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2023.05.29

From北海道新聞

全国有数のソバ産地に打って出た*深川・多度志 そば店開業*札幌の菊池さん*民家購入、自ら改装*地元の粉「風味楽しんで」

北海道新聞記事
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全国有数のソバ産地、深川市多度志地区にそば店を開店した菊池さん
全国有数のソバ産地、深川市多度志地区にそば店を開店した菊池さん

 【深川】全国有数のソバ産地、深川市多度志地区に待望のそば専門店がオープンした。店主の菊池充さん(48)は札幌で人気のそば店を13年間営んだ後、多度志の民家を購入、自ら改装した。10割の手打ちそばを提供する店の誕生に、地元のソバ農家も「多度志そばの名前が広がるきっかけになれば」と期待している。

 4月22日に開店。新しい店の名前は「多度志やまそば えにし」で、最大10人が入れる。札幌出身の菊池さんは31歳のころに札幌市内のそば店で2年半ほど修業した後、開業資金を得るためにアウトドア施設などで働いた。

 2009年、35歳で札幌市中央区にそば店「花蕎(かきょう)」を開店させた。つるつるした食感の更科そばが看板メニューで、「札幌で更科そばといえばこの店」と言われるほど人気となった。

 ところがテナントとして入居した建物が老朽化のため解体することになった。菊池さんは「自分で店を所有すれば同じ場所で続けられる」と空き家バンクで物件を検索し、多度志の民家を見つけた。多度志がソバ産地だとその時に知り、「産地で店を持てるのは最高だ」と即決。昨年12月末に札幌の店舗をたたみ、今年1月から多度志の物件を改修してきた。

 石臼引きの製粉施設「多度志そば工房」のそば粉を使う。風味豊かな多度志そばに合わせ、作り方は札幌時代から大幅に変えた。自ら粗びきした多度志の玄そばも混ぜて粒感を残し、風味もさらに増した。

 そばのメニューは「ざる」(880円)と「天ざる」(1650円)の2種類。「そば風味をそのまま味わってほしいから」と冷たいそばのみを提供する。

 きたそらちそば生産組合の目黒時夫組合長は「ソバ畑を見に多度志に来た観光客が食べられる専門店を待っていた」と歓迎する。

 菊池さんは「そばが好きな人にじっくりと味わってほしい」と話す。営業時間は午前11時半~午後3時半。水、木曜日定休。深川市多度志2180。問い合わせは同店、電話090・2291・6750へ。(佐藤大吾)

(北海道新聞2023年5月20日掲載)

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