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2022.04.13

洞爺湖・登別・ニセコのおすすめ観光スポットをめぐる 春の北海道ゆったり旅物語①

Tripeat編集部
Tripeat編集部


 北海道の春のおすすめ観光スポットをエリアごとに「物語風」記事でご紹介します。今回の旅は、洞爺・登別・ニセコなど道央エリアを取り上げます。

♢ ♢ ♢

 近隣に有珠山や羊蹄山、ニセコ山系が連なる洞爺湖は、北海道有数の温泉天国であるとともに、清冽(せいれつ)な湧き水に恵まれた水郷でもあります。その周辺をめぐり、体の中から外からたっぷりうるおい、心までみずみずしく生き返る水紀行はいかがでしょう。

心まで潤う癒やしの旅

洞爺湖の湖面を照らして昇る朝日
洞爺湖の湖面を柔らかく照らして昇る朝日

 この春、下の娘が就職とともに独り立ちした。「肩の荷が下りたような、胸にぽっかり穴があいたような気分ね」と笑う妻。長年の子育ての労をねぎらうべく、二十数年ぶりに夫婦ふたりで旅に出た。
 
 札幌から車をのんびりと走らせ、恵庭市へ。郊外の恵庭渓谷には、源頼朝に追われて蝦夷地(えぞち)へ逃げ延びた源義経が財宝を埋めたという黄金伝説があるという。真偽はさておき、ササや樹木が生い茂る緑の森はひととき現実を忘れさせる。

 そして圧巻はラルマナイの滝群。三段の滝、ラルマナイの滝、白扇の滝―しぶきをあげて流れ落ちる水の美しさとごう音に言葉を失い、心が無になっていく。滝が発しているといわれるマイナスイオンもたっぷり深呼吸して、この癒やしのパワーはまさに黄金の価値あり。

ラルマナイの滝
水しぶきが青く輝くラルマナイの滝

10カ所以上ある湧水で〝利き水〟も

 山のあるところに名水あり。都市の喧騒(けんそう)を離れて羊蹄山をめざす。「蝦夷富士」と呼ばれる柔和なたたずまいを見せるこの山の裾野には、10カ所以上の湧水があるという。北海道遺産に選定されている「京極のふきだし湧水」、昭和天皇も賞味されたというさかもと公園の「甘露水」などを飲み比べて〝利き水〟をするのも楽しい。羊蹄姿見池から山の勇姿を望み、ニセコの神仙沼に満ちる清らかな気に身を委ねるうちに、幸福がひたひたと満ちてくる。

京極のふきだし湧水公園
京極のふきだし湧水公園。ぜひ“効き水”を
ふきだし公園内を流れる湧水
ふきだし公園内を流れる湧水

洞爺湖の先に有珠山と昭和新山

 癒やしの水を巡る北海道の旅は、温泉を抜きには語れない。羊蹄山や有珠山、昭和新山、樽前山などの火山が連なる支笏洞爺国立公園は北海道屈指の温泉天国。支笏湖畔や洞爺湖畔、少し足を延ばせば登別など、名湯・秘湯が点在する。今夜の宿は洞爺湖温泉。太古の巨大噴火によって誕生した湖の向こうには、今も火山活動が続く有珠山と昭和新山が白い噴煙をあげている。

昭和新山
ごつごつした赤茶色の山肌を見せる昭和新山を望む
緑鮮やかな山麓と羊蹄山
山麓に緑が鮮やかな春の羊蹄山

 どこか懐かしい風情を残す温泉街をふたり並んで歩くのは少々面はゆく、でもどこか心浮き立ってくる。ふらりと土産物屋をのぞき、手湯・足湯を巡る─。そんな昔ながらの温泉街の楽しみはもちろん、世界レベルのホスピタリティが用意された極上のスパ&リゾートもぜひ堪能したい。
 山頂にたたずむホテルのラウンジから眼下に広がる絶景に目を遊ばせ、ぜいたくなスパ・リラクゼーションに身体も心も解き放ち、羊蹄の清流が育てたユリ根やジャガイモなどの大地の恵みに舌鼓を打つ。それはみな、ふたりで歩む人生という旅にもたらされた最高のごほうび。

 「ね、明日から島牧村のほうへ行ってみない?賀老の滝の近くに『ドラゴンウオーター』という炭酸の湧水があるんですって」。北海道の清冽な『水』は、子育てを終えた寂しさも洗い流してくれたらしい。妻のみずみずしい笑顔が、それを物語っていた。夫婦水入らずの旅は、まだまだ続きそうだ。

※情報は記事公開当時のものです。

札幌・小樽周辺の観光スポットを楽しむ 春の北海道ゆったり旅物語②

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