色とりどりの包装紙をまとった約10種のプリンが、所狭しとショーケースに並ぶ。道産素材を生かした濃厚な味わいは、地元を中心に根強いファンが多い。
2007年に小樽市内に店を構え、今年で16年目を迎える。オーナーシェフの佐々木芳雄さん(50)は「いろんな可能性を秘めているプリンと、日々向き合えることは本当に幸せ」と笑顔を見せる。
小樽市出身。高校卒業後、札幌の印刷会社勤務を経て、居酒屋でアルバイト中に料理の面白さに目覚めた。20代前半で札幌の調理専門学校に入り、基礎を学んだ。その後、小樽や横浜のフランス料理店などで10年以上働き、腕を磨いた。
35歳の時、念願だった自分の店を持った。プリンの専門店にしたのは、プリンが好きだったから。幼いころ帰宅すると、母親が手作りして冷蔵庫で冷やしてくれていた。その味が「今も忘れられない」という。
人気商品は後志管内余市町産の卵と道産牛乳を使った「白いカスタードプリン」(410円)。黄身の色が薄い卵を使い、白さを表現した。「新バニラプリン」(同)はバニラの風味と優しい甘さが特長。ほかに道産チーズ、チョコ、抹茶など味のバリエーションも豊富だ。
09年にはプリンを求肥(ぎゅうひ)で包んだ「『噂(うわさ)』のプリン大福」(260円)を発売した。手に持つと崩れそうなほど柔らかく、求肥のもちもちとした食感と滑らかなプリンの組み合わせが絶妙だ。1日約600個売れる日もあるという。
19年にはJR小樽駅近くに2号店をオープン。休日には地元客や観光客でにぎわう。佐々木さんは「当たり前のことを当たり前に続け、自信を持って薦められるよう、自分がおいしいと思ったプリンを作り続けたい」と力を込めた。(小樽報道部 矢野伶奈)
▼所在地 小樽市住ノ江1の5の1 |
▼電話 0134・34・1616 |
▼営業時間 午前10時~午後6時(売り切れ次第終了)。地方発送はオンラインショップ(https://undelice.shop-pro.jp/)か店頭で受け付ける(「噂」のプリン大福は対象外) |
▼定休日 水曜日 |
▼交通 JR南小樽駅から徒歩5分 |
(北海道新聞2022年5月27日掲載)
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