当たりに仕上がったという。副原料に美深町産のシラカバ樹液を使っているため、酒税法上は発泡酒に分類される。アルコール度数は5%。

 和寒町がホップの試験栽培を始めたのは、2020年5月。風土に適した品種を見極めるため、農想塾の畑で10品種13株の苗を植えた。きっかけは3年前、奥山盛町長がサッポロビールの役員から、道産ホップの需要があると耳にしたこと。ホップ栽培の道内先進地の首長からも「風を防げる中山間地域は栽培に適している」と助言を得た。

 21年度は、初年度に枯れた1品種を除く9品種12株を栽培。乾燥重量で計約9・3キロと収量はまだ少ないが、農想塾の清田雅明所長は「球花の数は初年度の10倍以上に増えた」と手応えを語る。

 町は当初、収量が安定する3年目以降の売り込みや試験醸造を目指していたが、昨年11月に同ブルワリーの高橋克尚(よしなお)社長(49)が同センターを訪れ「地元である上川北部のホップでクラフトビールを造りたい」と要望。これを受け原料供給を決めた。

 町は新年度、収量性の高い3、4品種に絞って試験栽培を続けるという。町産業振興課の山口祐樹課長は「酒造会社へ町産ホップを売り込み、需要が高まれば町内の農家に生産を呼びかけたい。多くの町民に携わってもらい、重量野菜のカボチャやキャベツとは違う新たな特産品として育てていければ」と語った。

 330ミリリットル瓶入りで1本650円。商品名は未定。今後、樽や瓶に詰め替え、4月中旬までに同社や道北各地の酒販店を中心に販売される見込み。(宗万育美)

(北海道新聞2022年3月30日掲載)

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