
【中富良野】町内のワイナリー「ドメーヌ・レゾン」が醸造する貴腐ワイン「貴腐 中富良野ケルナー2024」が、国内最大規模のワイン品評会「日本ワインコンクール2025」(実行委主催)の極甘口部門で本年度の金賞を受賞した。同ワイナリーは昨年度、「中富良野ソーヴィニヨンブラン」で最高金賞を獲得しており、2年連続での快挙にスタッフは手応えを感じている。
コンクールは原料が国産ブドウ100%の日本ワインが対象。本年度は全国の153ワイナリーから860点が出品され、7月25日に審査結果が発表された。
貴腐ワインはカビ菌が付いた白ブドウ(貴腐ブドウ)から造る甘口のワインで、「貴腐 中富良野ケルナー2024」は今年、北海道内では25年ぶりに販売された。町内西中地区の自社圃(ほ)場の貴腐ブドウのみを使用し、濃厚な甘さが特徴だ。
同ワイナリーの醸造家野吾隼矢さん(32)は「貴腐化という自然の恵みと、丁寧な選別や仕込みによって生まれたワイン。関わった人たちの努力が報われてほっとした」と話す。
本年度は同ワイナリーの主力品種でつくる「中富良野ケルナー2024」と「中富良野シャルドネ2024」も欧州系白部門で初めて銀賞に選ばれた。
「ケルナー」は一部に貴腐ブドウを使用し、甘みのある複雑な味わいに仕上がった。「シャルドネ」は2年前に実が鳥に食べられてしまったため、1年越しの生産。例年よりも実の熟度が高くシャルドネ本来の香りがしっかり出ている。
野吾さんは「主力品種で初の銀賞は、この土地での生育が年々良くなっている結果。この先も質を伸ばしていきたい」と意気込む。
受賞ワインは町内の直販店やオンラインで買える。問い合わせは同ワイナリー、電話0167・44・3035へ。(川上舞)
(北海道新聞2025年8月2日掲載)