【ニセコ】町ニセコの農場「アムリタファーム」が生産する大玉トマトが、2月に徳島県で開かれた「オーガニック・エコフェスタ2023」(日本有機農業普及協会など主催)の栄養価コンテストで最優秀賞を受賞した。初出品ながら、「春夏」「秋冬」の2部門で全国の頂点に立った。同農場を経営する斎藤則高さん(50)、麻恵さん(42)夫妻は「安全でおいしいものを作っているとデータで証明できた」と喜ぶ。
大会は全国の生産者が栽培技術を学び合う目的で開催。12回目の今年は、野菜や果物など49部門に251人が510点を出品。糖度やビタミンCなど4項目について民間研究所が成分分析し、数値を審査した。
大玉トマト部門は、春夏部門に10点、秋冬部門に14点が出品。同農場の大玉トマトは糖度が平均の約2倍の10~12%、老化を抑制する抗酸化力が約3倍などとなり、「食感に弾力があり、甘みとうまみが強い」との高評価を得た。トマト部門での道内勢の受賞は初めてという。
同農場はビニールハウス6棟で、岩内町沖のミネラル分豊富な海洋深層水を与える高糖度の「塩トマト」を中心に5種類のトマトを生産する。化学農薬や殺虫剤は使わず、独自に配合する有機肥料や有用微生物群「EM菌」を使った土作りによる栽培方法にこだわる。
4月で就農10年目を迎え、今季は7月下旬ごろからトマトの出荷が始まる予定。則高さんは「みんなに必要とされるものを真心込めて作り続けたい」と意気込む。(加藤遥花)
(北海道新聞2023年4月5日掲載)