障害者就労支援のリベラ(札幌)が札幌市中心部にワイナリーを建設しています。余市町などの自社農園で無農薬、無肥料で栽培しているブドウを使ったワインを醸造し、試飲スペースも併設します。来春の完成を前に、12月1日(金)から31日(日)までの1カ月間、札幌市内のワインバーで、リベラが生産したリンゴを使い、委託醸造したシードルを限定提供する「Cidre Bar(シードルバー)」が開かれます。
リベラは障害者支援事業として、農薬も肥料も使わない自然栽培を提唱し、映画「奇跡のリンゴ」のモデルになった青森県のリンゴ農家木村秋則さんの農法にのっとって、余市町や仁木町の自社農園でブドウやリンゴを栽培しています。現在は、ほかのワイナリーや醸造所に委託してワインやシードルを製造、主に契約している京都市内のレストランに出荷しており、通常は道内で飲める機会はなかなかありません。
新たな自社ワイナリーは、札幌市中央区北2条西10丁目の北大植物園に隣接する約510平方メートルの敷地に建設。2階建てのワイナリーには試飲スペースやショップも併設し、ワイン1本1万円程度で販売予定です。来春完成予定で、完成後は委託醸造したワインやシードルの瓶詰めなどの作業を開始、来秋のブドウやリンゴの収穫後、ワインやシードルの醸造を始めます。年間8千本、6000リットル程度の生産を見込んでいます。
シードルバーは、ワイナリー開設のプレイベントとして、ワインバーamu(アム、札幌市中央区南2条西7丁目6-2日宝南2条ビル2階)で開かれます。amuを経営する久野寛司さんは、リベラの仁木町のリンゴ畑を視察し、「透明感のあるエレガントなリベラのシードルの魅力を伝えたい」と協力を申し出ました。
提供するのは「木村秋則自然栽培農学校」のシードル「MILO YOICHI 2020」と「MILO YOICHI 2022」。いずれも紅玉やジョナゴールドを使っています。「2020」はおりがらみで、アルコール度数6.5%、グラス1500円、ボトル1万3500円。「2022」は芯を抜いて醸造しており、シャンパーニュに似たクリアな仕上がりといいます。グラス1700円、ボトル1万5300円。
久野さんは、これらのシードルに合わせ、期間内の特別なアペリティフ2種を考案しました。1つ目はスライスしたジョナゴールドに札幌のチーズ工房「ファットリアビオ北海道」のモッツアレラチーズとクルミを散らし、オリーブオイル、塩をかけたリンゴのカプレーゼ(1000円)。シャクっとした生のジョナゴールドの食感と甘みがモッツアレラチーズのミルキーさで引き立ちます。もう1品は、リコッタチーズの上に紅玉の赤ワインコンポートをのせ、ピスタチオを散らした一皿(1200円)です。赤ワインで深みを増した紅玉とさっぱりとしたリコッタチーズとよく合います。
12月1日(金)と13日(水)の午後7時からは、amuにリベラの平沢真理奈社長らが来店し、ブドウやリンゴの生産、ワインの醸造などについて語る会も開かれます。フェイスブックの「Libera.wine」で事前に参加表明して来店すると、リベラの農園で無農薬、無肥料で生産したリンゴがプレゼントされます。
amuは不定休。営業状況の確認はamuのフェイスブックで確認を。営業時間は午後4時から翌午前2時、日曜・祝日は午後2時から翌午前2時。問い合わせはamuの久野さんの電話080・9618・5766へ。
「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんが語るシンポジウム「食と農業の未来」〈山﨑編集長☆発〉