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2023.05.18

道産ワイン リラの花と楽しもう〈上〉~札幌大通公園で5月28日まで「ガーデン」

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

 札幌に初夏の訪れを告げる「さっぽろライラックまつり」が17日開幕し、大通公園7丁目では道産ワインを集めた「ライラックワインガーデン2023」が始まりました。ライラックの甘やかな香りが漂う初日、さっそく会場を訪れ、ワインといっしょにチーズやお肉など北海道の味を楽しんできました。

出品200種類 品揃えは〝道内最大級〟

ワインガイドチームのリーダーを務める阿部真久さん

 会場には毎日、ワインガイドが常駐しています。まず最初に、ワインガイドチームリーダーを務めているNPO法人ワインクラスター北海道(小樽)代表理事の阿部真久さんに、ワインガーデンの魅力や楽しみ方を聞きました。

 ワインガーデンには、道内40のワイナリーやブドウを栽培する農園「ヴィンヤード」のワイン200種類が出品。「この品揃えは、ほかではまずありません」と阿部さんは言います。小規模なワイナリーもあり、数に制限があったり、販売日が限られたりするものもありますが、これだけのラインナップは道内最大級です。

 さらに、ワインガーデンは過去3年間、コロナ禍で中止され、4年ぶりの開催。阿部さんは「この4年間でワイナリーの数も、つくられているワインの種類も増えました」と説明します。十勝まきばの家ワイナリー(十勝管内池田町)やめむろワイナリー(同管内芽室町)、雪川醸造(上川管内東川町)、infeeld winery(北見市)などは、この4年の間にワインの製造を始め、今回初出品です。

 そんなワインをグラスで飲めるのも、ワインガーデンの大きな特長。近年急増する道産ワインが気になっているものの、「ボトル買いはちょっと勇気がいる」と思っている人も、気軽に試すことができます。

ライラックが咲く初夏の大通公園。阿部さんは「さわやかな空気の中で飲むワインは最高」と言う

 また、札幌の中心部の屋外で楽しむことができるのも魅力です。「東京など都心には、ビル前などにちょっとしたテラスのある店も多くありますが、暑すぎず、湿度も低いさわやかな空気の中、まちの中心部で飲むワインは最高ですよ」と、大通公園のロケーションも絶賛します。「厳しい冬を終え、コロナ禍も乗り越えたからこそ、開催できる喜びと躍動感を感じてほしいです」

食とのコラボ 意外な発見あるかも?

 食とのコラボレーションも楽しみです。道産チーズやチーズ料理と合わせるのはもちろん、和食や居酒屋メニューと相性が良いワインもたくさんあります。「山菜の天ぷらにはソービニヨンブランのワインが合うなど、意外な発見があります。

 

ワイナリー販売カウンターで自慢のワインを勧める生産者のみなさん

 それではさっそく、ワインを選びましょう。会場の6丁目に近い北側には、ワイナリー販売カウンターが設けられ、日替わりで各地のワイナリーやヴィンヤードの生産者が来場し、直接お話を聞きながらワイン選びができます。この日は、登醸造やじきの畑、長谷川ヴィンヤードなど後志管内余市町の生産者の方々が自慢のワインを手に並んでいました。

ワイン選び 生産者との対話も楽しく

モンガク谷ワイナリーの木原茂明さん.ワインのエチケットは娘さんが9歳の時に描いた絵をあしらった

 その中の1人、モンガク谷ワイナリーの木原茂明さんは首都圏の生まれ育ちで、北海道にあこがれて北大に進学。田舎暮らしを目指し、10年間商社に勤務した後、余市町に移住しました。当初は豚を放牧する循環型農業を目指しましたが、余市で出合ったワイナリーの関係者が語るブドウとワインの話に引き込まれ、2012年からブドウの栽培を始めました。15年から3年間は岩見沢市の10R(とあーる)ワイナリーに委託醸造し、18年からは自家醸造を始めました。

 木原さんのワインの特長は「ごちゃまぜワイン」と言われる「フィールドブレンド」です。一般的に流通しているワインは品種ごとに栽培、醸造してワインになったものをブレンドしますが、木原さんは生産しているフランス系のブドウのシャルドネやピノグリーン、ピノブランなど7品種を果汁の段階でブレンドします。家族みんなで味見をし、「ちょっと酸っぱい」「こっちの果汁を入れよう」と試行錯誤し、味を決めるそうです。実は品種ごとの製造は近代になってからで、昔はこうした手法が一般的だったといいます。

 年によっても味が異なり、製造年によって「楢」「栃」「栢」と木の名前がつけられています。ワインは札幌軟石の石倉で寝かせ、エチケットには今は大学生になった木原さんの娘さんが9歳の時に描いた絵をつかっています。絵本「モチモチの木」の神様のお祭りをイメージしたという幻想的なエチケットです。

 ワインは薄くオレンジ色がかり、ロゼワインのような色味。きりっとした辛口の白ワインですが、一緒に育ったいろいろな品種の味わいが混じり合い、溶け合っています。

ドキュメンタリー映画「モンガク谷の暮らし」のクラウドファンディングを呼び掛けるちらし

 木原さんを中心に、余市町登町の「モンガク谷」に新規就農した人々の暮らしを描いたドキュメンタリー映画「モンガク谷の暮らし」の制作に向けたクラウドファンディング(CF)が実施されています。札幌在住の映像作家SAHARAさんが4年間かけて地域に通い、古くからこの地に暮らす農業者と新規就農者が交流する様子、木原さん一家のワインづくりの歩み、持続可能な農業生産や暮らしを丁寧に実践している人々の姿を撮影しました。CFの目標は400万円で、5月20日まで。映画は来春完成予定とのことです。

 「下」では、ワインセットやおすすめのフードを紹介します。

▽会場/札幌市中央区大通西7丁目
▽営業時間/午前10時~午後9時(ラストオーダー午後8時30分)
▽営業日/5月28日まで
▽問い合わせ/運営本部090・9433・7090(21日まで)
       札幌観光協会011・281・6400(22日~28日)

道産ワイン リラの花と楽しもう〈下〉~札幌大通公園で5月28日まで「ガーデン」
小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

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