【南富良野】町内幾寅の道の駅「南ふらの」の道路を挟んだ向かい側に23日、ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット北海道南富良野」が開業した。宿泊客に町内の飲食店や観光地への周遊を促すため、レストランを設けず、宿泊に特化した施設。同町の飲食店や観光関係者からは「町の経済の活性化につながる」などと期待の声が上がっている。
住宅メーカー大手の積水ハウス(大阪市)と、米大手ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルが開業した。道の駅近隣にホテルを整備する両社のプロジェクトの一環。既に恵庭市と空知管内長沼町でも、道の駅に近接する同様の宿泊特化型ホテルを5月下旬にオープンさせた。
今回営業を始めた南富良野のホテルは3階建て78室。料金は1人でも、2人で利用しても1泊1室1万4520円からで、客室はキングサイズベッドルームとツインの2タイプを設けた。館内の1部屋を除き、部屋にバスタブを設けず、シャワーのみというシンプルなつくりにした。
1階のロビーラウンジでは、開放的な雰囲気の中、無料のコーヒーを楽しめる。屋外のテラスからは、夏になるとホテル横の町有地に造成したラベンダー園の景色を楽しめる。
また、フロント横で商品を販売する「マーケットプレイス」には南富良野町の特産品などを並べた。同ホテルの富山裕史支配人(41)は「当ホテルを拠点にして南富良野や富良野、帯広などを観光してもらい、今までできなかった遊び方を楽しんでほしい」と話す。
宿泊中心の営業スタイルに、町内から歓迎の声が上がる。道の駅「南ふらの」隣接地の複合商業施設のフードコートエリアで、昼はクレープなどを販売し、夜はワインバーとして営業する「Cafe(カフェ)よりみち」店主の中村佐和子さん(39)は、「夜の営業は地元客の利用が多いので、ホテル開業によって観光客の利用も増えればうれしい」と声を弾ませた。南富良野まちづくり観光協会も「町で盛んなアウトドア観光にとって追い風になる」と期待を寄せている。(相武大輝)
(北海道新聞2022年6月24日掲載)
恵庭はなふるに「マリオット」開業*4階建て102室*宿泊特化、集客に期待