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2023.05.18

道産ワイン リラの花と楽しもう〈下〉~札幌大通公園で5月28日まで「ガーデン」

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

 会場の東西にある「道産ワインセレクト販売カウンター」では前期(5月17日~22日)、西側30種類、東側30種類のワインをボトル、グラスで販売しています。後期には種類を入れ替え、同じく60種類を扱います。注文用紙には甘口か辛口か5段階で印が付いており、簡単な説明も書かれています。飲みたいワインに丸印を付け、購入します。価格はグラス1杯400円~1300円、ボトルは1500円~6000円。

前期だけで計60種類のワインを置いている道産ワレクトレクトカウンター
クーラーで冷やされ出番を待つ飲み比べセットのワイン

 「どれにするか決められない」という人は、「飲み比べセット」をどうぞ。2種類のセットのうち、オレンジワインのセットは、馬追醸造所などの3品(各60ミリリットル、1300円)。オレンジワインは、「白ワインの赤ワイン仕込み」と言われるワインで、通常白ワインは白ブドウの皮や種を取り除いた透明なジュースを醸造するのに対し、オレンジワインは原料は白ブドウですが、赤ワインと同様に皮や種が入ったままのジュースを発酵させ、ワインだけを抜き取ったものです。ワインガイドの阿部さんは「複雑な味わいで、料理にも合う。道内でもここ5年ほどで増えてきており、試してみてほしい」といいます。

迷ったら「飲み比べセット」も

 もう一つのセットは「北海道原産ぶどう」で、原料に北海道原産のブドウ「山幸」「ふらの2号」「旅路」をそれぞれ使った3品(各60ミリリットル、1400円)。

道内17のチーズ工房のチーズがそろう「道産チーズコーナー」
チーズ「age」を手にするTOYO Cheese Factryの七海一樹さん

 ワインを決めたら、それに合うフードを選びましょう。ワインといえば、チーズ。道内17のチーズ工房が自慢のチーズを出品しているほか、一口サイズにカットし、半田ファーム(十勝管内大樹町)のチーズを十勝ワイン「清美」の絞り粕をまぶして熟成させた「チモシーの清美ワイン粕漬け」や酪恵舎(釧路管内白糠町)のセミハード「トーマシラヌカ」、ウォッシュ「ロビオーラ」など計8種類の中から2点を選ぶセット(600円)もあります。ワインで磨いて熟せさせたセミハード「わいん」やセミハード「みのり」に黒こしょうを入れて熟成させたスパイシーな「こしょう」など長坂牧場チーズ工房(根室管内標茶町)のチーズを少しずつ盛り合わせたセット(700円)など、味比べもできます。

道内の工房が自慢のチーズ 味比べ

 日によって生産者も参加。この日は十勝管内芽室町の「TOYO Cheese Factry(東陽チーズファクトリー)」の七海一樹さんがいました。このチーズ工房は2020年にできた新しい工房で、十勝の4牧場から生乳を取り寄せ、チーズ「age(エイジ)」を生産しています。スティックタイプで、モノトーンのシックなパッケージ。一見、高級なチョコレートか何かのようで、チーズに見えません。七海さんは「コロナ禍で、衛生面から個包装がいいのではと発案しました」と解説します。製造する4種類のチーズのうち、3種類の詰め合わせで500円。

ラクレットチーズも用意している円山別邸のブース
円山別邸のチーズ寿司。左から、芽ねぎのハーブチーズ、ウォッシュチーズの握り、ネギトロのチーズ軍艦

 初出店の円山別邸は、通常店では提供していない特別メニューの「道産チーズ寿司」を考案し、提供。ウォッシュチーズの握りにはわさびが添えられ、こくのある白ワインや軽めの赤ワインに、芽ねぎのハーブチーズには辛口のスパークリングワインや軽めの白ワインに、穂しそがあしらわれたネギトロのチーズ軍艦にはこくのある白ワインが合うそうです。3かんで800円、各2個ずつの6かんで1500円。

ピザや肉料理 フードも多彩に

ニセコピザのマルゲリータニセコ
金獅子精肉店のインカのめざめと山菜の自家製ピクルス(左)と道産ローストビーフの切り落とし

 こちらも初出店の「ニセコピザ」は、直径30センチほどのピザを釜で焼き上げ、オリジナルの段ボール製のお皿にのせて提供してくれます。「マルゲリータニセコ」はあっさり味ながらうまみのあるトマトソースの上に載せられたたっぷりのチーズが糸を引きます。ボリュームたっぷりの大きなピースですが、生地は薄めでワインと一緒にぺろりと食べられます。

 「金獅子精肉店」からは、「道産ローストビーフ切り落とし」の山わさび昆布醤油(100グラム1200円)と「インカのめざめと山菜の自家製ピクルス」(400円)を。ローストビーフは薄く柔らかで、赤身のしっかりとした味わいが楽しめます。細切りのコンブが入ったソースは少し粘りがあり、さっぱりと食べることができます。ピクルスは、ジャガイモのインカのめざめやフキ、笹タケノコ、ワラビなどを酸味を抑えた味付けでさっぱりと食べられます。

人気のフードコーナーの前には行列も

 前期は22日まで。セレクトのワインを入れ替える後期は28日まで。「リラ冷え」もあり、昼間でも日陰や陽が落ちてからは寒さを感じることもあります。寒い時のために1枚上着を持って、ライラックのかれんな色彩と初夏の風、ワインの香りと味、北海道の恵みを全身で味わいに、ぜひ行ってみてください。

▽会場/札幌市中央区大通西7丁目
▽営業時間/午前10時~午後9時(ラストオーダー午後8時30分)
▽営業日/28日まで
▽問い合わせ/運営本部090・9433・7090(21日まで)
       札幌観光協会011・281・6400(22日~28日)

道産ワイン リラの花と楽しもう〈上〉~札幌大通公園で5月28日まで「ガーデン」
小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

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