【千歳】昨年3月の高病原性鳥インフルエンザの影響で出荷を停止していた菓子製造販売もりもとの「千歳うまれのたまごまんじゅう」が、卵の供給のめどが立ったことを理由に約11カ月ぶりに販売を再開した。養鶏が盛んな千歳ならではの商品で、もりもと(千歳市)の森本真司社長らが17日、横田隆一市長に再開を報告した。
2013年に販売を開始し、昨年3月までに約1千万個を売り上げた人気商品。トーチク(札幌市)の「千歳農場」で生産する赤玉の卵「こくまろ」を使い、排卵3日以内の新鮮な卵と白あんを混ぜ合わせた黄身あんが特徴だ。
昨年3月末に千歳農場の約56万羽が高病原性鳥インフルエンザを理由に殺処分され、供給が停止に。もりもとは別の卵で試作したが同じ味が再現できないと判断し、販売休止を決めた。
トーチクは伊達市の自社農場からひな鳥を7月ごろから千歳農場に順次入れ始め、約6割の約35万羽まで回復しているといい、夏ごろには約50万羽まで養鶏場に入れる予定。
17日は森本社長とトーチクの中山和美専務、卵を供給する恵千フーズ(千歳市)の石川雅人社長ら7人が横田市長に報告。森本社長は「改めて素材をいただけるありがたみを感じた。千歳の1次産業の活性化にもつなげ、千歳の卵のおいしさを伝えたい」、中山専務は「ゼロになった鶏舎を見たときは言葉も出なかった。気持ちを新たに鶏1羽1羽を大切にしたい」と話した。
直営店のみの限定販売で当面はオンラインショップでの販売は行わない。1個160円。(工藤さえら)
(北海道新聞2024年1月18日掲載)