【新十津川】町内産の米粉を原料に使ったパンや菓子を製造、販売する店「田んぼのおやつ&Bakery」(町弥生167)が好評だ。札幌から移住した木村歩さん(39)、紋華(あやか)さん(34)夫妻が「小麦アレルギーの娘にも安全安心な食べ物を」と2021年開業し、札幌や旭川など遠方からも客が訪れるようになった。現在は改装のため休業中だが、2023年1月下旬にも再開を予定。木村さん夫妻は「こだわりの商品をぜひ味わって」とPRしている。
木村さん夫妻は札幌に住んでいた2018年、長女の美海(みう)ちゃん(5)がアレルギーのため、小麦を使った市販の菓子やパンが食べられないことから、「皆が口にできる物を」と考え、米粉で作った菓子のオンライン販売を始めた。
東京や大阪から注文が舞い込むなど販売は順調だったが、歩さんは「お客さんの顔を見て直接販売したい」と思い、店頭販売も行おうと決意。紋華さんの親戚が町内に所有する築60年の民家を借り2021年夏に店を開業した。小麦アレルギーで困っている人や、体調改善につながるなどと来店してくれた人もいて手応えを感じ、2022年7月から土、日曜限定の通年営業に踏み切った。
メニューはドーナツやメロンパン、クリームパンなど20~30種類。町内の高山農園が無農薬、無肥料で栽培したコメで作った米粉や、牛乳の代わりに豆乳を使っている。甘味料は道産てんさい糖や有機メープルシロップを選んだ。空知管内のほか札幌や旭川など遠方からも客が訪れるという。
2022年の営業は12月18日に終えた。店内に石窯を新設するなどリニューアルし、新たな生地の開発も予定する。早ければ2023年1月下旬に再開したいという。紋華さんは「皆が食べられて、おいしいと思ってもらえるお菓子やパンを作り続けたい」と話している。店のホームページはhttps://tanbonooyatsu.com/ (榎本雅也)
(北海道新聞2022年12月23日掲載)
「うまみに余韻」 パン工房オープン*上砂川の協力隊員 勝長さん*町内唯一*天然酵母やホエイ「くせになる味」