北海道新聞社が新しく開設した「旅と食のオール北海道WEB『TripEat北海道』」のテレビCMやポスターはご覧になりましたか?
板前さん、バスガイドさん、市場や牧場で働く人ーなどなど。TripEatの趣旨に沿って「人」にこだわってみました。撮影箇所は札幌市を中心に全6カ所。「あ、あそこだ!」と分かった方、分からない方、お教えしましょう。CM撮影の舞台裏です。
2日間で6カ所を巡る強行軍の撮影初日は3月4日。札幌はまだまだ雪景色です。
札幌・北海道中央バス観光ガイドセンター
最初に訪れたのは、札幌市内にある北海道中央バス観光ガイドセンターです。所属ガイドさんは18人で、全員が北海道観光マスターの資格を取得しているそうです。帽子の銀色のバッジがその印です。広大な北海道なので、所属ガイドさんは「全国一覚えることが多い」(斉藤誠信所長)とのこと。
撮影のモデル役になってくれたのは2人のガイドさん。撮影スタッフさんから「もうちょっと笑顔でお願いします」と声が飛びます。いつもと勝手が違うお仕事に、そりゃ緊張しますよね。けれど、そこはいつも笑顔を絶やさないガイドさん。ばしっと決めてくれました。
江別・町村牧場
牛舎で、はにかむ男性は、江別市の町村牧場のスタッフさんです。
まだ完全に雪に埋もれてます。
380頭のホルスタインを飼育していて、全員、私たちのためにおいしいお乳を出してくれるメスのウシたちです。
みんな好奇心旺盛。興味津々で撮影をじ~っと見ています。つぶらな瞳がかわいいです。
ただ人間同様、ウシの世界でも好き嫌いがあって、気が合わない同士は離しておかないと蹴り合うそうです。気の荒い〝要注意ウシ〟がいる一方、小さい頃から面倒を見てくれるスタッフさんのことはちゃんと覚えていて、甘えるそうです。
牧場内にある直売所のショップやカフェでは、ソフトクリームや飲むヨーグルトなど、おいしい乳製品が楽しめます。
札幌・ススキノ きょうど料理亭 杉ノ目
貫禄ある板前さんが笑顔を見せるのは、札幌・ススキノの老舗「きょうど料理亭 杉ノ目」です。
1915年(大正4年)築の元質屋の石蔵を改装した店舗で、料理のほか、しつらえの異なる9つある個室も自慢です。
初代の杉目繁雄さんが日高管内平取町と縁が深かったことから、木彫りなどアイヌ民族ゆかりの作品が多く飾られ、親交があった故・萱野茂さん監修による伝統家屋「チセ」を再現した部屋もあります。一番奥には、有名な六角形の部屋もあります。
博物館のようなすてきな店内を女将の敦子さんに案内していただきました。ありがとうございます!
〈山﨑編集長☆発〉CM撮影の舞台裏(後編)定山渓温泉vs札幌のホテル ど~こだ?
小樽・三角市場
この日の最後は、JR小樽駅のすぐ横にある「三角市場」です。
三角市場は戦後まもなく、小樽駅前に続く小道に並んだ露店が起源です。名前の由来は、末広がりの敷地と屋根の形から付いたそうです。
当初は、ブリキの箱を背負って行商する「ガンガン部隊」の女性たちが仕入れのために集まりました。小樽の海の幸が、ここから道内各地に鉄道で運ばれたんですね。その後、市民の台所として愛されるようになり、立地の良さから今では観光客が多く利用する市場へと変化しています。食堂も多くあるので新鮮な魚介類を食べることもできます。
この日は春休みなのか、若い観光客が目立ちました。お客さんや市場にできるだけご迷惑がかからないよう、人通りの合間を縫っての撮影です。
協力していただいたのは、「屋根のないころからやっている」という1946年(昭和21年)創業のマルキ滝波商店です。
ちなみに、市場にようやく屋根ができたのは1962年(昭和37年)ごろ。それまで雨が降ると通路がドロドロになったので、「ドロ市」とも呼ばれていたそうです。
撮影初日は無事終了です。
後編では、2日目の様子を紹介します。