地発泡酒製造の帯広ビール(帯広)が、帯広市の緑ケ丘公園をイメージしたクラフトビール(発泡酒)の醸造を始めた。市職員有志のアイデアを取り入れ、「午前」「午後」の各時間帯をテーマにしたユニークなクラフトビールで、飲食店などで提供。「公園で過ごすシーンに合わせて味わってほしい」と瓶商品の開発も目指している。
商品名は「碧(みどり)が広(ひろし)」。飲む時間帯に合わせて副題を付けており、「いまは11時」は飲みやすさを重視し、すっきりとしたフルーティーな味わいが特徴。「もう14時」は休日の午後を楽しんでもらおうと、苦みが深く喉越しも重いハード系のクラフトビールにした。
考案したのは市都市政策課主任の近藤広大さん(38)。同公園の魅力向上に向け、活用方針をまとめたエリアビジョンを本年度中に策定する仕事に携わっている。「過ごす人それぞれのシーンに寄り添うビールがあったらすてきではないか」と思い、帯広ビール側に呼び掛けた。
商品名は緑ケ丘公園の地名の由来でもある、帯広町時代の町議、小泉碧氏にあやかった。近藤さんは「市民にビールをきっかけに緑ケ丘公園に思いを巡らせてもらえれば」と期待する。
一方、同社で醸造を担当する十河文英さん(52)も「公園でビールを飲むという価値観を提供できるのが面白いと思った」と話し、同シリーズで3種類目となる「まだ18時」も今後醸造する考え。
市内のホテルヌプカなどで「いまは11時」をグラス1杯820円で提供しており、「もう14時」も10月に販売予定。市職員有志は市役所の若手8人で、瓶ラベルのデザインなどを考案しており、帯広ビールは年内の販売を計画している。 (沼田駿)
(北海道新聞2024年9月20日掲載)