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2024.03.26

From北海道新聞

〈マチのこだわり味自慢〉NSニッセイ=小樽市*アップルパイ 自然な甘さ

北海道新聞記事
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無添加にこだわった「晴れのちパイ」。余市町産の果実を使ったアップルパイ(右)とプルーンパイ
無添加にこだわった「晴れのちパイ」。余市町産の果実を使ったアップルパイ(右)とプルーンパイ

 1988年創業の小樽市の水産加工業「NSニッセイ」。うま味調味料や保存料、着色料を使わない無添加の海産物加工に定評がある。加工技術を生かし、2022年に菓子市場に参入した。

 無添加にこだわったアップルパイ「晴れのちパイ」(1個350円)は、カスタードクリームを入れず、後志管内余市町産のリンゴのしゃきしゃきとした食感と素材の甘みを最大限に生かした。道外の無添加食品専門店などから注文が相次ぐ。

 主力の海産物加工はサケの比率が高く、9~12月に仕事が集中。1~4月の工場の稼働率が低いのが課題だった。2代目の松田さゆり社長(51)が目を付けたのが、道立総合研究機構が開発した技術「レアフル」。生の果実を真空パックし、加熱殺菌することで、シロップや添加物を使わず常温保存を可能にする。「保存料を使わない当社のコンセプトに合致した」と導入を決めた。

ほぼすべての工程を手作業で行うNSニッセイのアップルパイ作り

 後志管内の農家と直接契約し、22年にアップルパイを商品化。現在は余市町のリンゴ農家5軒から、甘みの強い品種「ふじ」を年間約7トン購入している。生食用では価格のつきにくい傷のついたリンゴも積極的に受け入れる。

 アップルパイのリンゴは、皮をむいてから傷を丁寧に取り除く。レアフルで加工した後、8等分したリンゴ2切れをパイ生地に載せ一つ一つとじていく。生地も無添加で、ほぼ全ての工程が手作業だ。

 余市町産のプルーンパイ(同350円)も開発。松田社長は「食材そのもののおいしさを生かした当社だけの商品を、全国に広めたい」と意気込む。

 自社敷地内の店舗「ニッセイキッチン」は現在、工場拡張のため一時休止中。アップルパイは店舗前の自動販売機で24時間購入できる。 (小樽報道部 石垣総静)

▼所在地 小樽市新光5の7の2
▼電話 0134・52・2022
▼取り寄せ 自社の通販サイトから(http://umihotaru.shop/
▼定休日 土日祝日
▼交通 JR函館線朝里駅から車で約10分

(北海道新聞2024年3月22日掲載)

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