知っている方も多いと思いますが、北海道の道東、津別町相生地区の「道の駅あいおい」の人気者「元祖クマヤキ」をご紹介します。ずばり、クマの形をしたお焼きです。と言ってしまうと味気ないのですが、とにかくその姿がかわいい!
SNSで大ブレーク
道の駅を運営する町の第三セクター相生振興公社がクマヤキを発売したのは2009年12月。口コミなどで道東を中心に知られるようになりましたが、エリアは限定的で、売れ行きは伸び悩んでいたそうです。
転機となったのは2016年1月です。クマヤキに着目した東武百貨店の打診を受けて、東武百貨店池袋店の北海道物産展への初出店を決めます。
会場で実演販売したところ、大人気に。中でも若い女性からの支持は絶大で、初日からSNSで「かわいい」と写真と共に発信され、週末には200人以上の行列ができるほどに。焼きに焼いて、1週間の出店で1万3千個を売り上げたそうです。
以来クマヤキは、同店で開催される冬の物産展の〝常連客〟となっています。公社には出店要請が相次ぎ、各地に「出没」しては、話題を呼んでいます。道の駅にもクマヤキ目当ての観光客が道内外から訪れるようになっています。
ところで、なぜ「クマヤキ」になったかと言うと、何か名物を作ろうと議論した時に、地元にちなんだ動物の形のお焼きを作ろうとのアイデアが浮上。キツネや鮭などの案が出る中、「相生にはクマが出没する。『クマヤキ』はどう?」との職員のつぶやきが決め手になったそうです。
シゲちゃんデザインのぽっちゃりおなか
横を向いたお澄まし顔とぽっちゃりしたおなか。
この愛嬌たっぷり、魅惑のフォルムを生み出したのが、相生地区に住む造形作家でイラストレーターの大西重成さんです。「シゲちゃん」の愛称で知られる大西さんは、同じ相生地区にある私設美術館「シゲチャンランド」代表を務めています。冬期休館中ですが、非常にユニークで楽しい空間なので、こちらもぜひ!
デザイン設計を依頼された大西さんは「『かわいらしさ』で売り出そう。食べることだけが目的のお焼きでは、終わらせない」と言っていたそうです。
ぽってりとした大きなおなかには、あんこがたっぷりです。
▽シゲチャンランド(ttps://shigechanland.com)
クマヤキは現在4人家族
クマヤキは、いずれも皮が茶色で、津別町産や近郊産の小豆を使った粒あん入りの「クマヤキ」(200円)、粒あんに濃厚生クリームを加えた「ナマクマ」(230円)、さっぱりした甘さが特徴の豆乳クリーム入りの「ヒグマ」(200円)、そして、タピオカ粉を混ぜて皮を白くした「シロクマ」(200円)の4種類あります。
家族構成は定かではありませんが、出没順は、「ヒグマ」と「シロクマ」が販売開始当時からの最古参で、次ぎに「ナマクマ」、意外にも「クマヤキ」が最若手です。
このほか、季節限定クマもあるそうです。
生地は道産小麦を使っていて、ふわふわ食感が味わえます。
道の駅おいしいもの部門で2年連続2位
見た目もさることながら、味も抜群で、2021年度の北海道道の駅スタンプラリー「いちおしのおいしいもの部門」で、2年連続の2位に輝いています。
この調査は、2021年4月~22年3月に、北海道の道の駅全126駅のうち100駅以上を訪れたスタンプラリー参加者にアンケートしたものです。今回の有効得票数は1604票で、クマヤキは128票を集めました。
1~3位の上位は前年と同じで、不動の人気を誇っています。1位は204票で厚岸グルメパーク(厚岸町)の「牡蠣」、3位は94票で望羊中山(喜茂別町)のあげいもです。
もちろん山崎は、この3つは全て制覇していますが、みなさんはどうですか?
クマヤキは、手にした時のフィット感も「なかなか」ですので、ぜひできたて熱々のぽっちゃりさんを目と舌でめでてあげてください。
道の駅あいおい |
▽住所/津別町相生83の1 |
▽TEL/0152・75・9101 |
▽定休日/火曜 |
▽HP/https://michinoeki-aioi.com/kumayaki/ |