【石狩】「道の駅石狩 あいろーど厚田」が今春開発した新商品「リンゴサイダー」が人気を集めている。市浜益区のきむら果樹園産のリンゴ果汁を使っており、爽やかな香りと自然な甘みが特徴だ。10月末までの繁忙期分として3600本を製造したが、5月の発売から既に2600本以上が売れ、同道の駅の商品別売上額でも上位にランクイン。8月中に売り切れる勢いという。
同道の駅では、昨年まで北石狩農協厚田女性部が地元産のシソで製造したサイダーを販売。年間2千本以上売れる定番商品だったが、同女性部がメンバーの高齢化で昨年解散し、製造を終了した。同道の駅はこれに代わる商品の開発を昨秋から始め、サイダーにできる地元食材を探し、果汁100%ジュースを扱っていた、きむら果樹園のリンゴに着目した。
製造は、苫小牧市の飲料メーカー「丸善市町」に委託。同果樹園5代目園主の木村賢志さん(39)とも相談して試作を繰り返し、果汁5%以下のサイダーが多い中、同10%とすることでリンゴ本来の味に近づけた。木村さんは「納得のゆく味。果樹園のPRにもなる」と喜ぶ。
1本240ミリリットル入り200円。5月は1098本、6月は902本、7月も23日時点で641本売れた。菓子と一緒に購入する人が多く、来場者数が例年ピークを迎えるお盆期間の前に売り切れるペースという。あいろーど厚田で扱う約500商品の本年度の売上額ランキングでは今月中旬現在11位。同道の駅の指定管理者「あい風」の秋井卓也社長は「単価も少額な中、すごい健闘」と驚いている。
同果樹園や市観光センター「ゆめぽーと」でも扱うが、道の駅での販売量を確保するため、出荷を制限せざるを得ない状況だ。ただ例年、秋から冬にかけて客足が落ちるため、賞味期限(半年)切れのリスクを避け、本年度は追加製造は予定していない。秋井社長は「今年の実績を参考に来年は製造量を増やし早々に売り切れないようにしたい」と話している。(和賀豊)
(北海道新聞2023年7月25日掲載)
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