朝からしっかりと、そして美味しいごはんが食べたい―。北海道第2の都市、旭川市。その旭川市内で早朝から営業している、おすすめのお食事どころ5店をご紹介します。職場や学校に向かう前に、観光で旭川を訪れた際に、そして「たまには早起きして朝から外食をしてみようか」という方に-。
目次
鶏ガラと豚骨のWスープで味わう「朝ラー」
旭川ラーメン こぐまん
旭川市郊外の住宅街で、朝5時から営業している「旭川ラーメン こぐまん」は、のれんをくぐる客が絶えない人気店です。店主1人で仕込みから調理までこなす「ソロ営業」ながら、カウンターがいっぱいでも待つことなく黄金色の1杯が提供されます。テレビで紹介されることもたびたびあり、地元の常連客から観光客まで、幅広い層に愛されています。
朝ラーメニューは正油(750円)、塩(同)、みそ(800円)、辛口正油(850円)、辛口みそ(900円)のほか、チャーマヨ丼(400円)、鮭ごはん(同)などのご飯もの。注文は席に置かれた注文用紙に書き込んで、店主の美幸さんに渡します。水もセルフサービスです。美幸さんは常連客と穏やかに会話を交わしながら、手を止めることなく、めん上げから盛り付けまで仕上げます。
旭川ラーメンといえば、正油。鶏ガラと豚骨のダブルスープの表面には、焦がしラードの膜が浮いています。めんは低加水の中細縮れめん。旭川ラーメンの王道といったビジュアルと味で、縮れめんにスープがよく絡みます。具はメンマとゴロゴロと切ったチャーシュー、味付き卵が半分、ネギ。
チャーマヨ丼はご飯が見えないほどのチャーシューの上にマヨネーズとたれがかけられ、ゴマがぱらり。ラーメンとのダブル炭水化物で、タンパク質もたっぷり。朝からスタミナばっちり、元気が出ます。
美幸さんは高校卒業後、旭川市内の有名チェーン店に勤務。東神楽店、美瑛店、上富良野店で修行を重ね、旭川市内の店舗の店長を務めました。ラーメン店の切り盛りを25年経験して独立、2018年にこの店を開きました。美幸さんは「夏はバイクのツーリング客、外国人も含めて観光客も多いです。朝からたくさんのお客さんが来てくれます」と話します。店の2階は下宿で、高校生らが入居しており、美幸さんは早朝から生徒たちの朝ごはんと昼ごはんを作り、さらに店ではラーメンも提供。ラーメンでお腹が満たされるだけでなく、美幸さんからパワーももらった気分になります。
住所…旭川市錦町15丁目2963-43 |
電話番号…0166・74・4539 |
営業時間…午前5時~8時、午前11時~午後2時、午後5時~8時。ラストオーダーは終了30分前 |
定休日…月曜 |
駐車場…あり |
「祖母の味」再現したラーメンや定食…メニュー多彩
なばりゅう
朝6時半から手作りの朝食を提供している食堂「なばりゅう」。旭川家具メーカーや卸売市場が集まる「旭川流通団地」に続く中央橋通に面しており、朝早くから利用客で賑わっています。取材で訪れた朝は、女性観光客や会社員、作業着姿のお兄さんら、全員ソロ利用でした。
「いらっしゃいませ」。カウンター越しに優しく声をかけてくれたのは店主の稲葉和広さんと妻弘美さん。長く勤めた住宅メーカーを退職した稲葉さんは2018年、弘美さんとともにこの店を開業しました。すっきり清潔感のあるカジュアルなしつらえで、カウンター席と小上がり席があります。さっそくカウンター席に陣取ります。
手書きの賑やかなメニューブックを広げると、ラーメン、カレー、そばうどん、そして定食と、食堂にふさわしいラインナップ。表紙をめくって一番最初にある、店名を冠した「なばりゅう麺(醤油)」(680円)を注文しました。
なばりゅう麺は、豚骨と鶏ガラ、魚介、野菜をベースにしたスープに、低加水の縮れ麺という旭川ラーメンの基本を押さえた仕上がり。「オープンした頃のスープは鶏ガラだけでとっていました」と弘美さん。コロナ禍での休業中に商品を見直し、家族会議で出た稲葉さんの息子さんの「おばあちゃんの味が食べたい」という一言をきっかけに、記憶をたどりながら、おばあちゃんが作っていたラーメンの再現を試みました。試作を重ねて豚骨、魚介に野菜も加え、豚バラとメンマ、ねぎを浮かせた懐かしいラーメンを完成させました。
一見して地味な盛り付けに見えますが、コクのあるスープは優しく上品。甘い自家製タレで煮込んだ豚のバラ肉がどこか懐かしく、家庭的な印象でありながら柔らかく歯切れが良い食感が美味です。地方がまだ貧しい時代、手に入る山海の食材の力を手間暇かけて引き出して作られた当時のラーメンに想いを馳せて味わいました。
ラーメンはこのほか、しゃきしゃきモヤシと豚肉のピリ辛みそ味の「盛りゅう麺」(700円)や野菜のあんかけと白髪ネギがたっぷり入った塩味ベースの「白りゅう麺」(同)、オニオンフライとショウガが味の決め手の冷たい「冷りゅう麺」(同)などもあります。
弘美さんがすすめる朝食「なばりゅうの朝定食」(500円)は、和食か洋食を選べます。和食はご飯と、ぜいたくに日高昆布とかつお節でとった天然だしのみそ汁、目玉焼き、味付けのり、漬物に、この日は副菜にナスのみそ田楽が付いていました。
洋食はトーストとサラダ、目玉焼き、ウインナー、ドリンクがセットで、プラス150円でフレンチトーストに変更できます。
このほか、そばは関東風のだし、うどんは関西風のだしを使い、かきあげは注文を受けてから揚げるなど、随所にこだわりや気遣いが感じられます。
「オープンした頃はメニューも少なかったのですが、コロナで休業した間に家族で知恵を出し合って、いろいろなメニューをそろえました」と稲葉さん。メニューブックのイラストは稲葉さんの娘さんが描いたものだそう。家族の想いが詰まった朝食にお腹もココロもしっかり満たされます。
住所…旭川市秋月2条2丁目10-2 |
電話番号…080・3290・7818 |
営業時間…午前6時半~午後2時 |
定休日…月曜 |
駐車場…店の前3台、ヤキトリツヨシ横3台 |
卵かけご飯?カレー? 選べる和定食が人気
ヨシノリコーヒー旭川駅前店
旭川市の玄関口、JR旭川駅の真正面のホテルウィングインターナショナル旭川駅前の1階に、豆を毎日焙煎している「ヨシノリコーヒー」の旭川駅前店があります。いれたてのコーヒーを味わえる朝食セットがあり、ホテルの宿泊客のみならず、近隣のビジネスマンら地域の人たちも多く利用しています。
朝食セットは洋食(990円)と和食(690円)が2種類。和食は、卵かけご飯用の生卵か、スパイスカレーを選べます。いずれも、本日のホットコーヒーか冷たい麦茶が付きます。
1番人気は卵かけご飯定食。卵は、大雪山系の天然水と地元産の飼料を与え、平飼いで育てているニワトリからとった東川町のファームレラのブランド卵「大雪なたまご」です。黄身は自然な色で、こんもり盛り上がり、白身にも弾力があります。
ご飯は北海道産ななつぼし。みそ汁には、東川町の平田こうじ店のみそを使い、煮干しでだしをとっています。漬物や切り干し大根などの副菜が付いており、素朴ながらもそれがとてもぜいたくに感じます。
カレーも自慢です。ほんのり酸味があり、スパイスが香る「さわやか系」の自家製カレー。隠し味にエスプレッソコーヒーと国産ハチミツを加えているそうです。朝から食べてももたれません。カレーにもみそ汁と副菜が付いています。
洋食は、自家製のあんバター付きトースト。パンは道産小麦と天然酵母を使った旭川市内の人気パン店「コートルミエール」のもの。自家製ポテトサラダとスクランブルエッグ、ソーセージ、ヨーグルトが付いています。
コーヒー豆は東川町の本店で、ドイツのプロバット社製の焙煎機を使って毎日焙煎しています。コーヒーはバリスタがひきたての豆で1杯1杯丁寧にハンドドリップで提供します。朝食セットには、いくつかあるオリジナルブレンドの中から、その日の日替わりのコーヒーが付きます。この日提供されていた「はなやか」はフルーティーでさわやかな香りと、ほのかな酸味があり、すがすがしい味わいでした。
メニューには、ハンドドリップのブレンドコーヒーのほか、マシンで抽出したエスプレッソをお湯で割る「ホット・アメリカーノ」もあります。コーヒー豆の味をストレートに感じることができ、エスプレッソの香り高さも味わえ、おすすめです。
同店には、東川町のアンテナショップ「東川ミーツ」が併設されています。ここでは、東川町産のコメやクラフト、家具などの特産品を販売しています。東川産食材を使った朝ごはんを食べた後、東川の名品をショッピングするのもいいかもしれません。
住所…旭川市宮下通7丁目3112 ホテルウィングインターナショナル旭川駅前1階 |
電話番号…0166・26・5575 |
営業時間…午前7時半~午後7時半。モーニングは午前10時半まで |
定休日…無休 |
駐車場…近隣にコインパーキングあり |
朝からしっかり、美味しいご飯を! 早朝から営業している札幌市内の「朝ごはん」おすすめスポット5選
いれたて熱々のコーヒーが味わえる「朝食セット」
ベリーカフェ ラ・フェリーチェ
旭川市中心部のビル1階のカフェ「ベリーカフェ ラ・フェリーチェ」は、午前中のみの営業で、まさに〝朝ごはんのための喫茶店〟。近くにはホテルも多く、観光客も重宝しそうです。モーニングプレートやトーストセット、ケーキセットなどを提供しています。
モーニングセット(650円)にはトースト2枚とサラダ、ベーコン、オムレツ、ヨーグルトにドリンクが付いています。洋風の朝ごはんの定番プレートで、ボリュームもたっぷり。バランスも良く、たっぷり盛られたサラダやなめらかなオムレツなどから、丁寧な手作り感が感じられます。
うれしいのは、ドリンクでコーヒーを選ぶとサイフォンで提供されること。いれたての熱々を味わうことができるうえ、2杯分入っており、ゆっくりと朝の時間を過ごすことができます。通常メニューのコーヒーは500円なので、モーニングセットの650円はお得感満点。ドリンクは紅茶やジュースもえらぶことができます。
手作りのケーキセットも人気です。ベイクドチーズケーキとガトーショコラ、プリンはすべて自家製。チーズケーキにはバニラビーンズがふんだんに使われ、あまい香りが口に広がります。オレンジピールを使った自家製ソースと添えられた生クリームと一緒に食べれば、朝から優雅な気分が味わえます。
コーヒーはコスタリカとグァテマラ、タンザニア・キリマンジャロ、パプアニューギニアの4種類を日替わりで提供。こちらもスタッフがサイフォンで丁寧にいれて提供します。店の中央にはグランドピアノが置かれ、ゆったりした時間が流れます。
住所…旭川市6条通7丁目30-1 エクセルA1ビル1階 |
電話番号…0166・25・2021 |
営業時間…午前8時半~ |
定休日…日曜 |
駐車場…周辺にコインパーキングあり |
定番から変わり種まで 心込めて握る「おにぎり」
Harumusubi
2023年8月オープンのおにぎり専門店「Harumusubi」は、米どころ・旭川で、地元産のコメを使ったおにぎりを朝早くから提供しています。旭川の中心部からも遠くはなく、通勤途中の地元客の人気を集めるほか、レンタカーで観光に出かける前に立ち寄る旅行客も少なくないそうです。
コメは旭川市郊外・東旭川の「うけがわファーム Den-en」から直接仕入れるゆめぴりかを使用。もちもちした粘り強い食感が特徴で、おにぎりにぴったりです。炊きたてを釜炊き海水塩を使って握り、有明海産ののりで包みます。
具は塩こんぶやおかかなどの定番から、「黒胡椒クリームチーズ」や卵黄などの変わり種まで12種類。鮭は自家製の麹に漬けてうまみを引き出すなど、ひと手間かけています。具のうち1種類は、時サケや「ツナ×ゴマ」などバリエーション豊富な週替わりで飽きません。スタッフは「毎朝、炊きたてのご飯で心を込めて握っています」と話します。大きさはご飯茶わん1杯分と手頃なサイズで、価格は1個220円から。
きんぴらや大学いも、コロッケ、ザンギ入りの「肉セット」、焼サケか焼きサバ入りの「魚セット」など、おにぎりのお供にぴったりのおかずも販売しています。そうざいもすべて手作り。自家製麹に漬け込んだザンギも人気です。肉・魚のセットには、メーンのほか、卵焼きやひじき煮、ポテトサラダなど日替わりのおかずが4品付いて380円とお手頃です。
白を基調としたナチュラルテイストの店内は、カフェのような雰囲気。ショーケースにはふっくらおにぎり、棚には手作りのそうざいが並び、目移りしそうです。テイクアウトのみで、店内での飲食はできません。
住所…旭川市宮下通21丁目1974-315 |
電話番号…070・7640・4873 |
営業時間…午前8時~午後2時半 |
定休日…月曜。日曜不定休 |
駐車場…2台 |
旭川市民おすすめの魅力的なカフェ3選~美味しい手作り料理を素敵な雰囲気の中で味わう