焼きいものほか、サツマイモを使ったスイーツや大学いもなど秋の味覚を楽しむ「さっぽろ焼き芋テラス2023」(実行委主催)が10月27日(金)、札幌・中島公園の南9条広場で開幕しました。初めての開催で、焼きいも店6店のほか、スイーツ店やサツマイモを使ったお酒に合う料理を出す店など5店が出店。各店の焼きいもを品定めしたり、焼きいもに合うコーヒーやワインを楽しんだりする人たちでにぎわっています。11月5日(日)まで。
食感、形、焼き方、品種…多彩な味が楽しめます
さっそく、焼きいもの食べ比べをしてみましょう。「おいも屋いも平」(札幌市清田区北野)は、全国各地から厳選したサツマイモを熟成させて使用。糖度45度以上の「いも平スペシャル」(1本700円、ハーフ400円)は、金色で見るからにみつがたっぷり入っているのが分かります。粘度が高く、ねっとりとしており、水あめをなめているかのような甘さ。1日置くと、さらにみつが出てくるそうです。
いもけんぴ(400円)もありました。細長く切られたいもけんぴはポリポリと軽い食感で、「白糖」はさっぱりとした甘さでサツマイモの優しい風味が感じられます。「黒糖」はこくがあり、しつこくない甘さで次々と手が出てしまいます。
「石田農園の金蜜干し芋」は、千葉県香取市の石田農園が製造。一般的な干しいもはスライスして干されていますが、これは1本を丸干し。ねっとりとした干しいもは、袋にくっついて、出すのに苦労するほどです。手でちぎろうとしても、なかなか割れません。口に入れると、ヌガーを食べているような食感で、味は濃縮されたいもようかんのようです。値段は200グラム1800円で、ちょっと手を出すのにちゅうちょしますが、店主が「世界一おいしい」と思っている究極の干しいもだそうです。
高橋ファーム(札幌市清田区有明)の「つぼ焼き芋」(500グラム1000円)は、自ら栽培したサツマイモを高さ1.2メートルほどのつぼに入れ、備長炭で焼き上げます。直径5~6センチほどの細めのサツマイモで、遠赤外線効果でじっくり加熱。皮が薄く、甘さもほどほど。適度に水分もあり、食べ飽きしません。
「さつまいもシュガー」(200グラム500円)は、スライスしたサツマイモを揚げ、キャラメルシュガーをまぶした新商品。大学いものような味わいですが、みつではなくシュガーなので、あっさりめです。
次は、いもや(札幌市豊平区平岸)。全国各地の18品種から、日替わりでおすすめの品種の焼きいも数種類ずつを出品します。
この日は、鹿児島県産のホワイトスイートと千葉産の紅娘(いずれも1本500円)がありました。皮がジャガイモのような色のホワイトスイートは、中もクリーム色で、一見、サツマイモらしさはありません。水分が適度にあり、しっとりしていてクリーミー。反対に紅娘は皮はサツマイモらしい濃い赤紫色で、中は鮮やかな山吹色。これも水分が多くしっとりした食感で、甘みはありますが、後味がすっきり、さっぱりしています。
「やきいもLabo」(札幌市中央区)では、「やきいもブリュレ」(400円)を入手。縦に半分に切った紅はるかの表面をキャラメリゼしてあります。ちょっとこげたぱりぱりのキャラメリゼが香ばしく、サツマイモを引き立てます。
大学芋専門店おいもさん(札幌市北区新琴似)は、さまざまな形にカットしたサツマイモを、好みの味付けやソースで食べる「変わり大学芋」のお店。ただ、機械の故障でこの日は提供できないとのこと。28日以降は復旧予定だそうです。お店の人によると、大学芋(700円)は揚げたてのいもに手作りのみつをからめるそうです。はちみつを使っていないので、小さな子どもでも安心です。「細切りおさつ」(500円)は味付きなしか岩塩を選ぶことができ、四角いキューブ状にカットした「まかない」(500円)は塩コショウか、にんにく塩で。ホイップ(100円)やチーズソース(200円)をトッピングすることもできます。
焼きいもホットラテ(400円)やチョコホイップトッピング(500円)もあり、ちょっと肌寒い時にあたたまるのに良さそうです。
焼きいもや(札幌市西区発寒)は、シルクスイート、ハロウィンスイート、パープルスイートの「3種食べ比べBOX」(500円)があっという間に売り切れ。茨城県産紅はるかの干しいも(200グラム、850円)を食べてみます。先ほどのいも平にあった金蜜干し芋ほどではありませんが、袋にくっついて開けるのが大変です。薄くスライスされた干しいもは、かむごとにサツマイモの素朴な味わいが広がります。
サツマイモに合うワインやビール、創作料理やスイーツも
「芋Wine Bar」では、ビールやワインなどのアルコール類を販売しています。特にワインは、サツマイモや焼きいもに合うものを選定。ビールも札幌のクラフトビール醸造所「ストリートライト・ブルーイング」の黒ビール「BBB」など、サツマイモの甘みやホクホク感、しっとり感に負けない、インパクトのあるお酒がそろいます。
同店では、サツマイモを使ったおつまみも3種類、提供。「鮭トバとさつま芋と北海道チーズ2種のピザ」(1400円)は、鮭トバとサツマイモが入ったたっぷりのホワイトソースがのっています。ロゼワインは、ドライでどっしりめの飲み口です。おつまみはほかに、蝦夷鹿ソーセージとさつま芋と北海道チーズの包み焼きパイ(700円)と北海道5工房のチーズとさつま芋ポテチの盛りあわせ(1000円)がありました。
秋の食材を取り入れた創作料理を出すお店もあります。「秋刀魚のグリル」(800円)には、サツマイモのダースカットが添えられています。「朝イカ墨サフランライス さつまいも添え」(900円)は、イカの身入りのこくのあるイカすみソースを、黄色くぱらっとしたサフランライスの独特の香りと一緒に楽しめます。「トリッパのトマト煮込み」(600円)は柔らかなトリッパだけでなく、アサリやベビーホタテなど貝類も入り、味わい深くなっています。この3品のお得なセット(2200円)もあります。
札幌市中央区のスイーツ&カフェ「奏春楼」も出店し、イベント限定のオリジナルスイーツを販売しています。保存料を極力使わず、サツマイモの甘さや風味を生かした、見た目にも、食べても納得のケーキやプリンが並びます。「さつまいもの焼きタルト」(400円)はむらさきいもと紅あずまを使い、カラフルで楽しい見た目。「さつまいもパフェ」(800円)は、サツマイモを模したクッキーやサツマイモの皮、グラッセで飾られ、秋らしい一品です。
コーヒースタンド「Fresh Coffee」も出店。札幌市中央区のカフェ「スムーチコーヒースタンド」と札幌・定山渓の姉妹店「ゼネラルコーヒーストア」のプロデュースで、サツマイモに合うようにロースト、ブレンドしたこだわりのコーヒーやラテ、エスプレッソなどを提供しています。
会場では、「さっぽろできるだけプロジェクト」と題し、札幌近郊でとれた野菜も販売しています。新十津川村産のサツマイモ紅あずまのほか、石狩市産のダイコンやニンジン、岩見沢市産キュウリなど、新鮮な地場産野菜が並びます。フリーペーパーの「ふりっぱー」に付いているクーポンを持参すると、毎日先着100人に、道産のサツマイモを無料配布しています。
初めての開催で、実行委事務局のプランニング・ホッコー常務の山崎克己さんは「関東や関西では、焼きいもをテーマにしたイベントが大人気。道内でも近年、サツマイモの収穫量が増えており、市民や観光客のみなさんに、ぜひ楽しんでほしい」と話します。サツマイモは8~9月に収穫後、2~3カ月熟成させるので、「今の時期はワインで言えば『ヌーボー』。旬の味覚を楽しんで」と呼びかけています。
ちょうど、中島公園入り口のイチョウ並木も見ごろになってきました。イチョウ狩りがてら、秋の気配を感じながら焼きいもやサツマイモを存分に味わってはどうでしょう。
開催日時は、10月27日(金)から11月5日(日)までで、10月28日(土)と11月3日(金)、4日(土)が午前10時~午後8時、10月29日(日)と11月5日(日)が午前10時~午後6時、それ以外の日は正午~午後8時です。
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