【富良野、中富良野】中富良野町内のワイン製造会社「ドメーヌ・レゾン」と富良野市ぶどう果樹研究所は、それぞれが製造したワインでワインコンペティション「サクラアワード2022」のダブルゴールドを受賞した。同賞を受賞したのは道内では両ワイナリーを含め3カ所のみで、国内外のワイン競争が激化する中、富良野勢が強さを見せた。
女性審査員によるサクラアワードは、2014年から一般社団法人ワインアンドスピリッツ文化協会(東京)が主催している。同協会代表理事は、十勝管内池田町出身でワインコンサルタントの田辺由美さんだ。ワイン業界で活躍する430人が、ブラインドテイスティング(ワインの情報を隠しての審査)を行い、4月末に審査結果を発表した。
審査したワインは、過去最多の25カ国計4652銘柄。100点満点で審査員平均93~100点を獲得した286銘柄がダブルゴールドに選出された。次いでゴールド(平均88~92点)に1425銘柄、シルバー(同85~87点)に614銘柄が選ばれた。ダブルゴールドの中でもより優れた60銘柄のダイヤモンドトロフィーに日本の銘柄はなかった。
中富良野「ドメーヌ・レゾン」「自社原料100% 喜び2倍」
ドメーヌ・レゾンは、中富良野町内の自社農場で栽培した2021年産「ケルナー」を100%使った白ワイン「中富良野ケルナー2021」(750ミリリットル、3300円)で、昨年の2銘柄に続いて2年連続のダブルゴールドを獲得。爽やかな酸味としっかりとした果実味が特徴で、幅広い食事に合わせやすいという。このほか、白ワイン「中富良野ミュラートゥルガウ2021」はゴールド、オレンジワイン「中富良野オレンジワイン2021」はシルバーを受賞した。
同社は道内外で買い付けたブドウを使っていた時期もあったが、今回の受賞ワインは自社農場のブドウ100%で製造した。担当者は「地元の原料でつくったワインで賞を受賞でき、喜びも2倍です」と語る。
富良野市ぶどう果樹研究所「生産者と協力し頂いた」
一方、初めて応募した市ぶどう果樹研究所は、白ワイン「バレルふらの(白)2018」(720ミリリットル、2400円)でダブルゴールドに輝いた。このワインには18年産の「セイベル5279」と「ケルナー」を使った。白ワインでは珍しい樽熟成による風味やキリッとした辛口が自慢の一品だ。
ブドウは市内の契約農家と市の直営農場で栽培されたものだ。同研究所は「生産者さんと共に頂いた価値のある賞。来年も応募したい」と喜んだ。また、ロゼワイン「ソレイユ」はゴールドを獲得した。両ワイナリーの受賞ワインは、いずれも直営店や公式ホームページなどで購入できる。(千葉佳奈)
(北海道新聞2022年5月19日掲載)
ふらのワイン 新たな一歩*ボトル再利用 グラスに*市内麓郷の工房製造、販売*「富良野らしさ味わって」