オホーツク管内を中心にクリーニング業を展開する「成中クリーニング」(北見市)は4月中旬、市東三輪のコインランドリーに併設したアイスクリーム販売店「あいすの家メッセ店」の営業を始めた。洗濯の待ち時間や、近くにある商業施設での買い物の合間に利用してもらうことを想定。長引く新型コロナウイルス禍や原油高で業界が苦境に立たされる中、新たな収入源の一つとしたい考えだ。
同店は、空知管内長沼町の食品加工業「長沼あいす」の協力を得て開業。濃厚な味わいの同町産生乳を使ったソフトクリームやシェイクのような食感の「飲むソフトクリーム」に加え、ピザや肉まんなどの冷凍食品も取り扱う。店内の広さは約30平方メートル。屋外にベンチ2脚を設けており、その場で食べることも可能だ。
同店のスペースはもともと成中クリーニングの店舗の一つだったが、コロナ禍で売り上げが低迷し2020年11月に閉店。道央圏を中心にコインランドリーとアイス店の併設が相次いでいることを知り、昨秋から開業の準備を進めてきた。
クリーニング業を巡っては、コロナ禍による外出控えで需要が減少。原油高に伴い、石油系のドライクリーニング溶剤や工場のボイラーに使う重油、ビニール製の包装資材なども軒並み高騰し、苦しい経営を強いられている。同社の成中栄二社長(49)は「厳しい時だからこそ機動的な異業種参入を決めた。一息つける場を提供できれば」と話す。市三輪地区を軸とした商圏人口の多さや、店舗が北見工業団地(市豊地)の通勤ルート上にあり、一定の需要が見込めることも開業を後押ししたという。
4月~10月末の季節営業を予定し、期間中は無休。午後0時半~同5時半。問い合わせは、あいすの家メッセ店、電話0157・22・5498へ。(山田健裕)
(北海道新聞2023年5月11日掲載)