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2023.07.05

From北海道新聞

飲んでおいしい、食べてもおいしい 味の決め手は道産牛乳

北海道新聞記事
北海道新聞記事

 私たちの食卓におなじみの牛乳。消費量の落ち込みなど苦境が伝えられていますが、道産牛乳のおいしさは格別です。そのまま飲むのはもちろん、スイーツやパンなどに加工して、その魅力を発信する店を紹介します。牛乳の豊かな味わいを楽しんでみませんか。  (ライター・八島美穂)

新食感スイーツ「生みるく餅」
 きのえね〈手稲区〉

「生みるく餅」540円 (右)と、どら焼きで挟んだ「みるどら」341円
「生みるく餅」540円 (右)と、どら焼きで挟んだ「みるどら」341円

 昨年11月、JRほしみ駅そばの住宅街にオープンした「きのえね」は、店主の小幡直輝さんが考案したスイーツ「生みるく餅」の店。餅のようなやわらかさと、とろりとした口どけのよさ、甘みを抑え牛乳そのものを口にしたような後味を追求したといい、「材料のほとんどが道産牛乳と生クリーム。自然の持ち味を生かすことだけを考え、1年がかりで商品化しました」。

 長く飲食店に勤務し、全国の物産展で道産品の実演販売をしていたという小幡さん。「各地を回るうちに道産素材の良さを改めて実感。酪農王国・北海道らしいオリジナルのスイーツを作りたいと思いました」と話します。材料の配合や牛乳の種類などを試行錯誤してたどり着いたのが「生みるく餅」です。

「不思議な食感を味わって」と話す「きのえね」店主の小幡さん
「不思議な食感を味わって」と話す小幡さん

 「濃厚な味わいの牛乳がポイント。製法などは秘密ですが、時間をかけて全て手作業で作っています」。どら焼きに挟んだものや、もう一つの看板商品、上品な甘さのプリンにのせたものもあり、「お客さんに『初めての味』と驚かれるのが喜び」と笑顔を見せます。

「きのえね」の店舗外観

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札幌市手稲区星置2条8丁目、電話080・9818・3647。11:00~16:00、水曜休み。最新情報はインスタグラム(@kinoene1107)で

しっとり、やわらかなパン
 MILK IN BREAD〈北区〉

牛乳の風味がストレートに楽しめる「MILK IN BREAD」で一番人気の「ミルクブレッド」(500円)
牛乳の風味がストレートに楽しめる一番人気の「ミルクブレッド」(500円)

 水を一切使わず、道内産の牛乳で作るパンの店。香ばしい匂いが漂う店内に、焼きたてが 20種ほど並びます。

次々と焼き上がるパンが並ぶ「MILK IN BREAD」店内
次々と焼き上がるパンが並ぶ店内

 市内で食品卸会社を営む大沼康介さんが、「道産牛乳の消費拡大の一助になれば」と昨年1月に開店。ほのかな甘みが広がる「ミルクブレッド」や、紅茶や抹茶味などをそろえたメロンパン、牛乳たっぷりのクリームを入れたものなどを、付き合いのある西区のパン工場の協力を得て、スタッフとともに考案しました。

 道産小麦を使ったしっとりとやわらかな生地は幅広い世代に好評で、品切れになることも多いそうです。

「MILK IN BREAD」の店舗外観

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札幌市北区北12条西1丁目北12条パークマンション1階、電話011・708・8383。10:00~18:00 (売り切れ次第閉店) 、不定休。最新情報はインスタグラム (@milk.in.bread) で

レトロでかわいいビン入り牛乳
 円山牛乳販売店〈中央区〉

懐かしいと評判の瓶入り牛乳(310円)=中央=、コーヒー牛乳(左)とフルーツ牛乳(右)は各330円
懐かしいと評判の瓶入り牛乳(310円)。コーヒー牛乳とフルーツ牛乳は各330円

 道東の酪農家から届く低温殺菌牛乳と、それを使ったスコーンやプリンなどを販売しています。

 3種類のビン入り牛乳は釧路管内浜中町の生産者から直送されたもの。こくがありながらも、後味はあっさりで、「自然豊かな町で少数の牛を放牧飼育しています。海に近く、霧の多い地域のせいか、ミネラル分を感じる味にひかれました」と西本尚充社長。8年ほど前から根釧地区の生産者団体「ちえのわ事業協同組合」と協力し、全国でのPRに力を入れている西本さん。その一環として昨年10月に店を始めました。「一口に牛乳といっても、環境や水など生産者によって味がまったく違う。軽やかなミルク感があるものはスコーンに、しっかりした味のものはプリンにと、それぞれに合った使い方をすることで、違いを伝えていきたい」

 口溶けの良い爽やかなソフトクリームも人気で、7月1日からは濃厚な味わいのタイプが加わります。どちらも数カ月をかけて開発したといい、「丁寧に牛を育てる生産者の気持ちを受け取り、本来の味を引き出す商品を提供したい」と張り切っています。

焼きたてスコーンを手にするスタッフ(左)と「円山牛乳販売店」の店舗外観
焼きたてスコーンを手にするスタッフ。牛乳を意識した真っ白なユニホームも好評(左)

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札幌市中央区南1条西24丁目、電話011・624・5033。11:00~18:00 (売り切れ次第閉店) 、木曜休み。最新情報はインスタグラム (@maruyama_milk_store) で

季節の変化を牛乳で知る
 北大マルシェCafe&Labo〈北区〉

北大牛乳(500円)を手にするスタッフ。テイクアウト時(400円)はプラカップで提供
北大牛乳(500円)を手にするスタッフ。テイクアウト時(400円)はプラカップで提供

 北大構内の農場で飼育されているホルスタインの生乳を、施設内の工房で低温長時間殺菌した「北大牛乳」が名物。

北大果樹園でスタッフが収穫した果実のジェラート(500円~)
北大果樹園でスタッフが収穫した果実のジェラート(500円~)も好評

 「冬は牛舎でゆっくりと暮らし、夏は放牧地で活動しているため、餌や生活環境の影響で季節ごとに風味が異なるのが魅力です」と店長の山本あやめさん。殺菌以外の加工はしておらず、今の時期は牧草の爽やかな香りが広がる、あっさりした味がするそうです。

 店内のボードで、脂肪分や乳たんぱく質など、その日の牛乳の状態を公表。「好みの割合などを覚えて楽しんでいる人もいます。1年を通して飲み比べてみてほしい」。北大牛乳を使ったジェラートやチーズなども販売しています。

「北大マルシェCafe&Labo」の店舗外観

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札幌市北区北9条西5丁目、北大百年記念会館1階、電話011・706・3213。10:00~17:00ラストオーダー、火曜休み
https://marche-cafelabo.com/

(北海道新聞地域情報版「さっぽろ10区」2023年6月27日掲載)

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スパイスの風味漂うスイーツ
北海道新聞記事
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