【小平、留萌】若手農業者らによる小平町内での落花生の栽培が、3年目のシーズンを終えた。今年は初めて留萌市内の飲食店でフェアを開き、市民らに取り組みをPR。ただ他の農作業の合間を縫って生産するため収量が限られており、認知度の向上を目指した模索が続いている。
留萌南部の若手農業者らでつくる「南るもい4Hクラブ」が、新たな作物の生産を通じて地域を盛り上げようと企画。いずれも町内の歳桃(さいとう)健司さん(29)と山崎未鈴さん(29)が約50平方メートルの畑で取り組んでいる。
クラブによると、道内での落花生栽培は十勝や空知などで先行。これまで日本海側では、農家の自家消費用としての栽培が中心だったという。
小平で育てる品種は「郷(さと)の香(か)」で、ゆでて食べるのが一般的とされる。昨年の収量は60キロだったが、今年は種まきの6月に天候不順が重なり、10月に収穫したところ、約30キロと半減した。コメや小麦など他の主要な農作物の合間を縫って栽培するほか、落花生の収穫や洗浄などは手作業を強いられ、収量の大幅な増加は難しいという。
クラブは落花生の認知度を上げようと、11月に「るもい落花生フェア」を開催した。市内5カ所の飲食店に協力を呼びかけ、落花生の炊き込みご飯や炒め物の入った弁当や、落花生入りどら焼きといった限定品を提供。おおむね完売した。
山崎さんは「まずは落花生の存在を認知してもらうのが先決」として、紙媒体や交流サイト(SNS)などを通じてPRを強化したい考え。歳桃さんは、来年以降もフェア開催や直売所への出荷に力を入れたいとした上で「留萌管内の農作物をおいしく食べてもらえるよう頑張りたい」と意欲を見せる。 (山田健裕)
(北海道新聞2024年12月10日掲載)