【西興部】村西興部に15日、カフェレストラン「はらぺこ堂」がオープン。店主は東京出身の柏葉香澄さん(46)。店舗は、昨年12月に閉店した飲食店「はるちゃん」を引き継いだ。モーニング、ランチ、ディナーと提供する。柏葉さんは「子どもから大人まで気軽に立ち寄れる店にしたい」と話し、地域住民の憩いの場を目指す。
柏葉さんは神戸で会社員をしていた昨年7月、インターネットの事業継承サイトで、はるちゃんの店主が高齢化で店を畳むため、後継者を探していることを知った。都会を離れたいと考えていた中、ネット上の店主の笑顔に引かれ、「西興部なら、ゆったり暮らせるのでは」と思ったという。
元々はダンサーとして国内のテーマパークで活動しつつ、副業でパティシエをしていた。30歳の頃に女性への性別適合手術を受けた。フランスや米国にダンス留学をした際には友人を自宅に招いて食事を振る舞うなど、料理には関心があった。飲食店を経営した経験はなかったが、昨年11月、村に移住。開店の準備を進めてきた。
店名の「はらぺこ堂」は「小さい子も覚えやすいように」と決めた。モーニングは食パンとコーヒーのセット(350円)など。ランチ、ディナーではハンバーグ(900円)やオムライス(850円)、ナポリタン(750円)、親子丼(750円)など和洋食を用意する。ティラミス(550円)をはじめスイーツや、アルコール飲料もある。食事メニューはすべて持ち帰りできる。
店内は、はるちゃんの内装のままで、テーブルとカウンターを残した。以前は廊下だった場所にバーカウンターも新設。柏葉さんは「食事は五感に訴えるという点で、舞台と共通している。ダンスや音楽の表現力を料理でも再現したい」と思いを語る。
24席。禁煙。モーニングは午前7時半~11時、ランチは午前11時~午後5時、ディナーは午後5~9時。月、火曜定休。問い合わせは柏葉さん、電話070・4026・8723へ。(仲沢大夢)
(北海道新聞2023年3月15日掲載)