観光業の企業内職業訓練校
苫小牧市にある野口観光グループ(登別)が運営する職業訓練校「野口観光ホテルプロフェッショナル学院」におじゃましましたので、ご紹介します。
学院は、「新苫小牧プリンスホテル 和~なごみ~」の1、2階に併設しています。
「なぜ訪ねたのか?」というと、実は北海道新聞社は学院開設の2018年度から、道新社員による授業を学院で行っているからです。そして今回、食と観光のWebメディア「TripEat北海道」編集長の山崎が、お恥ずかしながら、稚拙な講義をさせていただいた次第。これも「御縁」なので、北海道の「食と観光」の将来を担う人材育成機関を取材させていただきました。
学院は2年制で、接遇や経理などを学ぶ座学、ホテルでのフロント業務といったOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング=職場教育)も行っています。ホテルサービス業に関するさまざまな資格取得もサポートしてくれるそうです。
一番の大きな特徴は、入学すると野口観光の正社員として採用されることです。毎月の給料をもらいながら、学ぶことができるんです。徒歩1分に3食付きの寮も完備されていて、多くの学院生が共同生活をしながら、ホテル業の基礎を学んでいます。
総合ホテル学科と総合調理学科の2コース
コースは、総合ホテル学科と総合調理学科の2つ。定員は、2018年に開設した総合ホテル学科は30人、19年に開設した総合調理学科は20人で、現在、4期生と5期生が学んでいます。
観光業の企業内職業訓練校は全国的にも珍しいそうです。
学院に併設するホテルの朝食会場では、学院生がシフトに入って働いていました。
共に総合ホテル学科2年で、寮では同室という仲良し2人組に将来の意気込みを聞きました。
上村愛さん(21)は「お客様のお役に立ち、そして愛されるホテルマンになって、お客様の素敵な思い出をつくるお手伝いができるようになりたい」。安藝柚香さん(20)は「お客様にとって大切な日を提供できるカッコいいホテルマンになりたい。平和な日本だからこそできる観光を楽しんでほしいです」と話していました。
学院3期生で、昨春から札幌・定山渓温泉の章月グランドホテルで働く山田翔子さん(21)にも話を聞きました。山田さんは学院での2年間を「大変なことも多かったけれど、同じ目的を持つ仲間がいたから頑張れた」と振り返ります。学院時代に取得した資格が現場で役立っているそうで、今年の目標に「学院生の時に3級を取得した国家資格のレストランサービス技能検定2級合格」を掲げていました。
学院生が作る「カヌレ」あります
最後に、野口観光ホテルプロフェッショナル学院で忘れてはいけないのが、学院生が作るフランスの伝統的焼き菓子「カヌレ」です。
昨年、学院生が考案したカヌレを売り出したところ大好評だったことから、レシピを改良して、昨年6月から本格販売しています。
カヌレ独特のモチッとした食感に、ラム酒の風味が広がるのが特徴です。
1個250円。
学院に併設する新苫小牧プリンスホテルのフロントで、数量限定で販売しています。問い合わせは同ホテル(TEL:0144・2・9222)へ。
※情報は記事公開当時のものです
フランス伝統菓子「カヌレ」 札幌市内で楽しめる4店