オーセントホテル小樽(稲穂2)にある「キャプテンズ・バー」のバーテンダー、丸山和輝さん(26)がカクテルの全国大会「本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション」で準優勝を果たした。バーテンダー歴2年目の丸山さんは「日ごろ学んだことを結果につなげられた」と喜ぶ。
日本酒造組合中央会(東京)が主催。今年2月から3月にかけて、全国12支部の代表が東京で実技と筆記で競った。
丸山さんが考えたカクテルは芋焼酎を使った春らしい「萌芽~ほうが~」。鹿児島県・屋久島産の芋焼酎「水ノ森」をベースに、梅酒や抹茶のリキュールなどを組み合わせた。芋焼酎の個性を引き出しつつ、カクテルらしく抹茶で色付けていて、「春の芽吹きや癒やしといったコンセプトと味が評価された」と話す。
苫小牧出身。苫小牧工業高時代に、大手ファストフードチェーン店でのアルバイトで接客の楽しさを覚えた。札幌市内の専門学校に進学。バーテンダーの授業で講師を務めていた同ホテルチーフの野田浩史さんの立ち振る舞いを見て、「まとっている雰囲気など、はっきりとした目標ができた」(丸山さん)という。
17年に同ホテルに就職後、22年3月までレストラン部門で配膳などを担当してきた。この間に日本ホテルバーメンズ協会認定のバーテンダー資格を取得。22年4月からバーテンダーとして勤務し、終業後の深夜にコンペに向け作品名や味を試行錯誤する日々を送った。常連客にも叱咤(しった)激励を受けながら技術を磨き、3度目の挑戦で初めて全国上位に入った。
「努力し続けることが、お世話になっているお客さまへの恩返しにもなる」と丸山さん。今年はさらなる上を目指すという。
「萌芽」はキャプテンズ・バーで1杯1580円で提供している。(石垣総静)
(北海道新聞2023年5月16日掲載)