北海道 食と観光のWEBメディア

Language

Language

北海道観光情報サイトトリップイート北海道

テーマから探す

キーワードから探す

2023.08.25

〈PR〉JRで道北ぶらり旅 ズウさんが誘う鉄道沿線の旅~幌延&比布のまちを歩く<宗谷本線編>

Tripeat編集部
Tripeat編集部

 鉄道沿線のまちの魅力を、温かなタッチのイラストと飾らない文章で表現している、「ズウさん」こと、道中作文画家の渡辺俊博さん(札幌市在住)。JR北海道の車内誌で長年連載コラムを担当してきたズウさんが描いたイラストとコラムによる「旅の風景」とともに、道北のJ R 沿線にあるマチの魅力を紹介していきます。今回のテーマは「宗谷本線」です。

相棒はサンタクロース<幌延の巻>

 山頭火の句に「うしろすがたのしぐれていくか」というのがある。どことなく寂しくなるが、道北の幌延町もきょうは時雨だった(雨男で)。それでも、街の菓子店に時雨饅頭なんぞあると好いんだが。

風の音に 汽笛が恋しい。

 酪農業が盛んな町で、珍しいトナカイ牧場がある。JR宗谷本線が走り有人駅の幌延、無人駅の問寒別(難読名で)、糠南、雄信内(難読名で)、安牛、南幌延、上幌延、下沼がある。で、 鉄道好きの諸氏は、これらの無人駅を“秘境駅めぐり”として楽しんでいるそうだ。トナカイを、と思ったがその前に面白そうなので駅巡りをした。各駅舎は車掌車を改装したものが多いが、雄信内駅は年季の入った木造駅で好い。ホームになつかしい木の電信柱が立つ。頬を撫でる風が枯葉を運んでいく。ぼんやりと線路の先を見ていたら、 中原中也の詩の一節、「思えば遠くに来たもんだ 此の先まだまだ・・・・・・」が口からでた。

 トナカイ観光牧場に行ってみた。売店でエサを買い場内に入る。サンタクロースのソリを曳いて留守かと思ったら十頭余りがいた。フィンランド生まれで鹿と違い牡牝にツノがある。漢字で馴鹿と書く。柵に近づくとのっそりとやって来た。鼻先をだしヌルッとしたロでエサをパクリ。子どもにやりたいのに 大きなやつがエサを横取りする。でも、クリスマスプレゼントに素敵な物を頂戴ね、と頭をなでた。ぼくの手は彼らの唾液でベッタベタに。

 傍らで作業している男性に、
「あの小さいのは大人かい(オト ナカイ)?」と、指さすと、
「ありゃあ、まだコッコ(子ども) だなあ」といった。
できれば「コトナカイ」といって欲しかったが…。

 歌に登場する「赤鼻のトナカ イ」はいなかったな。雨がまた落ちてきたので管理棟に戻った。トナカイ君には済まないが、一度肉をたべてみたいと思っていた。残念ながらここのレスト ランのメニュウにはなかった。

習字の筆は トナカイの毛かな

 街をぶらりして食堂の菜味季に立寄った。なんとトナカイ丼というのがあった。嬉しくなってさっそく注文した。見た目は親子丼である。はたして初めてたべる味は?器を持ってワサワサとたべた。親子丼の鶏肉をトナ カイ肉にした感じでクジラの大和煮のような味がした。

 満腹で「心象館」を見学した。地元出身の書家金田心象氏の書道美術館である。書作品を観てまわると、紙からはみだした文字や絵に観えるような面白いものもある。馴鹿はなかった。薄墨で力強く書かれた「荘厳」という書に心が吸い込まれるような気がした。

 子どものころぼくは習字を習っていた。思いっきり半紙からはみだして書くと、先生に「元 気があって好いぞ」といわれて喜んでいた。が、「書道は墨を磨るところから始まってるんだ」ともいう。どうも手がだる くなってつまらない。友だちとこっそりと墨汁を足してズルをしていたっけ。どうやら、字はあまり上手くならんかったが、手と顔だけは墨で汚していた。

 「墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たす」なんて、難しいこともいっていたな。

 喫茶コーナーでコーヒーを飲み書の心と趣を噛み締めた。いや、飲み締めかな。で、外にでると西の空に虹がでていた。

「ズウさんのより道まわり道 幌延町の巻」
( J R北海道車内誌 2016年 12月号より)

ぱぴぷぺぴっぷを歩いてみれば<比布町の巻> 

 「あちゃつ、失敗こいた!」
 JR宗谷本線・比布駅のホームでカメラの電池切れに気がついた。こりゃあ写真が撮れん。近くにカメラ屋があるかなあ、と駅舎内のカフェで電池を売っていそうな店を訊いてみた。最近町に住み始めたという彼女は、「たぶん駅前通りのスーパーか、その先のコンビニかなあ…」と不安気にいう。で、そのスー パーで売っていたので安心。こんな失敗も旅の思いでに。

駅の新旧 旧の勝ちかな

 駅に戻った。無人駅だが三月に建て直されたばかりの新築で、 すっきりして気持好いが、ぼくはピンク色の旧駅舎が見たかった。でも、古びた跨線橋は昔のままなので、時の流れを忘れたような気がして好い。じんわりと年季を感じる跨線橋を眺めながらカフェでコーヒーをすすり、あんぱんをたべていたら、二輌編成のディーゼルカーが入って来た。ふらりとこれに乗ってどこかに行くのも好いかなあ。

 駅周辺には赤レンガ倉庫や石蔵商店が並ぶ。人通りは少ない が古い建物好きのぼくは、街を歩くだけでも楽しい。洋品店の 隣が呉服店というのも面白い。 見晴しの好い所から雪の残る大雪の山山がかすみ、広がる田んぼが見えた。

 道中の安全をと比布神社に参拝した。境内をぐるりと廻ると“大雪夫婦道祖神があった。大きな石に男神女神の寄り添う姿が彫られ、夫婦信愛や家内和合などの神という。時代劇で街道沿いに置かれるのを見たことはあるが、一度本物を見たいと思っていたので感動した。ただ想像していた物よりかなり大きかった。で、この先末永い夫婦円満を願って念入りに合掌。

こころが和む なつかしさ

 町の指定文化財である旧鈴木邸を見学した(教育委員会に 事前連絡が必要)。二階建ての洋風棟と平屋の和風棟が合わさる和洋折衷様式である。昭和三年築で和室の障子や襖、欄間は昭和のなつかしさが渋く染みついていて嬉しい。特に欄間彫刻の細かい出来栄えには目を見張る。ふと、縁側で猫のように日向ぼっこをしたい気になった。

 昼食はレストランの紙風船に行きポークカツレツをたべた。デミグラソースがかかり、たまげるほどのボリュームがあり、ムギューッと満腹。

 紙風船といえば、映画「人情 紙風船」(一九三七年/山中貞雄監督)を思いだす。江戸深川の棟割長屋に住む雑多な人たちと紙風船の内職をする浪人夫婦の物語。雨の降る場面と紙風船が寂しく転がる場面は忘れられない。あと五回は観たいなあ。

 もう一つ紙風船の思いでは、 子どものころ、越中富山の薬屋さんがくれた四角い紙風船である。遊んでいて破けると泣いちゃったな。ぼくはこの貴重な紙風船を今でも持っている。それも未使用である。こりゃあ、オタカラでしょうな?

 町に公衆浴場があることを知り夕方に行った。入浴料二一〇円とは安い。なんてことのない風呂だが土地の人と一緒につかっていると旅ゴコロをしみじみと感じる。太めのオヤジさんが手拭で体をゴッシゴシと強く洗っている。いつかテレビの健康番組で、あまり強く洗うと皮膚を傷めてしまいアカン、とかいっていた。思わず オヤジさんに教えたくなった。

「ズウさんのより道まわり道 比布町の巻」
( J R北海道車内誌 2016年 6月号より)

 ♢ ♢ ♢

渡辺俊博(わたなべ・としひろ)…1948年夕張市生まれ。「ズウさん」の愛称で知られ、JR北海道の車内誌に長年、イラスト付き旅日記「ズウさんのより道まわり道」を連載。北海道内各地の風景とその土地の食べ物を中心に、ぬくもりを感じる独特のタッチの絵で表現。垂れ目と口ひげの顔はおなじみ。

♢ ♢ ♢

〈PR〉JRで道北ぶらり旅 ズウさんが誘う鉄道の旅~丸瀬布&北見の湯を楽しむ<石北本線編>

宗谷本線…広大な自然が魅力!日本最北の路線 まちの魅力と楽しみ方をご提案

 稚内市から旭川市までの4市7町1村を結ぶ259.4㎞の路線。地方路線では、日本最長。石狩川に続く、全長256㎞を誇る天塩川の畔や、利尻富士を眺めながら走行。乳牛が牧草を食む牧歌的な風景が広がる、まさに北海道らしい眺めを楽しめます。宗谷本線の沿線自治体がおすすめする、イベントやイチ押しの風景、スポットをご紹介します。

’20年 JR宗谷本線フォトコンテスト 秋部門 最優秀賞 「茜空とサロベツ」 撮影者 鏡山樹さん

◆稚内市◆
第4回ONSEN・ガストロノミーウォーキングin日本のてっぺん稚内」(イベント)
 「めぐる・たべる・つかる」をテーマに、稚内市内を歩きながら、食べて飲んで最後に温泉に浸かるイベントです。

日時:2023年9月23日(土)
場所:稚内市中央3丁目6番1号キタカラ(集合場所)
参加費:3,500円(大人・子供同額)。参加費に含まれるもの:ガストロノミー(お食事・飲み物)・温泉入浴券・傷害保険
アクセス:JR稚内駅と同じ施設内
主催:わっかない観光活性化促進協議会
問い合わせ先:0162・24・1216(稚内観光協会)
関連リンク:【公式】ガストロノミーツーリズム

◆豊富町◆
「豊富温泉」(温泉)
 最北の温泉郷「豊富温泉」は、温泉療法医が選ぶ「日本の名湯百選」に認定されている温泉の町。豊富温泉は石油分が含まれており、世界には二つ、日本にはただ一つともいわれるほど希少な温泉です。

アクセス:JR豊富駅から沿岸バスで約10分乗車し、豊富温泉バス停で下車。
問い合わせ先:0162・82・1728(豊富町観光協会)

◆幌延町◆
「トナカイホワイトフェスタ」(イベント)
 冬のトナカイ観光牧場で行うお祭り。トナカイソリやスノーモービルによるバナナボートが無料で楽しめます。

日時:2023年12月24日(日)=予定
場所:幌延町字北進398番地(幌延町トナカイ観光牧場内)
アクセス:JR幌延駅前からタクシーで約5分
主催:幌延町、株式会社幌延町トナカイ観光牧場
問い合わせ先:01632・5・1114(幌延町役場企画政策課企画政策グループ)

◆中川町◆
「なかがわ秋味まつり」(イベント)
 町の中心を流れる天塩川の河川敷を会場に、地元産のそば粉を使用した手打ちそば、地元野菜の詰め放題やサケのつかみ取りなど、とれたての旬の味覚を味わいながら、爽やかな秋の到来を満喫できるイベントです。

日時:2023年9月17日(日)9:00~16:00
場所:天塩川河川敷イベント広場(中川郡中川町字誉 国道40号沿い)
主催:秋味まつり実行委員会
問い合わせ先:01656・7・2816(中川町役場産業振興課)

◆音威子府村◆
「エコミュージアムおさしまセンター」(スポット)
 彫刻家・砂澤ビッキが活動拠点としていた旧・筬島小学校を改修した施設。ビッキが生涯に渡り制作した約1000点の作品のうち、およそ200点余りを鑑賞できます。

場所:音威子府村字物満内55番地(地域名:筬島)
開館時期:毎年4月26日~10月31日(9:30~16:30)
休館日:毎週月曜日(祝日時は翌日)※冬季間休館
入館料:大人300円(中学生以下、音威子府村民は無料)
問い合わせ先:01656・5・3980(エコミュージアムおさしまセンター)
 ※冬季のお問い合わせは音威子府村役場(01656・5・3311)へ
アクセス:①JR筬島駅より徒歩1分(※特急通過駅です)②JR音威子府駅よりタクシー8分(※要予約)

◆美深町◆
「美深ふるさと秋まつり」(イベント)
 美深の秋の大収穫祭。美深牛の炭火焼き、いもや南瓜など、美深の秋の味覚がいっぱいです。

日時:2023年9月2日(土)11:00~14:00
場所:美深町民体育館よこイベント広場(美深町西1条北1丁目)
主催:美深町観光協会
アクセス:JR美深駅から徒歩7分
お問い合わせ先:01656・9・2470(美深町観光協会)
関連リンク:美深町観光協会

◆名寄市◆
「SURVIVAL GAMES in NAYORO 2023(サバイバルゲーム イン 名寄 2023)」(イベント)
 名寄市にあるサバイバルゲーム専用の屋外常設フィールドで、9月2日にナイトゲーム、3日にデーゲームを開催。3日には、子供も参加できる赤外線コーナーやSHOPFOODブースが設けられ、大人気サバゲーYouTuber「ゾンビ晒すマン」が参戦します。
※サバイバルゲーム(通称・サバゲ―)とは、BB弾を発射するエアソフトガンを用いるレジャー。

日時:2023年9月2日(土)、3日(日)
場所:名寄サバゲーフィールド(名寄ピヤシリスキー場 駐車場 特設会場) 
主催:NPO法人 なよろ観光まちづくり協会
アクセス:JR名寄駅前から名士バスで約30分乗車し「ピヤシリスキー場」下車
問い合わせ先:01654・9・6711(なよろ観光街づくり会社 9:00~17:00)

◆士別市◆
「羊と雲の丘」(スポット)
 羊を見たり、レストランで食事や工房で体験ができるなど、羊のまち士別を楽しむことができます。

場所:士別市西士別町5351
アクセス:デマンド型乗り合いタクシー「さほっちタクシー」(士別駅~羊と雲の丘 連絡タクシー)で事前予約すると乗車料金が500円に。1日6往復の運行
※予約・詳細は士別ハイヤー(0165・23・5000)または士別ハイヤーHPのさほっちタクシー

◆和寒町◆
「第26回全日本玉入れ選手権」(イベント)
 玉入れの聖地・和寒町で開催。全国各地から集結する選手たちにより、熱い闘いが繰り広げられます。

日時:2023年9月3日(日)
場所:和寒町総合体育館(和寒町三笠103)
主催:全日本玉入れ協会(AJTA)
アクセス:JR和寒駅から徒歩15分
問い合わせ先:0165・32・2341(全日本玉入れ協会事務局・和寒町観光協会内)

◆剣淵町◆
「第33回けんぶち絵本の里大賞」(イベント)
 来館者が審査員となり会場に並んだ256作品の中からお気に入りの絵本を見つけて投票するイベントです。投票に参加いただいた方の中から抽選で50名様に大賞の絵本がプレゼントされます!

投票期間 :8月1日(火)~9月30日(土)
投票資格: 絵本の館に来館された全員。 ただし投票はお1人1日1回。大賞は投票結果が出次第、新聞にて発表。
場所:剣淵町絵本の館(剣淵町緑町15番3号)
問い合わせ先:0165・34・2624(剣淵町絵本の館)

◆比布町◆
「ぴっぷ駅マルシェ」
(イベント)
 比布駅前広場を使用したマルシェスタイルのイベント。飲食・体験・物販などのほか、ステージイベントも行います。

日時:2023年9月17日(日)
場所:JR比布駅前広場周辺(比布町西町2丁目6番1号)
主催:ぴっぷ駅マルシェ実行委員会
問い合わせ先:0166・85・4806(ぴっぷ駅マルシェ実行委員会事務局・比布町役場商工観光課観光係)

〈PR〉JRで道北ぶらり旅 ズウさんが誘う鉄道沿線の旅~旭川&富良野&美瑛を味わう<富良野線編>
Tripeat編集部
Tripeat編集部

トリップイート北海道

北海道新聞社が運営する、食と観光に特化したWEBメディアです。 北海道には、四季折々の美しい自然と多彩なアクティビティー、新鮮な食材、地域自慢の料理と酒があります。そんな魅力たっぷりな北海道の楽しくて、おいしくて、なるほど!な情報を、担い手たちの情熱と共に発信します。

当サイトを英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語に翻訳することができます(一部のリンク先ページを除く)。翻訳は機械的に行われるため正確に翻訳されない場合があります。十分ご理解のうえご利用ください。

お問合わせ

株式会社 北海道新聞社
〒060-8711 北海道札幌市中央区大通西3-6

食と観光

PAGETOP