【蘭越、岩内】岩内町のクラフトビール醸造所「イワナイブルワリー&ホテル」は、蘭越町産のメロンとシラカバ樹液を使ったクラフトビールを発売した。地元農産物のPRに加え、規格外品の活用でフードロス(食品廃棄)削減を狙う。
蘭越町内で採取したシラカバ樹液を使った化粧品ブランドを展開する時田工業(札幌)の時田正宏さん(43)と共に今年3月、樹液ビールを開発。それに続いて今回は、時田さんの知人で町共栄の農業田村陽子さん(54)が、規格外で出荷できずにいた赤肉メロン「ルピアレッド」約30キロを提供、シラカバ樹液も使ったビール開発に着手した。
商品名は「メロンシェイク」。乳糖(ラクトース)を原料とし、メロンの甘さを際立たせたという。樹液を加えて滑らかな口当たりに仕上げた。
同醸造所はこれまでも、廃棄予定の農産物を生かそうと、共和町特産の「らいでんスイカ」を使ったクラフトビールを売り出すなど地域の生産者と連携している。醸造担当の田中康太さん(37)は「こんなにおいしいメロンの行き場がないのはもったいない。生産者が丹精込めて作った物を余すところなく使いたい」、田村さんは「大切に育てたメロンを救ってもらえてうれしい」と話す。
1本330ミリリットル入り790円。アルコール度数は6%。限定約700本を製造し、同醸造所や蘭越町内の「街の茶屋」などで販売している。 (加藤遥花)
(北海道新聞2023年10月13日掲載)