【登別】登別産ホップを100%使用した地ビール「ヌプルペッ ペールエール」が、完成した。市内事業者などでつくる登別産ホップ研究会が2017年からホップ栽培に着手し、20年から商品化しているが、ホップ全量を地元産で賄うのは今回が初めて。1日夜には完成披露会がわかさいも本舗登別東店(中登別町)で開かれ、関係者が祝杯を上げた。9日から同店などで数量を限定して販売。
同会メンバーの泉田覚さん(69)が、市内に野生のホップが自生していることを知り、地ビール造りを発想。ビール製造を手掛ける「わかさいも本舗」(洞爺湖町)や市内の事業者らと共に17年、同研究会を設立した。メンバーらと協力して市札内町の泉田さんの私有地500平方メートルを耕し、上川管内上富良野町の農家から譲り受けた米国原産のカスケードホップの栽培を始めた。
初収穫となった18年はツルが細く、小さい毬花がわずかに実っただけ。その後も収穫直前にシカに食べられたり、天候不良で思うように栽培できなかったりした。こうした逆境の中、シカ対策のネットを張るなどして栽培量を着実に増やし、昨年は約80キロ収穫して全体量に占める地元産ホップの割合を75%までに高めていた。
今年8月には、昨年より100キロ余り多い184・5キロを収穫。上富良野町で乾燥させた後、わかさいも本舗登別東店内にある地ビール工場で約1700リットルの仕込み作業をしていた。
披露会には約20人が出席。小笠原春一市長のかけ声で乾杯し、参加者は「フルーティーでおいしい」「飲みやすい」などと感想を述べていた。泉田さんは「最初はこんなにビール造りが大変だとは思わなかった。初めての登別産100%のビールを多くの人に飲んでほしい」と話した。
ビールは330ミリリットルの瓶入りで715円。5千本限定でわかさいも本舗登別本店(若山町)や登別東店などで販売する。(伊藤空那)
(北海道新聞2023年12月3日掲載)
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