輸入小麦による製麺が主流だった30年以上前から道産100%にこだわる登別市の望月製麺所。生ラーメン、生パスタ、生ひやむぎからギョーザの皮までを道内外のラーメン店やスーパーなど100店以上に卸している。3代目社長の望月一延さん(59)は「輸入小麦にはない甘い香りと優しい味が道産の特徴」と話す。
生ラーメンと、メーカーに特注製造したスープをセットにしたオリジナル商品「二段仕込み醤油(しょうゆ)ラーメン」(490円)などの定番には、「きたほなみ」など5種類の道産小麦をブレンドしている。「小麦の出来は収穫年によってばらつきがあるため、複数を混ぜることで均一に調整できるようになる」と言う。
ほかにも、まろやかな辛さの「登別閻魔(えんま)ラーメン(生麺タイプ)」(490円)や「室蘭カレーラーメン(同)」(540円)など地域色を前面に出し、続々と新商品を生み出している。
一延さんの父の啓介さんが1958年に創業。当初は輸入小麦を使っていたが、大手との差別化と地産地消の観点から93年に道産での麺作りを始めた。ただ道産小麦は、当時は製麺向きではなく、「お客さんの元に届く時には水分が飛び、麺がボロボロと切れてしまった」という。
加水調理や練り時間などの改良を繰り返すことで克服。さらに小麦の品種改良も進み、道産小麦を使う製麺所は増えていったが、一延さんは「扱ってきた経験値では負けない。取引先のどんな希望にも応える自信がある」と話す。
時代に先駆けて麺作りに取り組んできた先代ら。一延さんは「新商品を開発し続けないと時代に置いていかれる。もっと全国に望月製麺所を知ってもらって、うちの麺を食べた人を幸せにしたい」と語る。 (室蘭報道部 伊藤空那)
▼所在地 登別市新栄町1の14 |
▼電話 0143・85・2236 |
▼直売所営業時間 午前9時~午後4時 |
▼取り寄せ 自社のホームページ(http://mochizuki-seimen.shop/)から注文できる |
▼定休日 日曜日 |
▼交通 JR幌別駅から車で約5分 |
(北海道新聞2024年5月24日掲載)
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