
春の足音が近付くとともに、桜の開花時期が気になってきました。雨で肌寒い日が続いた後に晴天となった2025年4月17日(木)、札幌の桜の名所、円山公園に行き、様子を観察してみました。17日現在、まだ開花には時間がかかりそうでしたが、今年の予想は4月22日(火)。TripEat北海道ではこの後、円山公園の桜の開花状況を観察し、開花から満開まで、写真入りで随時、お届けします。
今年の桜の開花予想は、ウェザーニュース、日本気象協会ともに、例年より9日早い4月22日(火)としています。満開は例年より10日早い4月26日(土)とみられており、天気次第ですが、見ごろは4月の最終週からゴールデンウィークにかけてになりそうです。


地下鉄円山公園駅から西に進み、園内に入るとほどなく、滑り台などが置かれた遊具広場があります。その前にあるのが、円山公園の標本木のエゾヤマザクラ(A)です。
つぼみがたくさん付いていますが、色はまだ茶色がかっていて、固いまま。開花には、もうちょっと時間がかかりそうです。
「標本木」は、開花を判断する指標となる木のことで、札幌の開花宣言は札幌管区気象台(札幌市中央区北2条西18丁目)の敷地内にあるソメイヨシノの開花状況を同気象台職員が観測し、5輪程度咲くと出されます。円山公園管理事務所によると、この木は公園が独自で開花を判断するために指定しているそうです。
この日の最高気温は平年より3.5度高い15.5度。空は青く晴れ渡り、日向にいるとポカポカ暖かさを感じます。つぼみはまだ固いようですが、桜の木も気持ちよさそうに背伸びをしているように感じます。


次に、北海道神宮の第二鳥居をくぐり、表参道(B)の桜を見てみましょう。表参道の両側にはエゾヤマザクラやソメイヨシノ、チシマザクラが植えられており、満開になると参道にせり出した枝にびっしりと花が付き、桜のトンネルができる人気スポットです。訪れたのは昼ちょっと前だったので、西側の枝にはさんさんと日の光が降り注いでいましたが、ここもまだ、ほころぶには早い様子です。
実は、北海道神宮が桜の名所となったはじまりは、この参道でした。明治8年(1875年)、手稲村(当時)の福玉仙吉さんが山々を歩いて集めたエゾヤマザクラ150本を神宮に献木し、ここに植えられたそうです。当時、境内や周辺は巨大な灌木が生い茂り、昼でも暗く、うっそうとしていたといい、参道への桜の植樹をきっかけに、花見の名所に変ぼうしたといいます。


円山公園や北海道神宮周辺で例年、最も早く開花するのが、神宮の裏参道口(C)の第三鳥居の脇にあるエゾヤマザクラです。鳥居の前は大型バスの駐車場になっており、南側にはさえぎるものがなく、日当たりがとても良く、開花が早いというのもうなずけます。固く茶色だった標本木や表参道の桜よりは、やや黄緑がかっていますが、ここもまだ、開花の気配はありません。


せっかくなので、周囲を少し歩いてみます。神宮内の梅林の梅の木には、枝にびっしりとつぼみが付いており、赤みを帯びているものも多くありました。真っ青な空に、赤い小さなつぼみが映え、春らしさを実感します。歩いていると、花が開いている木を見つけました。散策路側にひっそりと1輪、ピンク色の花びらを広げています。よく見ると、奥の枝でも数輪がほころびていました。


梅林の中にはモクレンもあり、ふわふわと毛の生えたつぼみが、ふっくらと膨らんでいます。白い花びらもちょっと顔を出しかけています。上品で甘いモクレンの花の香りを思い出し、うれしくなりました。梅の木の根元には、すっかり大きくなったフキノトウも葉を広げていました。


北海道で桜といえば、エゾヤマザクラを指すことが多いのですが、円山公園や北海道神宮周辺にはソメイヨシノもあります。坂下野球場周辺のソメイヨシノはたくさんのつぼみを付けており、黄緑色になっていますが、まだ身を固く閉ざしています。

この日は、円山公園と北海道神宮をぐるりと回りましたが、これから開花、満開までの間、円山公園の標本木(A)と表参道(B)、裏参道口(C)の3カ所を定点観測し、写真付きで随時、ご紹介します。花見や散策に行く際の参考に、ぜひ毎日チェックしてください。