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2023.07.12

まちなかの水族館 生命感じて 「AOAO SAPPORO」先行公開

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

アオアオサッポロのロゴマーク。三角と丸の中の白い小さな点は「生き物たちの生命の輝き」と「生き物たちを観察する眼」だそうです

自然環境再現 音と光と香りでリラックス

 札幌市中心部に7月20日にオープンする複合商業施設「moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)」内の水族館「AOAO SAPPORO(アオアオサッポロ)」が報道関係者に内部を先行公開しました。3フロアに250種、4千点の生物が展示され、生物たちの生態を見た目で楽しめるほか、音や光、香りなどを効果的に使い、五感で楽しめる仕掛けがあちこちにあります。

水草の光合成で小魚が暮らし、小魚のふんが水草の養分になっています

 エントランスは4階。まず、5階に上がってみます。暗闇の中、大型水槽4基が間隔を空けて展示されています。石や流木、水草などで生態系を再現した「ネイチャーアクアリウム」です。最も大きい幅7メートルの水槽は「風薫る石景」と名付けられ、小さな青い魚が泳いでいます。この小魚は水槽に入れられた水草が光合成をしてつくる酸素で生きており、小魚のふんは水草の養分になり、水槽の中で生態系が完結されています。水草がつくった酸素が気泡になって静かに水面に上っていくのも見えます。

睡蓮を池の底からの視点で眺めることができます
熱帯雨林の植栽を再現しています

 「光と睡蓮の庭」は池の水面に浮く睡蓮の葉を、池の底にいる視点で眺めることができます。「悠久の森」は水が入っておらず、熱帯雨林の植物を植栽し、霧を発生させたり、雨を降らせたりして、自然の様子を再現しています。このコーナーには、魚や水草の名前や説明は書いていません。幻想的な音楽と暗めのライティングで水槽が暗闇に浮かび上がるように見えます。座ることのできる場所もあり、アオアオの担当者は「頭で考えるより、環境の美しさや自然がどうつくられているかを感じてほしい」とします。アオアオの館内では3カ所でナチュラルアロマを放出しているそうです。水槽をぼんやり眺めながら、自然の香りに包まれ、リラックスできそうです。

「ぺったんこ」「にょろ」…。生き物の特徴観察して

「ライブラリーアクアリウム」のコーナー。中央の水槽がヘコアユ
えさを投入すると、水面近くに集まってくるヘコアユ

 「ライブラリーアクアリウム」では、体の見た目や特徴から「ぺったんこ」「にょろ」「もさもさ」「いろいろ」「いきている化石」の5つのテーマごとに、小さなものでは45センチ、大きなものでは7メートルの水槽43個が並んでいます。最も大きい幅7メートルの水槽には、「ぺったんこ」のヘコアユが入っていました。体長15センチほどの細い体で、頭を下に向けて縦に泳ぐ不思議な魚です。水槽全体に集団で縦縞模様をつくって泳いでいますが、日に何度かのえさの時間に水槽の上部からプランクトンを投入すると、磁石で引き寄せられたように、集まってきます。

「ぺったんこ」の魚
「にょろ」の魚

 展示の方法も工夫されていて、水生生物の特徴に合わせた小説や図鑑、写真集などの本を一緒に並べています。例えば「にょろ」のコーナーにいたクモヒトデの仲間の横には、絵本「クモの網」、「もさもさ」のコーナーにいたイソギンチャクの横には「毒生物の名前」、ウミシダの仲間の横には図鑑「北海道のシダ植物」、「いろいろ」のコーナーにいた色とりどりのハゼの横には「世界の民族衣装図鑑」といった具合です。

 水槽の間にはブックラックやベンチが随所に置かれ、生物たちを見ながら、図書館にいるように本を読むこともできます。

サッポロカイギュウの復元骨格標本
「いきている化石」のオオサンショウウオ

 「ライブラリーアクアリウム」の最後には、全長約7メートルのサッポロカイギュウの復元骨格標本が出迎えます。札幌市博物館活動センターと連携し、センター所有の標本を借り受けています。サッポロカイギュウは世界最古の大型海牛で、約820万年前、海だった札幌周辺で暮らしていたとされています。

陸上ピョンピョン、水中スイスイ キタイワトビペンギン

陸場で休憩するキタイワトビペンギン。六角のブロックで陸場の形を変えることができます

 6階には、ペンギンもいます。陸上では両足で跳びはねて移動するキタイワトビペンギンは、体長約55~65センチで、頭に黄色い飾り羽があるのが特徴です。陸場部分は六角形のブロックを組み合わせてつくってあり、ブロックを組み替えることで陸場の形を変えることができ、ペンギンたちも環境が変わることで飽きずに過ごすことができるそうです。陸場部分はおりや柵など目をさえぎるものがなく、びっくりするくらい近くでペンギンを見ることができます。

空を飛ぶように泳ぐペンギンたち
ぷかぷかと浮かびながら寄ってくるペンギン

 水槽の横から、泳ぐペンギンたちを観察することもできます。陸上ではピョンピョンと跳ねていたキタイワトビペンギンたちは、水中では羽を広げて素早く泳ぎ、まるで空を飛んでいるかのようです。やっぱり鳥の仲間だと実感します。ぷかぷか浮かびながら水槽ごしに見ている人間のところに寄ってきて、まるであいさつをしているようなペンギンたちもいました。

フェアリーペンギンが展示されている「グリーンルーム」には熱帯の植物が植えられています

 もう1種類、世界最小のペンギン「フェアリーペンギン」は、熱帯の植物20種類を植栽した「グリーンルーム」で展示されています。詳細は以前に公開した記事をご覧ください。

世界最小フェアリーペンギン道内初公開 「AOAO SAPPORO」 一般お披露目は7月20日から
スクリーンにデジタル映像が映し出される幻想的な「ブルールーム」

 空間全体が青いライトで彩られた「ブルールーム」もあります。幅約20メートルの巨大スクリーンに、青く美しい海の中の世界を光と音で再現し、知床の海に生きるシャチやマッコウクジラなどが映し出されます。人の動きを察知して、動物たちが近づいてくることもあります。室内には座るのにちょうどいい台も設置され、長い時間ぼんやりと海の中の世界を堪能するのも良さそうです。

パンとお酒 水槽見ながら楽しんで シロクマベーカリー&

パンやドリンクを楽しめる「シロクマベーカリー&」
道産小麦を使ったクロワッサンやサンド

 飲食施設としては、「シロクマベーカリー&」が入っています。道産小麦を使ったパンが人気の「シロクマベーカリー」が運営するパンとお酒を楽しめるバルです。プレーンのクロワッサンのほか、チョコミントをかけたクロワッサン、青のりとホッケフライをはさんだクロワッサンサンドなどのほか、ビールやハイボール、ワインなどのアルコールも楽しめます。シャルキュトリー盛り合わせやチーズなどおつまみも販売。ドリンクもフードもすべて、館内どこでも飲食できます。館内にはベンチなど座ることのできる場所がたくさんあるので、ワインやコーヒー片手に、ペンギンや魚を見ながらのんびりと過ごすことができます。

人工海水を貯めておくタンク
塩を入れて人工海水を作ります

 エントランスのある4階に戻ります。アオアオは、水族館では通常見られないバックヤードの様子を見られるのも特徴です。飼育員さんたちがえさの準備をしたり、水草などを育てたりする様子もガラス越しに見ることができます。札幌市中心部にあるアオアオでは、海水は塩と水で作っており、海水を作る様子も公開しています。3トンの大きなタンク2基が備え付けられ、1基に塩約100キロを入れて、人工海水をつくります。

ペンギンのぬいぐるみなどのオリジナルグッズ
地元アーティストとコラボしたTシャツやトートバッグ

 売店には、オリジナルのグッズもたくさんあります。キタイワトビペンギンやフェアリーペンギンのぬいぐるみのほか、イワトビペンギンの陸場をつくる六角形のブロックを模したクッキーなどもあります。意外にかわいらしいのが、「ぺったんこ」のコーナーにいた細長く平べったいヘコアユのポーチ。人気が出るかもしれません。このほか、札幌在住のアーティスト3人とコラボしたTシャツやトートバッグ、キーホルダーなど、オープンまでさらに商品が増えそうとのことです。

親子連れにうれしいベビールーム
コワーキングスペースも備えています

 館内には充実したベビールームもあります。個室の授乳スペースが3室、おむつ替え用のベビーベッドも3台。絵本も備え付けてあり、子どもがはいはいしながら遊べるスペースもあります。

 テーブルと椅子を備え付けたコワーキングスペースもあり、休憩したり食事をとったりするほか、水族館を見る合間にちょっとメールをチェックすることもできそうです。

住所/札幌市中央区南2西3-20 moyuk SAPPORO 4~6階
営業時間/午前10時~午後10時
休館日/年中無休
入場料/高校生以上2200円、小中学生1100円、3歳以上の幼児200円
札幌・狸小路の新ランドマーク 食やお酒も魅力的 「moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)」7/20オープン
小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

トリップイート北海道

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