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2022.05.23

ワイナリー 美しい農村の四季をワインボトルに詰める〈シリーズ企画ワイナリー編02/空知・札幌エリア〉

Tripeat編集部
Tripeat編集部
山﨑ワイナリーのブドウ畑

春の訪れ…新緑が輝き始めた空知・札幌エリア

 農村の冬は遠くの山から迫ってくるように、春は足元からやってくる―。積雪が2メートルにも及ぶ雪深い空知地方にも遅い春が訪れ、緩やかな斜面に広がるブドウ畑が新緑に輝く季節を迎えようとしている。

家族経営の先駆け 味や品質の追求は続く/山﨑ワイナリー

 三笠市・達布地区の丘陵にある山﨑ワイナリーは、畑作・稲作農家3代目の山﨑和幸代表が、栽培から製造、販売まで手がける「自立した農業」を目指して始まった。2002年、個人農家として全国で初めて念願の酒造免許を取得。今や道内53にも及ぶワイナリー誕生の原動力となっている家族経営ワイナリーの先駆けとして、100%自社畑でブドウを育てている。

山﨑ワイナリーのブドウ畑とワイナリーの外観、店内
山﨑ワイナリー(三笠市達布791の22)
土日祝日のみ営業する直売所あり。お盆前には夏向けに長期熟成ワインを販売予定。コロナ禍のため、試飲は中止している

 最初の年に仕込んだ、当時、道内では栽培が難しいとされていたピノ・ノワールのワインが評判となり、一躍全国に名が知れ渡った。以来、欧州系品種のみを栽培し、高い評価を得ている。次男で栽培担当の太地さんは言う。「いい農村を次の世代に渡すための一番の手段が、いいワインを造ること。味や品質を追求しながら、達布の農村が思い浮かぶようなワインを造っている」

美しい景観を背に この先も「味を守る」/宝水ワイナリー

 達布から山を一つ越えた岩見沢市・宝水地区。宝水ワイナリーは、なだらかな斜面の頂近くに佇む。山小屋風の醸造工場兼直売所の前には木製風車。ヨーロッパのような美しい景色は、山﨑ワイナリーがモデルとなった映画のロケ地としても知られている。

 宝水ワイナリーの始まりは、稲作・畑作農家3代目で社長の倉内武美さんが、原料供給のために栽培していたブドウ畑だった。その美しい景観に当時の岩見沢市長が感動。市の補助事業としてワイン造りが動き出し、06年に設立された。

宝水ワイナリーの冬と夏の景色、ワイナリーの外観と並んだ商品
宝水ワイナリー(岩見沢市宝水町364の3)
直売所のほか、ソフトクリーム販売施設もある(冬期間は休業)。映画「ぶどうのなみだ」(2014年公開)に使われた室内のセットなども見学できる。

 しかし同年完成した初のワインは無名、販売ノウハウもなく、全く売れなかった。営業努力を続ける中、08年に国産ワインコンクールで銅賞を獲得すると知名度が一気に上がった。

 倉内さんは「みんなに慕われるワインであることが一番。醸造家も頑張ってくれているので、今後も従業員と一緒に宝水の味を守り続けたい」と将来を見据える。

最北の地 生き抜くワイン 北海道の大地がはぐくむ命の恵み〈シリーズ企画ワイナリー編01/上川エリア〉

苦難を経て今、最高峰のピノを目指す/千歳ワイナリー

 1988年創業の千歳ワイナリー(千歳市)は、木村農園(後志管内余市町)のピノ・ノワールとケルナーにこだわり、ワインを造る。今、道内ではピノ・ノワールのワインが多く造られるようになったが、その成功は両者の挑戦によるものでもある。

千歳ワイナリーの外観とワインを熟成させるタンク、店内に並ぶ商品
千歳ワイナリー(千歳市高台1の7)
直売所あり。前日までに予約すれば工場見学ツアー(無料)に参加できる。有料のテイスティングツアーは、コロナ禍のため休止中。

 93年から始まったブドウ栽培は、なかなか思うようにいかず、10年ほど苦しい時代があったという。ワイナリー創業者で中央葡萄酒(山梨県)代表の父から、2012年に会社を継いだ三澤計史さんは「費用対効果を考えると途中で止めてもおかしくなかった。互いに『もっと良いものを』と刺激し合ったからこそ、技術が確立できた」と思いを馳せる。

 農園主も代替わりした今、「北海道ワインのシンボルのような、最高峰のピノを造りたい」とさらなる高みを目指す。

(TripEat北海道編集長 山崎真理子)

  • ワイナリー・ヴィンヤードを訪問する際のルール&マナー
    ①無断で農園(ヴィンヤード)に立ち入らないようお願いします
    ②ワイナリー・ヴィンヤードのなかには見学・立ち入りが不可なところや、事前に見学の予約が必要なところもあります。予め電話やホームページで確認ください

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 札幌・大通公園で7月1~3日に開催される「北海道 お酒と食のおいしいマルシェ2022」に出店予定のワイナリーを中心に、道内各地域を計5回にわたって紹介します。

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