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2023.09.04

ビールのまちさっぽろの魅力再発見「ビールと歴史・文化を味わう観光馬車」 9/7から運行

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

ビールゆかりの地を馬車で巡ります

 日本のビール発祥の地、創成川イーストエリアのビールゆかりの場所を見学しながら、馬車でビールを飲み歩くツアー「ビールと歴史・文化を味わう観光馬車」が9月7日(木)から、始まります。10 月26日(木)までの毎週木曜日にばん馬「だいちゃん」がひく馬車が札幌の中心部にあるビールゆかりの場所を巡り、札幌のビールの魅力を伝えます。

ビール博物館見学後、1杯目の「直送」を試飲

ビールと札幌の歴史を学ぶことのできる「サッポロビール博物館」

 ツアーは札幌市東区北7東9のサッポロガーデンパーク内、サッポロビール博物館からスタートします。まずは、博物館の見学です。博物館の栗原史館長が直々にガイドしてくれます。

ビールの仕込みの際に麦汁を煮沸する「煮沸釜」

 エレベーターで3階に上がると、大きな金色の釜が見えます。ビールの仕込みの際に麦汁を煮沸する煮沸釜(ウォルトパン)で、1965年のサッポロビール札幌工場創業当初から2003年まで、実際に使われていたものです。直径は6.1メートル、釜部分の高さは6.5メートルあり、3階からスロープを下りながら、見ることができます。麦汁を煮沸する工程は味や香りに大きな影響を及ぼし、麦汁にホップを加えてさらに煮ることでビール独特の苦みと香りがつきます。

札幌の開拓とビール醸造の歴史を紹介する展示コーナー

 展示コーナーは開拓使の設置から、醸造所の建設、ビールの製造と出荷、ビールの原料へのこだわりなど12のテーマについて、映像やパネル、写真、ビールのびんなどの資料とともに、解説されています。開拓使が北海道の気候や地勢などに合わせ、缶詰や石炭、鱈肝油などさまざまな工場の運営や新産業に乗り出し、ビール醸造もその一環で始められました。製造開始当初は、小樽から函館を経由して船便でビールを出荷しており、びんの中でビールの発酵が進むため、氷で冷やしながら運んだことや、ビールの大びん1本がかけそば20杯分に当たる高級な飲み物だったことなどが分かります。

美人画が描かれたサッポロビールの広告

 展示室「サッポロギャラリー」にはこのほか、発売当初からのサッポロビールのラベルや美人画を使った広告なども展示されています。

階段を降りていくと、1杯目のビールです
ビールを試飲できるスターホール

 博物館の見学を終えたら、サッポロビールの星のマークに導かれ、1階に降ります。開拓使時代の雰囲気を感じられる「スターホール」です。サッポロビール北海道工場や札幌開拓使麦酒醸造所から直送されるおいしいビールを飲むことができます。

グラスを注ぎ口から離して勢いよく注ぎます
注ぎ口にグラスを近づけ、ビールをゆっくり満たします

 さあ、ツアー1杯目のビールです。係の方がサーバーの注ぎ口から20~30センチ離したところにグラスを構え、勢いよく注ぎます。すばやくグラスを注ぎ口に近づけ、あっというまにきめ細かな泡をたたえた1杯が完成します。

「サッポロ生ビール黒ラベル」(右)と「復刻札幌製麦酒」

 サッポロビールのフラッグシップともいえる「サッポロ生ビール黒ラベル」と明治時代の製法を再現して醸造した「復刻札幌製麦酒」が1杯ずつ、提供されます。余裕があれば、北海道限定のサッポロクラシック(400円)や開拓使麦酒ピルスナー(450円)、3種飲み比べセット(千円)もありますよ。

麦芽入りカマンベールチーズケーキ
クラシックのゼリーが入ったチョコレート

 併設されたミュージアムショップでは、びん入りの開拓使ビールやオリジナルのグラスやステッカーなどのグッズが販売されています。麦芽入りカマンベールチーズケーキやサッポロクラシック風味のゼリーの入ったチョコレートなど、限定販売のお菓子もあります。

馬車に揺られて「サッポロファクトリー」へ

ばん馬の「だいちゃん」がひく馬車

 試飲を終えたら、次の目的地に向け出発です。博物館から100メートルほど離れたタクシー乗り場で馬車が待っています。馬車をひくのはばん馬の「キタノダイナミック」、通称「だいちゃん」。8歳の雄です。昨年11月から馬車をひく練習をし、今年6月から観光客や市民を乗せ、サッポロファクトリー発着のコースを歩いています。今回のツアーは、専用の特別コースで、だいちゃんも道を覚えるために練習してきました。

博物館を出発、サッポロファクトリーに向かいます

 さあ出発です。博物館の前を通り、公道に出ます。横を車が走ったり、道路工事のため大きな音を出している重機があったりしますが、訓練されているので、だいちゃんは動じません。御者の石川洋一さんの手綱さばきで、スムーズに馬車をひいていきます。馬車の揺れもほとんどなく、快適です。

しっぽフリフリのだいちゃんのお尻

 リズミカルに揺れるだいちゃんのかわいらしいお尻としっぽを見ながら、のんびり進みます。公道を走っていると、学校帰りの子どもたちが「あ、馬だ」とはしゃいで付いてきたり、手を振ったりしてくれます。信号待ちの人も、珍しそうにスマホのカメラを向けてきます。

お土産のサッポロクラシック2缶と「缶つま」ラム肉ジンギスカン風

 実はツアーにはお土産が付いています。缶のサッポロクラシック2本と「缶つま」です。冷え冷えの缶ビールを博物館で積み込むので、次の目的地、サッポロファクトリーまでの35分間に、馬車に揺られながら1本空けてしまってもOKです。「缶つま」はサッポロビール園が監修した「ラム肉ジンギスカン風」で、北海道限定販売です。

札幌開拓使麦酒醸造所の見学館
だいちゃんはちょっと休憩。もぐもぐタイム

 ファクトリーに到着です。ここでだいちゃんはちょっと休憩。もぐもぐタイムのだいちゃんを残し、ファクトリー内の「札幌開拓使麦酒醸造所」の見学館に向かいます。

麦芽の香りがただよい、仕込み槽などが並ぶ見学館
歴史を伝えるパネルなども展示されています

 見学館の中は、麦芽のいい香りがただよっています。ビールの仕込槽や煮沸釜、ろ過槽、沈殿槽などが並んでいます。日本のビールづくりの歩みを紹介するパネルや写真、資料も展示されています。

フライドポテトをつまみに「ちょい飲み」

2つ目のビールポイント「アウトドアカフェミールラウンジ」

 見学の後は次のビールポイントです。ファクトリーアトリウム1階の「アウトドアカフェ ミールラウンジ」に向かいます。ナチュラルなウッドデッキと赤いパラソルが目印です。

ツアー限定の「ちょい飲みセット」

 ここでは、サッポロクラシック1杯とつまみにフライドポテトが味わえるツアー参加者限定の「ちょい飲みセット」がいただけます。フライドポテトは甘さが自慢の「インカのめざめ」とホクホクとした食感が特徴の「きたあかり」の2種類。スイートチリソースとサワークリームが添えられており、そのままジャガイモの味を楽しんだ後、「味変」もできます。

赤レンガ倉庫の前を進む馬車
創成川を渡り、西側の札幌中心部も周回して二条市場に向かいます

 休憩をとっただいちゃんに、また頑張ってもらって次の目的地の二条市場に移動します。サッポロビールの赤レンガ倉庫や旧永山邸の前を進む馬車の姿は、なかなか風情があります。ツアーには、札幌の中心部や創成川イースト地区の歴史や街並みについて詳しいガイドが同行します。ファクトリーから二条市場までは約45分ですが、カッポカッポというだいちゃんの蹄鉄の音を聞きながら、開拓の歴史や昔の街並みの話を聞いていると、飽きません。ここでもう1本のお土産ビールを空けてもいいですが、トイレがないので要注意です。

限定セットでクラフトビール飲み比べ

二条市場近くの「月と太陽BREWING」

 二条市場に到着です。ここでだいちゃんとはお別れ。次のビールポイント、市場近くの「月と太陽BREWING」です。この店は2014年12月にビアバーとしてオープン、翌15年2月からは札幌市内の自社ブルワリーで醸造したクラフトビールを提供しています。

ツアー限定の「飲み比べセット」

 「月と太陽」では、このツアー限定の「飲み比べセット」を用意しています。自社ブルワリーのビールをはじめ、常時10種類のクラフトビールを置いています。その中から、好みの3種類を100ミリリットルずつ、試飲できます。また、ツアーはここで終わりなので、ほかに気になるビールやフードがあれば、個別に注文することもできます。

 ♢ ♢ ♢

 ツアーは9月7日から10月26日までの毎週木曜日(9月28日を除く)、午後1時15分にスタート。サッポロビール博物館とサッポロファクトリーを巡るお土産付きの「Aプラン」は1人5千円、午後4時20分にサッポロファクトリー西広場に集合し、「月と太陽BREWING」に行く「Bプラン」(お土産なし)は1人3千円。すべてを回る「A+Bセット半日プラン」(お土産付き)は1人7千円です。

 また、ホテル宿泊付きのセットプランもあります。セットプランのあるホテルは次の通りです(プラン内容のページへ移動します)
▽ANAクラウンプラザホテル
フェアフィールド・バイ・マリオット札幌
ホテルモントレエーデルホフ札幌
ニューオータニイン札幌

 創成イースト街めぐりのサイトからも各プランへの申し込みが可能です。

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

トリップイート北海道

北海道新聞社が運営する、食と観光に特化したWEBメディアです。 北海道には、四季折々の美しい自然と多彩なアクティビティー、新鮮な食材、地域自慢の料理と酒があります。そんな魅力たっぷりな北海道の楽しくて、おいしくて、なるほど!な情報を、担い手たちの情熱と共に発信します。

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