【俱知安】俱知安観光協会は今夏、ニセコ地域(俱知安、ニセコ両町)で、屋根を開放できる「オープントップバス」を運行する計画を立て、今月、北海道観光振興機構の補助事業に採択された。屋根に遮られないため、周囲の眺望を楽しみやすく、新型コロナウイルスの感染リスクも抑えられる利点をアピール。冬のスキーシーズンに比べ、課題とされてきた同地域の夏場の集客力向上を目指す。
観光協会が同機構に提出した計画案によると、ニセコリゾート観光協会(ニセコ町)と連携して7月中旬~8月下旬、俱知安、ニセコ両町の観光地を巡るルートや、週末の周遊ツアーでのバス運行を想定する。夜の観光を掘り起こすため、俱知安町内のニセコHANAZONOリゾートの光のイベント「マウンテンライツ」を楽しめるルートも検討。観光客や地元住民の利用を見込み、今後、具体的な運行方法を検討する。
バスは2007年のプロ野球日本ハムのパ・リーグ優勝パレードなどに使われた車両と同タイプで、50人乗りを日の丸自動車興業(東京)からリースする。雨天時以外は屋根を開放でき、座席から山々の景色などを見渡しやすい。同機構は「観光地を広域に結ぶ交通の整備や、季節間の観光需要の平準化につながる効果が期待できる」として事業採択した。補助額は1千万円。
俱知安観光協会は好評なら来年度以降も運行し、30年度末予定の北海道新幹線札幌延伸を見据え、俱知安の新駅からの2次交通に位置づけたい考え。座席は外気が吹き抜け、コロナ対策になるほか、観光地の移動手段が個々のレンタカーからバスに集約されることで、二酸化炭素(CO2)の排出抑制効果も見込む。
俱知安観光協会は「オープントップバスの魅力を生かし、広域の経済波及効果につなげたい」としている。(須藤真哉)
(北海道新聞2022年4月26日掲載)