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2022.04.18

〈山﨑編集長☆発〉150年前からあった北海道三大グルメ②〈牡蠣編〉週末だけの極上オイスターバー

山﨑真理子
山﨑真理子

 北大水産学部時代に1年間、練習船に乗って遠洋航海に出ていた船乗り。北海道新聞社に入社後は、社会部の警察担当を振り出しに、網走、帯広、釧路など道内各地で勤務。東京勤務時代は政権交代時の民主党の番記者として、鳩山政権誕生を取材した。2022年4月にTripEat北海道を立ち上げ、初代編集長に就任、23年5月から千歳支局長。

 150年前からあった北海道三大グルメ①<絶品「蝦夷の三絶」とは?編>では、江戸時代に「蝦夷の三絶(さんぜつ)」と呼ばれていた、今で言う「北海道に行ったら絶対食べなきゃだめ! 北海道の三大グルメ」があったことを紹介しました。
 その3つとは、①天塩川のシジミ②厚岸湾のカキ③十勝川のフナ。
 第2部は<牡蠣編>。今も北海道の絶品グルメに名を連ねる厚岸のカキを存分に味わえる現地の絶品スポットです。

間違いなし! 安定感の道の駅「厚岸グルメパーク・コンキリエ」

厚岸が一望できる高台にある道の駅「厚岸グルメパーク・コンキリエ」の外観
厚岸が一望できるコンキリエ

 旅行雑誌の道の駅ランキングで、道内129ある道の駅・食事メニュー部門で12年連続1位に輝いている間違いないスポットです。
 食事処は、レストラン、オイスターバール、「炭焼 炙屋」の3カ所あり、厚岸産カキがいつでも味わえます。カキを軸にした多彩なメニューが自慢で、その数は100種類を超えます。

体験型食事処「炭焼 炙屋」

体験型食事処「炭焼 炙屋」の店内とカキを手にする田辺さん
入り口で好きな魚介類を選びます。カキを持ち上げてくれているのは北海道観光マスターでもある田辺総務部長です

 中でも「炙屋」は、好きな海産物を選んで、自分で炭火で焼ける体験型として人気です。もし万が一「実はカキが苦手で…」という人がいても大丈夫。ホタテ、アサリ、ホッキなど地元海産物が通年で食べられるほか、春にはニシンや毛ガニ、秋にはシシャモ、サンマなどなど、季節ごとに旬の食材が登場し、肉や野菜もあります。意外と知られていませんが、厚岸はキノコの産地でもあるので、肉厚シイタケなんかも味わえます。

炭火の上の網で焼かれているホタテ、カキなどの魚介類
炭火の上で焼きます
炭火で美味しく焼きあがったホタテやカキなどの魚介類
美味しく焼き上がり、後は食べるだけ
レモンが添えられて皿に盛られた生ガキ
ハーフサイズもあるのが嬉しい生ガキ

 こだわりの生ガキは「1、2年もので、食感がみずみずしく、一口で食べられる小ぶりのもの」(田辺伸文総務部長)を厳選して出しているとのこと。

カキフライを食べるなら「エスカル」

レストラン「エスカル」の店内
レストラン「エスカル」

 また、レストラン「エスカル」は、「みんながカキフライを食べにやってくる」というだけあって、メニューの多くにサックサクのカキフライがついてます。注文ランキングベスト3に常に入っている「かきぶた合戦丼」は、豚丼の上にカキフライがのっていて、年間6千食を売り上げています。

お酒とカキを味わうオイスターバール

オイスターバール「ピトレスク」の店舗入り口
オイスターバール「ピトレスク」

 オイスターバール「ピトレスク」では、落ち着いた雰囲気の中、お酒と一緒にカキが味わえます。3店とも午前11時開店です。
 「もっと早くに食べられない?」。そんな方には午前9時(10~3月は午前10時)から営業する1階の「オイスターカフェ」で、蒸しガキに加えて生ガキの提供が今年から始まりました。
 またコンキリエでは、アサリ堀り(4~7月)やカナディアンカヌーツアー(春~秋)、ワカサギ釣り(冬)などアクティビティも受け付けています。

カキ漁師が週末だけオープンする極上のオイスターバー「牡蠣場(かきば)」

オイスターバー「牡蠣場(かきば)」の店内で剥いたカキを提供してくれる中嶋さん
目の前でカキを剥いて、出してくれます

 カキ好きで酒好きな編集長の山崎が「ぜひ1度は行かねば」と思っていた場所。それは、カキ、アサリ漁師の中嶋均さんが週末だけ開くオイスターバーです。

「牡蠣場」の店内にある薪ストーブ
薪ストーブで暖を取ります

 中嶋さんとの出会いは10年前にさかのぼります。北海道新聞の企画「食のキャッチボール 生産者と料理人」という記事の取材でした。
 2012年1月に掲載されたこの記事の一節を紹介します。

 「食材の宝庫」と言われる北海道。地産地消の流れが強まり、地場産メニューを出す料理店も増えた。レストランの格付け本「ミシュランガイド」も首都圏版や関西版に続いて、春には発行の運びだ。キャッチボールをするように意見を交わし、大自然の恵みに磨きをかけて、さらに上を目指す生産者や料理人の取り組みを追った。

 今では地場産メニューを出す店はごく普通にありますが、当時はまだ珍しかったんですね。この時の取材で、生産者として登場いただいた中嶋さんを、今度は料理人として取材することになったという訳です。

 厚岸では、養殖かごを「水温の高い厚岸湖」と「栄養豊かな厚岸湾」を行き来させながらカキを育てます。そのタイミングは、漁師さんの長年の経験で決まる。つまり、生産者によって味が左右する、ということです。

積み重ねるように盛られた殻付きのカキ

 厚岸という地名は、アイヌ語で「アッケケシ」(カキのたくさんとれるところ)に由来するという説もあるなど、「蝦夷三絶」より前からカキと深い関係がある場所です。ただ過去には、捕り過ぎで枯渇しかけ、種ガキを全て宮城県産に頼っていた時期があります。そこで正真正銘の厚岸産の復活を目指して、地元の漁協と町が中心となって自生するカキで種ガキを作り、2000年からブランドカキ「カキえもん」として出荷しています。中嶋さんは、その立役者の1人のベテラン漁師です。
 カキえもんは、「シングルシード方式」の養殖技術を用い、生まれた時から1粒1粒ばらばらの状態でかごに入れて育てます。湖や湾の波に転がされながらかごの中で大きくなっていくため殻が丸くなり、うま味を生み出す貝柱が太く、強くなるそうです。

〈山﨑編集長☆発〉150年前からあった北海道三大グルメ①〈絶品「蝦夷の三絶」とは?編〉

ブランド生カキの食べ比べ

皿に並べられた「カキえもん」と、後方にはピザ
一口サイズで丸みが美しい「カキえもん」。後ろは、これまた美味しいピザ

 「牡蠣場」では、中嶋さんが丹念に育てた「カキえもん」、同じくブランドカキで宮城県産種苗を育てた「マルえもん」の食べ比べができます。目の前で食べてもらうようになって「形にもこだわるようになった」という中嶋さん。するっと一口サイズの小ぶりのカキは、どれも深みがあって丸く奇麗です。水流の早い場所に置くことで、よりまあるくなるとか。味は言うに及ばず、芸術的な美しさです。

 通年出荷している厚岸産カキは、季節によって味わいも変わるため、「シーズンごとに食べにきて」と言う中嶋さん。あえて「一番好きな季節は?」と聞くと、「5月のサクラの時期。身が太っていていいね」とのこと。厚岸のサクラの季節は例年5月中旬から下旬にかけてです。

生アサリもあります

皿の中に盛られた生のアサリ
生のアサリ(手前)も食べる事ができます

 もう1つ忘れてならないのがアサリです。実は水揚げ量はカキより多かったりします。生のアサリが食べられるのは、ここくらいかもしれませんので、ぜひ。そして、飲める方は厚岸産ウイスキーでマリアージュを楽しんでください。

厚岸産のウイスキーが並べられたカウンター

旅のヒント 厚岸で飲む方法

 お酒を飲む方も飲まない方も、ぜひ厚岸に泊まって楽しんでもらうのがベストですが、JRが遅くまで走っているので釧路泊も選択肢の1つです。
 コンキリエは駅までは下り坂なので、徒歩で10分ちょいでたどり着けます。牡蠣場は駅から車で7、8分、歩くと30分ほどかかります。地元唯一のタクシー会社「桜ハイヤー」の営業は午後8時までなので、事前に予約するなり万全の体制で挑んでください。

<牡蠣場>
住所:厚岸町奔渡1の137
電話:0153・52・5277
営業時間:金、土、日曜日の午後6~10時

◇次回は最終回、150年前からあった北海道三大グルメ③<シジミ編>です。天塩町で高級食材のシジミを食べる旅です。

〈山﨑編集長☆発〉150年前からあった北海道三大グルメ③<シジミ編>半端ない大きさ&濃厚だし
山﨑真理子
山﨑真理子

 北大水産学部時代に1年間、練習船に乗って遠洋航海に出ていた船乗り。北海道新聞社に入社後は、社会部の警察担当を振り出しに、網走、帯広、釧路など道内各地で勤務。東京勤務時代は政権交代時の民主党の番記者として、鳩山政権誕生を取材した。2022年4月にTripEat北海道を立ち上げ、初代編集長に就任、23年5月から千歳支局長。

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