【千歳】国内最大規模の菓子コンクール「第15回キリクリームチーズコンクール」(ベルジャポンなど主催)のファクトリー部門で、市内の菓子製造会社「北のアトリエ」から市内の親会社「もりもと」に出向中のパティシエ川原大治さん(44)が最優秀賞を受賞した。最高賞の受賞は道内初。川原さんは「会社の人に応援してもらって挑戦できた。苦労したかいがあった」と喜んでいる。
4年ぶりの開催となった今回は「ファクトリー」「生菓子」「デリカテッセン」の3部門に162人が応募した。フランス・ベル社のブランド製品「キリクリームチーズ」を使うのが条件で、書類審査を通過した各部門5人が10月4日に東京で開かれた最終審査(実技)に駒を進めた。
ファクトリー部門は味や見た目のほか、量産できるかも審査され、出場者は持参した作品とプレゼンテーションで競った。
川原さんはクリームチーズをふんだんに使ったチーズバタークリームをクッキーで挟んだ「モォモォバターサンド fromage milk(フロマージュ ミルク)」で挑戦した。「北海道の酪農をコンクールを通じて全国にもっと知ってもらい、元気にしたい」と考案したといい、クッキーの表面をホワイトチョコで覆い、竹炭パウダーで色付けして牛柄にした。
クッキーは食感にこだわって厚さを1ミリ単位で調整し、道産の生乳を使ったバターなどで濃度の高いチーズバタークリームに仕上げた。審査員からは「余分な添加物などが入ってないシンプルな食材の中でしっかり味が出ている」と高く評価された。
札幌出身の川原さんはパティシエ歴約20年のベテランでケーキの製造や企画などを担当する。コンクール出場は2019年に始め、他の大会を含めると今回で4度目。キリクリームコンテストは2度目で、前回19年は生菓子部門の書類審査で落選した。コロナ禍で中止された大会が再開され「今回こそ」と挑戦した。
同僚らの助言を受けながら何度も試作したといい、「見た目も味も高いレベルに仕上げられた自信があったので認められてすごくうれしい。これからも商品を通して北海道のおいしさを広めたい」と力を込める。
モォモォバターサンドの商品化は未定だが、もりもとは「前向きに検討したい」(広報課)としている。 (工藤さえら)
(北海道新聞2023年11月10日掲載)
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