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2024.05.15

「ライラックワインガーデン2024」開幕~北海道産ワイン200種以上も!~5/26まで札幌大通公園7丁目で

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

大通公園7丁目の噴水と札幌の初夏の青空を眺めながら乾杯

 札幌に初夏の訪れを告げる「さっぽろライラックまつり」が5月15日(水)、札幌市中央区の大通公園で始まりました。大通7丁目会場では北海道産のワインを集めた「ライラックワインガーデン2024」が開かれており、初日から大勢の人で賑わっています。ワインガーデンでは、北海道内の約40のワイナリーやヴィンヤードから計200種類以上のワインが出品され、それに合わせたフードのブースも出店しています。26日(日)まで。

ライラックも一気に開花。写真撮影する人も多くいます

ソムリエのガイド常駐、生産者もカウンターに

 札幌市などでつくる実行委の主催で、北海道産ワインを集めた屋外イベントとしては道内最大級。ワインガーデン会場では、東西に北海道産ワインの販売カウンターが設けられ、ソムリエ資格を持つワインガイドが日替わりで常駐しています。そのほか、ワインを出品しているワイナリーやヴィンヤードの生産者もカウンターに立っており、ワインの特徴やフードとのペアリング、ブドウの種類などについて話を聞くこともできます。

馬追蒸溜所のスタッフ

 初日には、4つのワイナリーの生産者が参加。馬追蒸溜所(長沼町)は6銘柄のワインを提供。数量限定のワインも2種類あり、そのうち「菜根荘 風雅2013」は山ブドウを使い、10年以上寝かせた希少なもので、山ブドウながら力強いフルボディです。「MAOI」のデラウェアペティアンは、同じ食用ブドウを使ったナイアガラなどと比べ香りが強くないため、食事にも合わせやすく飲みやすくなっています。通常はスティル(非発泡)ですが、今回は微発泡でさらにすっきりとした仕上がりです。

 同社のワイン担当醸造技師の海野豊さんは「馬追は風が強く、カビのもとになる湿気や害虫が飛ばされ、農薬の散布が少なくて済む土地柄。今年もまだ1度も防除(農薬散布)していません」と胸を張ります。

どこよりも早くここでリリースする「tabi2023」を手にするosa wineryの長さん

 osa winery(小樽)は同ワイナリーのブドウ畑のある小樽市塩谷で見つかったブドウ「旅路」を使ったフラッグシップワインの「tabi」など7銘柄を持参。白ワインを中心に、一部ロゼもあります。社長の長直樹さん夫妻は塩谷と余市町登の自社畑でゲヴェルツトラミネールやピノグリなど10種類を栽培、年間約1万本のワインを生産しています。小樽・色内の石蔵を改装したワイナリーでは、醸造のほか、週末にはワインショップとテイスティングバーとして営業しています。

 今回は昨年秋に収穫した旅路を使った「tabi2023」も提供しており、長さんは「この新ヴィンテージはまだショップやバーでも提供しておらず、ここで初リリースです」と話します。

「ヤマソービニヨン」をすすめる平野さん

 おとべワイナリー(乙部町)は赤と白の5銘柄を出品。同ワイナリーは1976年の醸造開始の老舗ワイナリー。「乙部醸造」の赤と白は手軽で飲みやすいテーブルワイン。「おとべワイン ヤマソービニヨン」は2022年に富岡ワインから現在の名称に変更した際につくったアニバーサリーワイン。山ブドウとカベルネソービニヨンを使っており、同ワイナリーを運営する札幌酒精営業部の平野将人さんは「果実味が強く、山ブドウの酸味もしっかりあり、味がぼやけず、力強さがあります」と説明します。

ライラックワインガーデン限定のワインも提供するNIKI Hills Wineryのスタッフ

 NIKI Hills Winery(仁木町)は10種類ほどを提供。グラスで1000円前後で提供していますが、好みの3種類を選ぶことのできる2000円の飲み比べセットがお得です。フラッグシップの白「HATSUYUKI」や華やかな白「NEIRO」など定番のほか、白の「バッカス2020」、赤の「ツヴァイゲルトレーベ2022」、スパークリングの「NEIROペトナット2020」をワインガーデン限定で出しています。

「札幌の初夏の風の中、北海道産ワインを楽しんで」と勧めるワインガイドの阿部さん

 ワインガイドのチームリーダーを務めるNPO法人ワインクラスター北海道(小樽)代表の阿部真久さんは「2023年には、北海道内で9カ所のワイナリーが製造免許を受けており、これは過去最高です。今回も、初めて出品されるワインもあります」と話します。そろそろ2023年産をリリースするワイナリーもあり、阿部さんは「猛暑の影響で、酸味が穏やかで軽めになる傾向があります」と説明しました。

 今回、初出店の飲食店もあることから、阿部さんは「食べたいものを選んで、ワインカウンターでどんなワインが合うか聞いてみてください。好みを伺いながら、一緒にワインを選びますよ」とアドバイス。「以前は『このワインが合いますよ』とおすすめしていましたが、最近は『探して、試してみてください』と言うようになりました。ワインとフードのペアリングに正解はありません。意外なものを組み合わせると、いろいろな発見があるかもしれません」とワイン選びの楽しさを紹介してくれました。

じっくりと炭火で焼かれる野村商店のチップ

 そんな阿部さんが気になっているというのが、「野村商店」のチップ(ヒメマス)。ワインガーデンでは、炭火で焼いて昆布塩、バター焦がししょうゆ、ガーリックハーブの3つの味付けで提供しています。阿部さんは「一般的にはソービニヨンブランが合うかなと思いますが、フレーバーによって、意外なワインがマッチするかもしれません。ぜひ試してみて」といいます。

 野村商店は、古平町で70年ほど養殖を続けているそうです。秋にベニザケから採卵し、川で養殖して年間通して出荷しています。提供しているLサイズ、22センチほどになるまで、1年半かかります。炭火の遠赤外線でじっくり1時間ほど火を通し、表面はぱりぱり、中はふっくら仕上げ、最後に味付けして提供しています。1串800円です。

飲み比べセットやワインカクテルで乾杯!

ワインと気になるフードを持ち寄りました

 TripEat編集部のメンバーは初日、ランチ代わりに行ってきました。ワインの飲み比べセットは2種類で、20日(月)までの前期と、21日(火)から26日(日)までの後期で内容が変わります。前期のバッカスセット(1500円)ははこだてワインの白「北海道100バッカス」とキャメルファームワイナリーの泡白「バッカスエクストラ・ドライ ヴィエイユ・ヴィーニュ」、NIKI Hills Wineryの「バッカス」、メルロセット(1400円)はおとべワイナリーの赤「メルロ」と奥尻ワイナリーの白「メルロ白」、函館ワインの赤「北海道100メルロ」です。

暑い日にぴったりのワインカクテル。白ワインクーラー(左)とロマンチックハーモニーで乾杯

 キティやオペレーター、スピリッツアーなどワインを使ったカクテルを提供するワインカクテルコーナーも出店しています。この日の最高気温は午後1時15分の23.2度。そんな暑い日にはカクテルでさわやかにワインを楽しめます。オレンジジュースと白ワインを合わせた「白ワインクーラー」(800円)と赤ワインとカルピスを合わせた「ロマンチックハーモニー」(700円)で乾杯していたメンバーもいました。ほかに、赤ワインとコーラを合わせた「カリモーチョ」(700円)や赤ワインと炭酸水、レモン果汁の「スプリッツァールージュ」(800円)などすっきりしたドリンクをそろえています。

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肉料理や海鮮、そしてチーズ…多彩なフード

布袋のザンギ(奥)とローストポーク(手前左)、カプレーゼ
北海道産小麦を使ったマルゲリータ

 フードはそれぞれが気になったものを調達してきました。ザンギで有名な「布袋」は初出店。イベント限定の「布袋式ザンギ」(800円)は北海道産ゆめぴりかの米粉を使った10センチほどの大きなザンギがごろんと3個。米粉のおかげか、表面はパリパリ、中はしっとりジューシーです。

 「おばんざい坊」からは、ローストポーク(1500円)とカプレーゼ(500円)を調達。余市産ワインポークを使ったローストポークは、ハーブの香りが豊かで、ちょっと強めの塩味がワインにぴったり。カプレーゼはプチトマトと一口モッツァレラチーズにバジルとオリーブオイルがかかり、間違いありません。

 イタリアンの「チルコ」からはピザを購入。マルゲリータ(1800円)は北海道産小麦を使った生地に、プロシュートがたっぷり。薄めの生地にとろけたチーズがたっぷりのっており、プロシュートの塩気とルッコラのごまのような香りとぴりっとした辛さがおいしい。

ジューシーなエゾシカ肉のロースト
(左から)江丹別の青いチーズ、カレ・ド・エール、清見ワインかす漬け

 「鹿肉バルMt.」は、ジビエ料理の専門店。エゾシカ肉の骨なしスペアリブステーキ(500円)や道産アライグマ肉とトマトのペンネ(1300円)などが並ぶなか、エゾシカ肉のローストをチョイス。しっかりしたサイズのロースト6枚とアスパラ2本、ローストしたジャガイモが付いています。シカ肉はやわらかくジューシーで、コク深いソースとぴったりです。もちろん臭みはゼロです。

 せっかくワインがあるので、北海道産チーズコーナーでチーズを入手しました。カットしたチーズを入れた小さなカップがあり、3種類で800円。20数種類の北海道産チーズの中から、日替わりで7~8種類が並びます。旭川市「伊勢ファーム」の「江丹別の青いチーズ」と興部町「アドナイ工房」の「カレ・ド・エール クミン」、大樹町「半田ファーム」の「清見ワインかす漬け」を選びました。青いチーズは塩気とブルーチーズ特有のピリッとした刺激がワインにマッチ。カレ・ド・エールはウォッシュタイプのチーズにクミンの香りをまとわせています。ワインかす漬けは、ワインを製造する時に出る山ブドウ「清見」の絞りかすにハードタイプのチーズを漬け込んであり、ワインの風味がしっかりとチーズにしみこんでいます。

大ぶりのホタテの貝柱が2つずつ載っています
ガーリックシュリンプやビーフも

 ほかにも、ホタテやツブなどの海鮮焼き、室蘭やきとり、アスパラベーコン、ガーリックシュリンプなどワインが進みそうなフードがずらりと並びます。炭火焼きの煙や漂ってくるたれのにおいで、何を食べようか迷います。

テント下の席なら、雨天や暑い日も安心
北海道産ワインのボトルがずらり

 会場には中央の噴水を囲むようにして、立食スペースのほか、テント付きのベンチとテーブルも用意されています。友人同士のグループや観光客のほか、「ソロ飲み」でワインを満喫する女性など、初夏の風と北海道のおいしいものを楽しむ人たちでにぎわっています、。

 食べ終わったら会場2カ所の返却口にごみやグラスを持って行きます。お皿は紙や発泡スチロール製ですが、ワイングラスはガラスのグラスなのがうれしいところです。

 ライラックワインガーデンは5月26日(日)までの午前10時から午後9時まで(午後8時半ラストオーダー)。

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小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

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