〈マチのこだわり味自慢〉「abba　cafe」＝室蘭市＊海の幸　カレーにゴロッと

　室蘭市海岸町に水産加工場とおしゃれな魚屋さん、カフェレストランが併設されたユニークな施設がある。水産加工品製造販売「ａｂｂａ（アバ）合同会社ひらつか漁業」が１５日にオープンさせたばかりだ。レストラン「ａｂｂａ（アバ）　ｃａｆｅ（カフェ）」の一押しメニューが、室蘭近海の魚介を使ったシーフードカレー（１２１０円）。

　カレーは同社が３年前から通信販売（９７２円）で扱っており、２０２１年度には室蘭市のふるさと納税の返礼品としても採用された自信商品だ。これを基本に、新たに店のメニューを作った。

　通販品と店で出すカレーとは若干内容は異なるが、ともに、食べやすいサイコロ大に切ったツブ、ホタテ、タコがたっぷり入っている。クミンやブラックペッパーなどのスパイスは同社スタッフがひいており、子どもや女性にも受け入れられるようにルーはココナツミルクをベースに食べやすくした。

　本場インドでカレー作りを学んだ専門家の助言を受け１年間研究して開発、口触りがまろやかで、風味も豊かだ。開店からまだ日が浅いが、店長も兼ねる同社代表の平塚和美さん（４６）は「シーフードカレーの評判は上々、店内は連日満員です」と喜ぶ。

　夫が漁師の平塚さんは、水揚げした海産物を有効活用するため、６次産業化に着目、１７年に同社を設立した。旬の魚数種類を刺し身や切り身、煮付けなどに加工し詰め合わせた「お魚定期便」（４３２０円）をネットで販売、注文が相次いでいる。同市絵鞆町の加工場が手狭になり、海岸町へ移転新築するのに合わせ「鮮魚も扱いたい」と販売所を構えることにし、コーディネーターの友人に促されてカフェも併設した。

　カウンターとテーブルで計１２席。壁とカウンターは特殊な左官仕上げで薄いグレーに統一し、おしゃれ感を演出した。店内から窓越しに室蘭港を望める。平塚さんは「港の景色も楽しみながら料理を味わって」と呼び掛けている。（室蘭報道部・広川春男）

(北海道新聞２０２３年６月２３日掲載)

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