苫小牧市の洋菓子店「ファームソレイユ」(拓勇西町3)の菓子職人、柴山加奈子さん(31)が、6月下旬に札幌市で開かれた北海道洋菓子作品コンテスト(北海道洋菓子協会主催)で、最高賞の北海道知事賞を受賞した。今回が7回目の出品で、知事賞は初めて。10月に東京で開かれる国内最高峰の「ジャパン・ケーキショー」にも出場予定で、「全国でも活躍したい」と決意を新たにしている。
コンテストは7部門あり、114人が出場した。柴山さんはアーモンド粉末と砂糖を練り合わせて作る「マジパン」を使った「マジパン仕上げデコレーション部門」に出品。全部門を通じて最高賞となった。
作品は、グリム童話「小人の靴屋」の世界観をイメージし、3人の小人がヒモなどを手に大きな靴を縫い上げる様子を表現した。
休日や仕事終わりに製作を進め、約1カ月半かけて靴の縫い目や針山などの細部まで丁寧に作り上げた。完成したのは作品搬入日当日の24日午前だった。
柴山さんは「ケーキショー」に5回出場した経験があり、「小人の靴屋」は2年前と同じテーマだ。この時は靴を二つ作ったため、他のパーツに時間をかける余裕がなく、結果的に入賞を逃した。その反省から、今回のコンテストでは靴を一つに設定した。柴山さんは「集中してとことん細かいところにこだわることができた」と振り返る。
柴山さんは13年の同コンテストで金賞を受賞している。「いつかは知事賞をとりたいと思っていた。審査員の方に評価してもらい、うれしい」と喜んでいる。
「ケーキショー」には今回と同じテーマで挑戦する。自己最高の銅賞を超える成績を目指し、来月から本格的な製作を始める。
知事賞に輝いた作品は当面、同店で展示する予定。(竹田菜七)
(北海道新聞2022年7月13日掲載)