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2022.10.09

From北海道新聞

ワイン造り 協力隊員ら挑戦*来夏出荷、地元店で販売*合弁会社を設立、事業化も検討*仁木

北海道新聞記事
北海道新聞記事
ワイナリーの蔵の外で、房から茎を取り除いて実をつぶす機械を使い作業する左から福光さん、三浦さん、山口さん
ワイナリーの蔵の外で、房から茎を取り除いて実をつぶす機械「除梗(じょこう)破砕機」を使い作業する左から福光さん、三浦さん、山口さん

 【仁木】地域おこし協力隊員2人とOB隊員1人の計3人がチームを組み、町内の農家で収穫したブドウを町内のワイナリーに委託醸造する「仁木町産オリジナルワイン」を手掛けている。町内産ワインが地元で手に入りにくいという課題の解消に向けた取り組みで、近く合弁会社を設立し、法人格での酒類販売業免許の取得も検討。出荷は来夏を予定しており、地元酒販店を中心に販売する。

 メンバーは、現役隊員の三浦夕佳さん(29)、山口光市さん(58)と、OB隊員でワイン造りを目指し新規就農した福光賢治さん(56)の3人。ワイン造りの経験があるのは福光さんだけで、現役隊員2人にとっては初めての挑戦になる。

 取り組みは8月下旬、町内の農家から「豊作で余剰分のブドウがある。買わないか」と持ちかけられたことを機に始まった。ロゼ・スパークリングをバッファロー種で、白のスパークリングをポートランド種で醸造することを決め、ブドウを収穫。醸造作業は「ベリーベリーファーム&ワイナリー仁木」の蔵でスタッフとともに行った。

 今回の取り組みについて、山口さんは「地元で町内産ワインが入手しにくい現状に風穴をあけたかった」と説明する。仁木や余市では個人経営のワイナリーが多く、生産本数が限られる。個々の生産者は独自の販路でワインを出荷・販売するケースも多く、地元に出回る数は少ない。

 また、近年はワイン熱が高まり、ワイナリーを訪れる人も増えた。ブドウ収穫時には、自費で連泊しながら作業を手伝う人もいる。栽培や醸造に関わりたいと考える人もおり、福光さんは「未経験の2人が携わることで、ワイン造りへの参加のハードルを下げられないか」と考えている。

 一過性の取り組みとして終わらせないため、3人は近く合弁会社を設立し、新たな事業を展開する足場にしたいという。三浦さんは「ワインは難しそうと感じている町民も一定数いる。購入して飲むに至らなくても、仁木でワイン造りをしていることを、まずは知って欲しい」話している。

 ワインは各700本、計1400本を製造。来夏には、地域の酒販店や仁木町観光管理センターなどで2500円前後で販売する予定だ。(松嶋加奈)

(北海道新聞2022年10月4日掲載)

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