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2024.12.25

From北海道新聞

きな粉の商品化経験 士別の喫茶店店主・平塚さん*特産品の開発手助け*店内製造所やノウハウ提供

北海道新聞記事
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喫茶店内の調理場で「農業と商業をつなぐ仕組みをつくりたい」と話す平塚さん
喫茶店内の調理場で「農業と商業をつなぐ仕組みをつくりたい」と話す平塚さん

 【士別】市内朝日町中央の喫茶店「珈琲淹(コーヒーえん)リファインド朝日店」は、他の事業者と地元産農産物などを使って加工食品を共同開発する取り組みを始めた。士別産茶豆「つくも4号」で作ったきな粉の商品化を手がけた経験を持つ店主の平塚直樹さん(52)が、ノウハウや店内の製造所を提供して販路拡大まで支援し、地域経済の活性化につなげることを目指す。

 平塚さんは9月、店内の一角に商品開発のための製造所を整備した。広さは25平方メートルで、北海道の補助金などを利用しながら焙煎(ばいせん)機や粉砕機などの機械を設置、保健所の製造許可も取得した。自身が使うだけでなく、10月からは商品開発を目指す知り合いの農家らにも活用してもらうことにした。現在は無償で提供しているが、今後は利用料金なども設定する予定だ。

 表示など関連法規を順守するためのノウハウを提供するほか、商品について一緒に考え、アドバイスしたり、パッケージのデザイナーなど関係者を紹介したりする。

 すでに上川管内の4事業者と、それぞれ商品開発や相手先ブランドによる生産(OEM)を進めている。このうち旭川市の安田ルミさん(52)は、種まき後は農薬を使わずに栽培しているつくも4号を原料に11月から、オリジナルブランドのきな粉の共同開発に取り組んでいる。

 「平塚さんが教えてくれるから、とても心強い。商品開発は初めてだが、不安はなかった」と話す安田さんは、2026年冬の商品化を目指している。

 共同開発では製造所に加え、喫茶店内の調理場も使えるようにした。事業者にとっては設備投資が不要で、小規模事業者や未経験者でも始めやすい。大手業者との商品開発と比べ、製法などの細かい変更に素早く対応できることもメリットだ。

 平塚さんは「農業と商業をうまくつなぎ、農産物を商品化できる環境を整えたい」と意気込んでいる。  (東桜子)

(北海道新聞2024年12月18日掲載)

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