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2022.04.14

〈TE旅の提案〉春の北海道をゆったり巡る~ ④釧路・阿寒・根室・知床編

Tripeat編集部
Tripeat編集部

大自然の軌跡をたどる旅

 世界遺産に認定された日本最後の秘境・知床半島、豊かな生命のゆりかご・釧路湿原など、原始の自然が息づく道東エリア。ここではどうぞクルマを止めて、ご自分の足でその軌跡をたどり、自然の神秘を五感で味わってください。道内有数の酪農・漁業地帯ならではの美味の数々もお楽しみ。

釧路湿原から阿寒湖へ。水の大地、道東をゆく

お金はないけれど時間はたっぷりあった学生時代、バックパックを背負ってあちこち旅をした。初めて北海道に来たのもその頃だ。ひとりで黙々と歩いた釧路湿原の木道を、今は妻とふたりで歩いている。結婚5年目、良くも悪くも互いが空気のようになじみ、休日はそれぞれの趣味に費やすことも少なくない今日このごろ。「今回だけは徹底的にあなたの趣味に付き合ってあげる」と妻が笑う。展望台から眼下に広がる緑のじゅうたんは圧巻。カメラを構えた私は思わず声をあげた。

鮮やかな緑が広がる雄大な釧路湿原の風景
雄大な釧路湿原

タンチョウだ!

青空にはばたく2羽のタンチョウ
青空に羽ばたくタンチョウ

 見ていると別の一羽が舞い降りて、ゆっくりと寄り添った。「タンチョウの夫婦は一生添い遂げるのよね」。オペラグラスを覗きながら妻が言う。うん、なかなか幸先のよい旅の始まりではないか。湿原にほど近い鶴居村の山崎山林では、森林のセラピーツアーが待っている。心身共に癒やされて、夫婦げんかもなくなるかも? 

阿寒湖畔でボコッ、ボコッと音を響かせる小さな泥火山ボッケ
小さな泥火山「ボッケ」

 阿寒湖畔でボッケ遊歩道を歩く。ボッケとはアイヌ語で「煮え立つ」を意味する小さな泥火山。静かな林の中にボコッ、ボコッ、と音が響く。ほら、あれが雄阿寒岳と雌阿寒岳。夫婦の山で、妻のほうが気性が荒くてよく大噴火したらしい、誰かさんみたいだね。まあ失礼ね、と軽くにらむ妻へのプレゼントは、湖畔にたたずむ隠れ家の休日。全室スイートのぜいたくと、マリモを育んだ湖水の温泉につかる至福に、ゆったりと身を預けよう。

夕暮れに染まる阿寒湖の風景
夕暮れに染まる阿寒湖
〈TE旅の提案〉春の北海道をゆったり巡る~ ⑤旭川・富良野・帯広編

馬で、車で、自分の足でたどる、感動の道

 今日は川湯温泉から摩周湖までのホース・トレッキングにトライ。馬の背に揺られて木立を抜け、草原を渡る快感、そしてたどり着いた摩周湖の神々しい美しさー。結婚前に夫がよく話してくれた北海道の魅力を、全身で感じる。

真っ青な湖面の摩周ブルーが美しい摩周湖の風景
摩周ブルーが美しい摩周湖

 パイロット国道と呼ばれる国道243号を別海方面へ走ると、どこまでも永遠に続きそうな直線道路になる。これぞ北海道の醍醐味(だいごみ)! 「バイクで走りたいなぁ」とつぶやく夫の顔は、かつての若き旅人に戻っていた。根室へ向かって走り続け、納沙布岬のモニュメントが見えてくると「ついにここまで来たか」という感慨がこみ上げる。明日は早起きして日本でいちばん早い朝日を見にこようか。

緑一面の中を根室の落石岬灯台へと続く木道
落石岬灯台へと続く木道

 根室ではぜひフットパスを体験してみたい。フットパスとは根室の酪農家たちが農場内に作った遊歩道で、シマフクロウの生息地がある初田牛パス、開拓期の面影を残す厚床パス、海辺の牧草地を歩く別当賀パスがある。かれんなユキワリコザクラに心和ませ、波打ち際に放牧された牛の群れに驚き、落石岬の荒ぶる波に息をのむー。

 都会の喧騒(けんそう)の日々がうそのよう。ルートマップを片手に前を歩く夫の背中が、ひときわ大きく見える。インドア派の私だけど、これからは夫の山歩きに付き合ってみようかな。そしておじいちゃんとおばあちゃんになった時、またこの道を一緒に歩けるといいな。

 明日からはいよいよ知床へ。夫の心を射止めた原始の自然の神々は、私をどんなふうに迎えてくれるのだろうか。

Tripeat編集部
Tripeat編集部

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