【上川】町商工会が、地元素材を使った特産品開発に取り組んでいる。本年度はクマザサエキスを使ったバーベキュー向けの塩や夏山登山客向けのおにぎりなどを商品化。新年度から町内で本格的な販売が始まる。
町内では層雲峡温泉街を中心に多くの観光客が訪れる一方、地元ならではの素材を生かしたお土産が少なかった。このため町商工会が2021年度、道の補助金150万円を使って商品開発に乗り出した。
これまで、、町内でラーメンが人気の「あさひ食堂」の袋入り即席麺や焙煎(ばいせん)したクマザサを使った茶葉を売り出した。即席麺は22年4月から12月までに約1万4千食が売れ、町商工会は「町内限定の販売なのに予想を大きく上回った」と振り返る。
本年度は町の補助金100万円を使って4商品を開発。夏山登山客向けに、3時間ほどの自然解凍で食べられる「冷凍おにぎり」は、あさひ食堂のチャーシューを使ったおにぎり2個のセット。大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイの乗り場や温泉街のホテルで来月1日から販売する予定。
ササ関連商品製造の「サンアース大雪」が手がける「くま笹塩」は、クマザサから抽出したエキスを使いスパイスをきかせた肉料理用の塩で、バーベキュー向けを見込む。油で揚げない「おかき」は町内の辰巳農園が生産したもち米を加工。農園直営カフェ「もちごやマム」(町菊水)や町内のコンビニエンスストアなどで販売する予定だ。
間引きで摘み取ったメロンの果肉を活用する「摘果メロン粕漬け」は上川大雪酒造の酒かすを使用。販売の見通しは立っていないが、廃棄していたメロンの活用につながるという。
町商工会の三枝敏九経営指導員は「上川の魅力を知ってもらうため、新年度も開発に取り組みたい」と話している。 (大井咲乃)
(北海道新聞2024年3月26日掲載)
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