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2023.10.31

この空間がたまらない~小樽花園宵街めぐり~②居心地の良いお店6選

Tripeat編集部
Tripeat編集部

 小樽の夜を楽しみたいなら、なんといっても花園エリア。観光名所でもある「寿司屋通り」から一本入ると、そこかしこに細い路地や小路があり、個性豊かな居酒屋やスナック、バーが軒を連ねています。港町・小樽らしく、どこかレトロな昭和の雰囲気漂う花園エリアで、ちょっと一杯飲みませんか。今回の「小樽花園宵街めぐり」は、店内に懐かしさが漂い、つい長居してしまいそうな居心地の良いお店を探してみました。6軒のお店をご紹介します。

店の奥には「裕次郎」 「トロイカ鍋」体ポカポカ
 <北海道料理 かすべ>

 店内に足を踏み入れた途端、なんとも懐かしい気持ちにさせられるのが、創業53年の「北海道料理 かすべ」です。小樽を代表する魚・ハッカクや店名にもなっている魚・カスベが天井から吊るされていたり、薪ストーブや昔のニシン漁で使われていた道具のひとつ「モッコ」も置かれていたりと、料理を待っている時間も飽きません。

 さらに、店の奥には昭和の大スター石原裕次郎のミニギャラリーも。なんと、店の創業者である故・森田章三さんは、小樽市立稲穂小学校で石原裕次郎さんと同級生だったそう。そのよしみで、裕次郎さんはもちろん、石原軍団など関係者も多く訪れており、森田さんの集めたものと共に飾っているんです。

ファンにはたまらない「石原裕次郎ミニギャラリー」。店内のBGMも裕次郎の曲というこだわりです

 一番人気は、創業時からの変わらぬ味であり、名物の「トロイカ鍋」。鶏と野菜を2日間煮込んだスープに、ホタテ、海老、白菜、タケノコが入っており、卵を混ぜてからいただきます。体に染みるような優しい甘さのスープを飲み干したころには、体はポカポカに。

2人前と3人前を選べる「トロイカ鍋」。創業者の森田さんが、昔「トロイカ」というロシア料理の店をやっていたことから、メニュー名となりました

 また、現在店を切り盛りしている3代目の鈴木浩子さんは、以前、東京・銀座でワインバーを営んでおり、そこで人気だった「十勝牛スジカレー」がかすべでも食べられるんです。浩子さんの優しい笑顔と昭和の風情漂う素敵な空間で癒されながら、名物料理の数々をお楽しみください。

「赤ちゃんがいらしたら小あがりを勧めています」と浩子さん。お子さんからご年配の方まで、三世代で来てくれるお客さんもいらっしゃるそうです
住所/小樽市花園1丁目8-20
電話/0134・22・1554
営業時間/午後5時~10時
定休日/木曜日
港町・小樽の小路をそぞろ歩き、飲み歩き~「小樽花園宵街めぐり」のお店を楽しむ~スタンプラリー12/31まで

和洋折衷のレトロな店内 洋食や地元のお酒を堪能
 <魁陽亭 越治>


 寿司屋通りから花園銀座商店街へ曲がる角地にある「魁陽亭 越治(かいようてい こしじ)」。昭和の初め、この場所には小樽ゆかりの作家・小林多喜二や伊藤整が文学仲間との会合で使っていた「喫茶 越治」がありました。そんな歴史や文化を感じられる場所として、2020年2月にオープンしたのが、こちらの文学カフェ「魁陽亭 越治」です。
 建物の入り口から2階に上がり店内に入ると、レトロかつ和洋折衷な雰囲気にうっとり。洋室の「文学の杜」や個室の和室「越治」、「魁陽」など、大正浪漫なインテリアが楽しめます。

(左)和洋折衷のインテリアが素敵な店内。こちらの個室の欄間は、北海道を代表する料亭だった「海陽亭」で実際に使われていたもの/(右)レトロな雰囲気で落ち着ける小上がりは2タイプあります

 そんな雰囲気の中、「蟹工船ベジタブルカレー」や「越治のミートチーズナポリタン」など、喫茶店で食べるような洋食メニューの数々がいただけます。料理も小樽・後志の食材を中心に使っているそうですが、アルコールも小樽醸造ワインやニッカウイスキーなど地元のものを揃えています。

2種類のソースがある「江別太田ファーム卵のオムライス」。その両方を食べられるのが、この「デミグラスソースとトマトソースのハーフ&ハーフ」

 営業は午後8時までとやや早めの閉店なので、飲みに行く前にしっかり食べたいという方にオススメのお店です。もちろん、大正浪漫好きの方は、ぜひ足を運んでみてください。ちなみに、11時~15時までのランチタイムには、エッグノック(カスタード風ドリンク)やビチェリン(チョコレートドリンク)など、他ではあまり見かけないレトロなメニューもありますので、翌日に再訪するのもありですよ!

住所/小樽市花園1丁目1-6 フタミビル2階
電話/0134・61・7682
営業時間/午前11時半~午後8時(L.O.午後7時半)
定休日/年末年始 

ホッケやタラバ足を 目の前の炭火で香ばしく
 <炉ばた屋 鶴吉>

 小樽で炉ばた焼きが食べたいなら、「炉ばた屋 鶴吉」がオススメ!「昔は炉ばた焼きの店がけっこうあったのに、少なくなった」と聞いた代表の森熊真五さんが、それならばと15年前に鶴吉を開店。近年は、ややお高いイメージの炉ばた焼きですが、こちらではリーズナブルな値段で食べられるとあって、平日でもつねに満席状態の大人気店になっています。明るく気さくな森熊社長が、「焼き」を担当することも多く、社長とおしゃべりするのを楽しみにやってくる常連さんも多いそう。

やはり、炭火の炉ばた周りのカウンター席が人気。地元の方にも観光客にも大人気のお店なので、予約は必須です!

 海鮮や肉、寿司や天ぷらなどメニュー豊富ななか、特に人気というのが大きな「ホッケ」。炭火で香ばしく焼かれたホッケは、とくに道外からのお客様に喜ばれているそうです。

豪快なタラバの足も、炉ばたの炭火で香ばしく焼かれて提供されます

 そのほか、こちらもジャンボサイズの「焼きタラバ足」や、「ホタテ貝焼き」などの焼き物、小樽産の「シャコ刺し」や「にしん刺」など旬の海鮮も「本日のオススメ」メニューに並んでいます。

各種刺身も人気。小樽名物、シャコの刺身があったらぜひどうぞ!

 ビール片手に、炉端で焼かれる魚を見ているだけでも気分が上がること間違いなし。ぜひ、観光で冷えた体を「炉ばた屋 鶴吉」であっためていってください。 

住所/小樽市花園1丁目8-23
電話/0134・22・4733
営業時間/午後5時~11時(L.O.22時半)
定休日/無休(12月31日と1月1日は休み)
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旬の新鮮な果物でパフェ 他では味わえないお酒も
 <Parfait Bar Polepole>

 今年3月に4周年を迎えたパフェバー「Polepole(ポレポレ)」。花園のなかでも特にディープな雰囲気を漂わせる「嵐山新地」という小路沿いの「P」の行灯が目印です。築100年の建物ですが、店内にはたくさんの雑貨が並んでいるのでカラフルでポップな雰囲気。店主のマッキーこと山本真紀子さんの「若い時から雑貨店をやりたかった」という夢を、そのまま夜の花園で叶えたようなお店です。

店主のマッキーさん。店内の壁には展示販売の雑貨がたくさん並び、まるで雑貨店のよう

 パフェバーとはいうもののフードメニューも豊富で、〆にカレーや雑炊を食べて帰る方も多いそう。マッキーさんを慕い、月1回必ず来てくれる80代のご夫婦や、喫茶店のように使ってくれる常連さん、〆パフェを食べにくる観光客の方もいて、小さなお店は年齢性別を問わず、いろいろな方が集まってきます。

フードメニューも多いpolepole。1人用の土鍋で出される「納豆雑炊」は、納豆1パックが入りボリュームがありますが、あっさりなのでペロリ

 パフェは定番のほか、季節のパフェがオススメ。春は小樽産のイチゴ、夏は桃など小樽近郊の余市や仁木など北海道産のフレッシュな果物をふんだんに使っています。

秋限定の「柿パフェ」。ほうじ茶アイスとバニラアイスの上に柿を丸ごと1個のせています。意外にも、柿と自家製のあんこが合うんです!

 そして、「じつはお酒が飲めない」というマッキーさん。その割に、ビンテージの日本酒や国内の小さな蒸留所のウイスキーなど、ちょっと他では見かけない珍しいお酒のラインナップに驚きます。

日本酒の飲み比べセット。左から「黒きつね」「鳳凰美田」スペシャルビンテージ、「鳳凰美田」梅原酒。お酒好きなお客さんが多くて種類も少しずつ増え、お酒のために冷蔵庫が増えたそう

 明るくアットホームな雰囲気の中、いろいろな楽しみ方ができるPolepole。ぜひ、足を運んでみてくださいね。

住所/小樽市花園1丁目8-1
電話/080・7202・1003
営業時間/午後6時~12時
定休日/木曜(その他不定休あり。詳しくはFacebookページで告知)
https://www.facebook.com/parfaitberpolepole

音楽を愛する人なら 「どなたでも大歓迎」
 <ミュージック ライブパブ01 zero one>

 音楽を愛する人には、ぜひ足を運んでほしい「ミュージック ライブパブ01 zero one」。店主の稲沢玲一さんは中学時代からバンドをやっていましたが、就職後は音楽から離れてしまいました。ところが定年間近の58歳の時、偶然触ったギターで再び音楽心に火が付き、奥さんの反対を押し切って2018年4月に「zero one」をオープン。今はご夫婦仲良く、店を切り盛りしています。

開店以来、中折帽はマスターのトレードマーク。とってもお似合いです
チャージのお通しは、日替わり。マスターの奥さんは調理師さんでもあり、料理がおいしいのも納得です!

 コロナ禍でも、月2回のライブを開催。各地のライブハウスが閉店していたなかで「zero oneはやっている」と聞いたミュージシャン達が道内からやってきました。今でも彼らは、「新曲ができたら、小樽のホームzero oneで披露する」と集まってくるそうです。カラオケもあるので「歌いたい人も弾きたい人も、音楽好きならどなたでも大歓迎。手ぶらで来ても楽しめます」とのことですよ。

いろんな楽器があるので、手ぶらで来てもライブができちゃうんです!

 実は、この建物、小樽では珍しい土蔵で、天井を見上げるとクラシックな装飾が。ドリンクメニューも豊富で、ソフトドリンクはオール500円。「コーヒーだけ飲みに来る人もいて、夜の喫茶店って言われてるよ」とマスターは笑います。

※画像:2階席は、1階とはまた違った雰囲気。ゆったりとくつろげます

 1名だと120分3000円、2名以上は2500円という飲み放題もありますが、居心地が良すぎて、皆さんが延長していくのも納得の店。「ただいま」と来店するお客さんに、「おかえり」というマスターと奥さん。音楽を愛する人ならずとも訪れたい、素敵なお店です。

住所/小樽市花園1丁目11-15 G3石倉ビル2F
電話/090・9517・5174
営業時間/午後8時~翌午前1時(火曜~木曜)、午後7時~翌午前1時(金曜・土曜)、午後7時~11時(日曜)
定休日/月曜 ※11月は臨時休業が多いため、訪問前に電話で要確認
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心地よい夜を過ごせる ご当地カクテル発祥の店
 <BAR MODERN TIMES>

 小樽市民に愛され、今年でオープン40周年を迎えたスタイリッシュな「BAR MODERN TIMES」。アメリカで修業したマスターの太田義之さんが、スタンダードなカクテルを含め200種類のお酒のなかから、味の好みやお酒の強さなどを聞きつつ、これ!という一杯をチョイスし提供してくれます。

 特に人気なのが、今年、発売10年目を迎えた小樽のご当地カクテル「おたる生ワインボール」。北海道ワインの「おたるナイヤガラ」を使ったこちらのオリジナルカクテルは、今でこそ市内各店で飲むことができますが、考案したのはこちらの店主なんですよ(ちなみに姉妹店の「CARROLL GARDENS」ではピンク色の生ワインボールも提供中)。

2013年から市内各店で提供されるようになった「おたる生ワインボール」。器の金魚鉢は、地元のガラス工房の特注品です。(※ピンク色は姉妹店でのみ提供)

 若い時から、小樽のまちづくり運動にも関わってきた太田さん。歴史から文化までいろいろと詳しいので、観光のお客様には「次の日の小樽観光プラン」をプロデュースしてあげることも。

見た目も美しいカクテル「マンハッタン」(左)と「スカイダイビング」。スカイダイビングは、ラム、ライム、リキュールで作るブルーのカクテルです

 最近は、外国人のお客様も増え、翻訳アプリを使いながらも楽しく接客をされているそうです。「とにかく、小樽を楽しんで帰ってもらいたい」という気持ちが、心地の良い接客に表れています。港町・小樽の雰囲気を感じられる「BAR MODERN TIMES」で、カクテルと共に心地のよい夜を過ごしてくださいね。

住所/小樽市花園1丁目9-26 第2小川ビル1F 
電話/0134・33・2025
営業時間/午後7時~翌午前1時(金曜・土曜・祝前日は2時まで)
定休日/日曜
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