【岩見沢】市内北村の農家らでつくる「北村地域農泊推進協議会」と北村温泉ホテルは、地場野菜や地元農家に伝わる郷土料理を具材に使った「わっぱめし」づくりを進めている。この夏から提供を始めたい考えで、同協議会は「北村を丸ごと楽しめる一品に育てたい」と話している。
石狩川に近く、広大な北村遊水地を生かしたアウトドア観光商品づくりなどに力を注ぐ同協議会は、同ホテルに協力を依頼し、地元食材を活用した、ご当地料理の開発も進める。同ホテルの後藤茂雄料理長(45)が中心となり、昨年から料理づくりを本格化させた。
東京や札幌のホテルなどで20年以上腕を振るってきた後藤料理長は、北村ではトウキビや落花生、ハクサイなど多彩な野菜が作られている点に着目。さらに農家の食卓には、手作りのみそで野菜の漬物を作ったり、野菜のつくだ煮などで保存食が登場したりする食文化にも気がついた。
「旬の野菜や農家の郷土料理を組み合わせれば、北村らしい料理ができる」と確信した後藤料理長は試行錯誤をくり返し、直径15センチほどの円形の容器にご飯を入れ、その上にこれらの食材を載せる「わっぱめし」を考案した。
現在、地元農家とわっぱめしに適した食材のリサーチや、レシピ作りを進める。早ければ野菜がそろい始める7月から、同ホテルのレストランで1食1100円程度で提供したい考え。後藤料理長は「10種類ほどの季節の野菜や加工品などを載せて、一度にいろいろな味が楽しめる北村の名物料理を目指す」と意気込んでいる。(渡辺拓也)
(北海道新聞2022年5月4日掲載)
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