苫小牧市のラーメン店「味の大王」の看板メニュー「カレーラーメン」が、飲食店や食品会社のコラボ商品として全国や全道で相次いで販売されている。14日から居酒屋チェーン「つぼ八」(札幌)が全国約130店で期間限定メニューとして提供。昨年は、カップ麺やパンになって登場した。苫小牧のご当地グルメを目にする機会が増えることで、地域のPRに一役買っている。
つぼ八が同社創業50周年記念のおすすめメニューに取り入れたいと、昨年秋に味の大王に打診した。味の大王と同じスープを使った「味の大王コラボ カレーラーメン」(605円)を4月3日まで提供する。10回ほど試作を繰り返し、とろみのあるスープに麺がからむ一品に仕上げた。
同社商品部のメニュー開発担当、立花大幹部長によると、つぼ八は居酒屋とはいえファミレス感覚で利用する家族連れが多く、カレーラーメンの提供により「食事メニューを強化できる」と狙いを説明する。
昨年秋は、即席麺製造販売のエースコック(大阪府吹田市)が定番の「わかめラーメン」の「カレー味」を全国のスーパーなどで期間限定で発売した。味の大王が監修した。
ラーメンとパンを組み合わせた異色の商品も登場した。昨年秋、日糧製パン(札幌)は、コッペパンに麺を挟み、カレーソースとチーズソースをかけた「チーズカレーラーメン風ロール」などを発売。味の大王の「チーズカレーラーメン」の味を再現した商品で、道内のスーパーやコンビニで販売し、好評だったという。
それぞれのコラボ商品の包装や店舗のメニュー表には「苫小牧」の地名が入っている。味の大王の中江友紀常務取締役は「店を育ててくれた地元への感謝の思いから、他社と連携する際、地名の表記にこだわっている。全国の人が地名に触れるきっかけになれば」と期待する。(佐藤圭史)
(北海道新聞2023年3月8日掲載)