芸術の秋到来。釧路市阿寒湖町の阿寒湖温泉に今春誕生した「阿寒アートギャラリー&アートギフトショップ」を訪ねました。
阿寒湖遊覧船乗り場(幸運の森桟橋)の向かいにある写真ギャラリーと交流の場を兼ねた施設です。
カフェ&アートショップ(1階)
1階は入場無料で、ギャラリーとWi-Fi完備のカフェスペース、アートショップがあります。
こじんまりとした施設ですが、非常に居心地が良いつくりになっています。カフェスペースでは、コーヒーを飲みながらのんびり過ごす旅行客や、パソコンを開いて仕事をする人もいるそうです。
地元で活動する銀細工作家や自然写真家の作品が展示されています。アートショップでは、写真やポストカードなどなど作家さんたちのアート作品を購入することもできます。
ギャラリー(1階)
共に阿寒湖を拠点に活躍したアイヌ彫刻家の藤戸竹喜さん(1934~2018年)と滝口政満さん(1941~2017年)の作品も展示されています。
藤戸さんはアイヌ民族の彫刻家です。JR札幌駅の西改札口の前にあるエカシ(長老)像を見たことがある人も多いと思いますが、あの像は藤戸さんの作品です。藤戸さんは幼い頃から木彫り熊職人だった父の下、「熊彫り」を始めます。20代で阿寒湖畔に移り住んでからは、熊をはじめとする動物や等身大の人物像を精力的に生み出し、それまで「民芸品」だったアイヌ作品を「芸術」に昇華。文化庁の地域文化功労者や北海道功労賞にも選ばれた人です。
滝口さんは、3歳で聴力を失い、東京教育大(現筑波大)付属ろう学校高等部を卒業します。22歳の時、一人旅で訪れた阿寒湖でアイヌ彫刻に出会い、1967年に阿寒湖畔に移住。シマフクロウをはじめとする野生動物や、風と対話する少女像などを制作し、北海道アイヌ伝統工芸展で道知事賞を受賞するなど高い評価を得た人です。
ギャラリーに隣接する宿泊施設「あかん湖 鶴雅ウイングス」と「あかん遊久の里鶴雅」のギャラリーには、2人の作品が多く展示されていますので、ぜひ立ち寄って、そのすごさを感じてください。
大型スクリーンでは、阿寒の雄大な自然や動物の姿が映し出されています。素晴らしい映像美に、時を忘れて見入ってしまいます。
もう1つ、面白い展示物がこれ、エゾシカの角でつくった椅子です。
18頭分のシカの角が使われています。
座ることができるので、ぜひ座って、そして持ち上げてみてください。びっくりしますよ。
安藤誠さんの常設写真展(2階)
2階は、自然ガイドを務める鶴居村在住の写真家、安藤誠さんの常設ギャラリーになっています。
安藤さんは世界最高峰の自然写真コンテスト「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」で入賞。世界的自然写真コンテスト「ネイチャーズ・ベスト・フォトグラフィー・アジア2021」の映像部門で最優秀を獲得するなどしています。
約40点が展示されています。野生動物の生き生きとした姿に、きっと感動しますよ。
2階は有料ギャラリーなので、中学生以上500円(ドリンク付き)の入場料がかかります。
アートに囲まれた素敵な空間は、ちょっと休憩するにももってこいの場所です。阿寒湖に行った際にはぜひ立ち寄ってみてください。
▽住所/釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目5-7 |
▽営業時間/午前10時~午後6時 |
▽定休日/無 |
▽HP/https://www.lakeakanpark.com/ |
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