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2024.05.20

From北海道新聞

ラーメン「松龍」 孫が再開*黒松内に里帰り 新メニューで勝負*Uターン起業「仲間増えて」

北海道新聞記事
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中華鍋を手に自慢のチャーハンとラーメンを紹介する片岡一磨さん(左)と妻の美柊さん
中華鍋を手に自慢のチャーハンとラーメンを紹介する片岡一磨さん(左)と妻の美柊さん

 【黒松内】「ライダーの聖地」として人気を集め、昨年10月に41年間の歴史に幕を下ろした町内の老舗ラーメン店「松龍(しょうりゅう)」が、名物店主だった片岡歌子さん(81)の孫で関東からUターンした一磨さん(31)によって営業を再開した。評判だったみそラーメンの味は継承せず、チャーハンや「二郎系」と呼ばれる若者に人気の味で勝負するなどチャレンジ精神に満ちた出発。「若い人に『自分も黒松内で商売を』と思ってもらえるよう頑張りたい」と燃えている。

 町出身の一磨さんは長年故郷を離れ、群馬県などの飲食店に勤務。接客が大好きで「いつか自分も店を」と志す中で、祖母の歌子さんが営む松龍が閉店すると知り、同じ建物と店名で新しい店を開くことにした。

 「おばあちゃんに頼らず、自分の力を試したい」との思いからメニューを一新。モヤシ、キャベツなどがどんと盛られ、ニンニクを効かせた「二郎系」と呼ばれるラーメン(千円)と、研究に研究を重ねたチャーハン(500円)を目玉に据えた。4月25日に開店し、客足は順調という。

 来店客からは「二郎系なのに、優しい味わい」との声が多いと一磨さん。町内では夕食のおかずを買える店が少ないことから、今後は夕方以降、チャーハンや総菜を販売するなど新しい試みを積極的に重ねていく考えだ。

 松龍は1982年開店。ラーメンのおいしさと、快活で温かい歌子さんの人柄が多くの人を引きつけた。バイク旅行者の心を癒やす接客の評判がネットで広がり、夏場は客の9割がライダーで占める店となった。

 一磨さんは、小中学校の同級生がほとんど地元に残っていないといい、「帰ってきた私が頑張ることで、Uターンして起業する仲間が増えれば」と望む。帰郷した孫の挑戦に対し、歌子さんは「自分は41年間、山あり谷ありだった。始めたからには頑張ってほしい」とエールを送っている。  (酒井聡平)

(北海道新聞2024年5月16日掲載)

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