
【鷹栖】ワイン向けブドウ栽培を手がける障害福祉サービス事業所「とわ北斗」が町内で初めてとなるワイナリー「ドメーヌ トワ」(町16線17号)を開設した。本年度産ブドウで仕込みを始めており、2025年12月ごろにワイン6種類を出荷する予定だ。障害者の就労場所として雇用拡大も目指しており、谷敏彦施設長(56)は「全国的に鷹栖町産ワインの知名度を高めて、特産品に育てたい」と意気込む。
事業所を運営する社会福祉法人鷹栖共生会は町内でのワイン醸造を目指し、16年から本格的にブドウ栽培を開始した。現在、トマトなどを育てている畑のうち、5ヘクタールを使ってシャルドネなど約1万5千本のブドウを栽培している。
ブドウの収穫を始めた18年からは岩見沢市の「10R(トアール)ワイナリー」に委託し、3種類のワインを製造してきた。同会は今年10月、旭川中税務署から果実酒製造免許を取得した。NPO法人「ワインクラスター北海道」(小樽)によると、障害福祉サービス事業所のワイナリー運営は道内で2カ所目。
ワイナリーは木造2階建て延べ約300平方メートルで、1階にはブドウを絞るプレス機や発酵用の樽などが並ぶ。10月5日に稼働を始め、14人の障害者スタッフがブドウの選定や実をプレス機に入れる作業に励んでいる。
本年度は10トンを収穫する見込みで、赤白計6種類のワイン8千本を製造する予定。目指すのは、ブドウ本来の味を生かしたフルーティーなワイン。製造責任者の林勇人さん(36)は「今年のブドウは、昼夜の気温差が大きく、糖分も酸味もしっかり残っている。近年で一番良い」と出来栄えを語る。
谷施設長は「最終的には2万本の製造を目指しており、雇用の拡大も図っていきたい」と話す。 (東桜子)
(北海道新聞2024年10月22日掲載)